記録

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2018-01-01から1年間の記事一覧

続2018年の終わりに

電車に揺られている。窓の外は、代わり映えしない山の景色が続く。空は雲ひとつない。駅に止まるたびに開くドアから冷たい風が吹き込んでくる。ふと現れる山奥の住居の生活に想いを馳せるなんて感傷的なことかできればいいのだが、それほど気分は穏やかでは…

2018年の終わりに

もう年末なので、そろそろ今年を振り返ろうと思う。なにかを振り返る時は往々にして、大きな出来事ばかりが目に入る。まして今年はあまりにも色々なことがあって、そのことに目を向けてしまいたくなる。しかし、その大きな出来事の影に隠れてしまっているこ…

誰かの記録

密かな趣味がある。誰か知らない人の個人的な記録が刻まれたものを手に入れることだ。日記でもなんでもいい。誰かの痕跡が残っているものは胸をざわざわとさせる。 最近手に入れたものは、昭和29年(1954年)、主婦の友(新年特大号)付録の「家計簿」だ。1月…

退屈を引き受ける

それってプライムビデオで観れるの?最近外に出るのが億劫でね。 87歳の詩人のこの一言を聞いた時、最高にクレバーだと思った。 金曜日、谷川俊太郎の朗読を聞きに行った。僕は谷川俊太郎の詩が好きだ。詩というものがそれほどメジャーではない国で、おそら…

ここ数日のこと

朝ってもう少し明るいのかと思っていた。5時半ぐらいにカーテンの隙間から外を見たら、想像の何倍も暗くて驚いた。眠れない日に徐々に夜が明けていくのをカーテンの隙間から漏れる光で感じていたのだが、その明るさと実際の外の明るさは比例していなかった。…

そこに水路があった

最寄り駅から家まで歩く道は、登りから下りになっている。登りの一番高いところには、その高さのまままっすぐの道が横に通っている。その道を渡るとまた下りになる。なぜその道の場所だけ高台なのだろうとずっと思っていた。地名的に谷がつくし、谷があった…

ただ歩く

先週受けた面接に落ちた。まあそんなもんですよね。いや、まあそんなもんですよねと言って自分を慰めておかないとやっていられない。年内に仕事を見つけるなんて言っていたが、年明けは目の前に迫りつつある。先週の土日のことを書く。 土曜日。朝起きて、今…

悪いことが起きそうな日

今日は、数ヶ月ぶりに起きようと思った時間に起きることができた。いつもは朝6時半に目覚ましをかけるのだけれど結局は7時20分ぐらいに起きてバタバタとシャワーをあびて8時過ぎに家を出るみたいな生活を送っている。本当は7時45分に家を出たいのにその夢が…

特別でもなんでもない日のショートケーキ

面接が終わり、電車の中にいる。数日前から馬鹿みたいに緊張していたのに、面接時間は7分で終わった。きっと落ちているだろうし、早くスーツを脱ぎ捨てたい。面接でよく言われるのは、落ち着いてるね、という言葉だ。落ち着いているのではない。必死に落ち着…

親が連日来ていて辛かったので、土曜は1日予定があると伝え、お昼に原宿VACANTで明日のアー『観光』を観た。今回で観るのは3度目で去年の『日本の表面』の方が時代を捉えている印象はあったけれど、パターンに陥らず毎回面白いポイントが違うので笑うことが…

ただの愚痴

父と母が東京に来ていたので姉も交えて1日行動を共にしていた。話題といえばもちろん僕の仕事のことで、その話が出るたびに胃が痛くなり吐きそうになった。父はとにかく世間体というものにこだわる人間なので、いつまでこんな状態続けるんだ、と苛立ち、姉は…

未来

朝、すれ違う人たちや電車の中のいたるところで、寒いね、寒いねのキャッチボールが繰り広げられていて、冬だと気がついた。 先日、こんなツイートをしたら4つのいいねがついた。 寒いのでほうじ茶を飲んでハッピーになりました。— ミワ (@Not_sanrinsya2) 2…

虚無の散歩

散歩に出かけた。フィルムカメラを持って。以前までは写ルンですを常備していたのだが、ここはひとつカッコつけてみますかとフィルムに手を出してしまったのだ。街中でカメラを持っているそれっぽい人を見ると、うわーと思ってしまう自分がいたのだが、もう…

なにかのワンシーン

最近は、あまりにも空が青すぎる日が多い。ロロのいつ高シリーズvol.7『本がまくらじゃ冬眠できない』を観に行った。舞台の上にたくさんの本が並べられていく様子はわくわくして、あっあれ読んだことある!あれもある!となるのが嬉しかった。いつものいつ高…

店長と呼ばれる人

間に合わなかった一言があって、でも、間に合った一言もたくさんあると信じたいです。ちょうどいいタイミングでかけられるちょうどいい一言が、実は、自分たちも気づいてないだけで、この世界にはあふれてるんじゃないでしょうか。それが間に合ってくれたお…

人と話す

先週は何故だか人に会うことが多かった。根っからの人見知りであるため、誰かから声をかけられなければ人に会うことがない。その誰かから声をかけられるタイミングが偶然重なったのだ。 正直なところ、人と話すことは中学生ぐらいまでそれほど苦手ではなかっ…

眠れない夜には

眠れない夜がある。そんな時は、布団に潜りながらライブ配信されている世界中のどこかを見る。 信号が赤から青に変わり、待っていた人々が横断歩道を渡り、やがてまた信号が変わり、車が走り出し画面の外に消えてゆく。その繰り返しが、世界のどこか知らない…

中欧旅行記オーストリア ウィーン編

前回のブダペスト編はこちら。 中欧旅行記ハンガリーブダペスト編 - 記録 今回はオーストリアのウィーンでのことについて書いていく。 ブダペストからウィーンへは、電車で移動した。ブダペストの駅は大きく、いくつもの列車が発車を待っていた。 僕は、隣の…

なにもしてない日

今日は、なにもしていない。こんなに何もしない日なんてあるんだと驚くが、実はよくあることだ。もし、今日なんにもしなかったなあと後悔している人がこれを読んでいたら、後悔さえもしていない人がいると思って自信を持ってほしい。ベッドの上からほとんど…

風景

いつもよりも遠いコインランドリーへ徒歩で行く。本を一冊持って、30分の読書タイムだーと張り切っていたが、そこにはイチャつく外国人カップルがいて、とてもじゃないけど、居座り読書をする雰囲気ではなかった。だから僕はいまファミレスにいる。こんな24…

姉の結婚相手に会った後の話

姉の結婚相手に初めて会ってきた。結果的に言えばめちゃめちゃ良さそうな人だった。 集合時間は18時30分。会う前に散々のことを書く。 姉の結婚相手に会う前の話 - 記録 姉とご飯を食べに行く時は、暗黙の了解で姉が会計をしてくれることになっているのだが…

姉の結婚相手に会う前の話

今日はこれから、姉の結婚相手と会うというとてもとても億劫なイベントが催される。家族間で、恋愛などの話題がまったく挙がらない家庭で育ったため、助走期間がなくいきなり付き合ってる人を紹介されるのは、当人を前にしてどぎまぎしてしまうのが目に見え…

中欧旅行記ハンガリーブダペスト編

もう遠い前のことに思えるのだけれど、まだそれは今年の出来事で、あまりにも日常から離れた風景ばかりでふと振り返った時にいまだに輝いている旅行の思い出を重い腰を上げて書こうと思う。こんなカッコつけた感じの書き出しにしてしまったが本当は旅行記を…

散歩のことや先週のラジオのことなど

先日、家の玄関を開けると数メートル先に猫がいて、水たまりの水を飲んでいた。こちらの物音に顔をあげて、ニャーニャーと二鳴きして車の下へするすると消えていった。とても一瞬の出来事だったので、今後思い出すこともないのだろうけど、誰が読んでいるか…

台風の前と後のこと

台風が過ぎ去った朝、窓を開けてみると、網戸と物干し竿が消えていた。たしかに前日の夜、外ではもの凄い音がしていたし、鉄パイプの様なものがカランカランと転がる音も聞こえた。あの時、あーなにか落ちたなあとぼんやり思ったが、知らないふりをして布団…

若おかみは小学生や牛久沼3のことなど

温めた牛乳と、どうぶつカステラを食べる。これが今日の僕の夕飯だ。いや、牛乳が冷えているか温かいかの違いだけで、朝食もまったく同じものを食べた。一見、可愛い食事のように見える。しかし、トップバリューの一袋98円のカステラを牛乳で流し込む生活に…

先週観たもの聴いたもの

昨日、映画を観に行く前に無印で飲み物を買ったら会計の時に、すぐに飲まれますか?と聞かれた。こいつ喉がカラカラでお店を出たらすぐに飲むんだろうなと思われているようで恥ずかしかったので、袋に入れてくださいと言ってしまった。自分でも、意味わかん…

週末のこと

今日も今日とて、こんな時間にファミレスにいる。1日なにもせず自宅でごろごろしてしまった無為さに夜になって気づき、せめて外に出ねばと自転車にまたがって向かった先はいつものファミレスで、24時間営業という懐の深さに甘えている。僕はお酒が飲めないの…

色々。

最近はといえば、特に何も変わらない日々で、転職サイトを見るだけで就活をしている気になっている。仕事を辞めたときは、夏が終わるまでに次の働き先を見つけるぞと意気込んでいたが、すっかりなんの負荷もない今の生活に馴染み始め、夏も終わりの気配をみ…

見えない水と蜘蛛食べ人

僕は、小さい頃の記憶がほとんど思い出せない。幼稚園は、マリア幼稚園というキリスト教系の学校に通っていたらしい。家族は無宗教なのだが、田舎であったため、その地域には幼稚園がそこしかなかったのだ。そんな話を親に聞かされると、ぼんやり当時の風景…