記録

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2024年3月29日〜31日

3月29日(金)

朝から土砂降りの雨。びしょびしょになりながら仕事へ。午後は半休を取って特急あずさへ乗って東京へ向かった。午後になると朝の雨が嘘のように止み、20度を超える汗ばむ気候になった。電車に乗る前にコンビニで辛口のジンジャーエールとじゃがりこを購入。辛口のジンジャーエールは見つけるとつい買ってしまう。1番美味しい飲み物だ。電車でじゃがりこを食べていると隣の席の人にじろじろと見られた。『空気階段の踊り場』の「なんか怒られました」になるんじゃないかとひやひやしたがじゃがりこを食べる自由ぐらいあるだろうとぼりぼりと食べ続けた。16時頃に新宿へ着き、神保町近くのホテルへチェックインしてとりあえず丸香でうどんを食べた。やっぱり香川で食べたどのうどんよりも丸香のうどんが美味い。しばらく神保町をうろうろしたが新卒1年目を思い出し、うっ…となった。ここの100均に買い出しに行かされたなとか、このベローチェでつらい日々をなんとかごまかそうとしていたなとか。

時間になったので神保町視聴室での『柴田聡子の神保町ひとりぼっち』へ行った。

「Movie Light」から始まり、新しいアルバムと過去の曲を織り交ぜながらの2時間。最後はピアノ弾き語りでの「Your Favorite Things」で終わり、アンコールはSZAの「Saturn」で締めくくられた。ビヨンセのサイン会に行きたかった柴田さんはもし会っていたら話したかったことを英語で披露していて可笑しかった。神保町ひとりぼっちはもう4回目ほどの参加になるが毎度のことながらあの40人ほどしか入れない狭い空間に幸せな時間がギュッと凝縮される。そして毎回行くたびに知り合いに遭遇するという奇跡が起きるのだが、今回ははてなブログ仲間の水っぽい星さんも同じ会場に来ていたことを後で知った。ちなみにワンドリンクは辛口のジンジャーエールにした。さっきも飲んだばかりなので「ジンジャーエール買って飲んだこんな味だったけな」なんてことにはまったくならない。

21時過ぎに終わり、カレーを食べにエチオピアへ向かった。神保町で遅くまで開いているカレー屋をここしか知らないしエチオピアのおかげで夕ご飯難民にならなくて済む。エチオピアに向かう道中、居酒屋の扉の向こうから森高千里の「17才」が聞こえてきた。

わたしはいま生きている

エチオピアは仕事終わりのサラリーマンで混み合っていたが1階のカウンター席に滑り込みチキンカレーを食べた。相変わらず美味しい。

帰りにローソンでシュークリームを買い、ホテルに戻り明日の予定を考えた。夜中、ひとりでビジネスホテルに泊まっている高揚感から再びローソンに行き、カップ焼きそばを買って部屋でむさぼるように食べた。わたしはこういうことをしてしまう人間だ。東京に来てから、うどん、カレー、焼きそばと短時間に食べ続けている。満腹になり意識を失うように寝た。

 

3月30日(土)

どこかで朝ごはんを食べようかと思ったが色々と調べているうちにどんどん時間が過ぎていき、朝ごはんなんて時間ではなくなったので11時開店に合わせて新御茶ノ水にある「萬龍」へ行った。すでに並んでいたが15分ほど待ち入店。肉玉チャーハンと半ラーメンを頼んだ。

豚肉と焼売の乗った、味の濃い肉玉チャーハンのジャンキーさよ。近くの外国人が「オー…イエス!イエス!」と言いながら食べていて、「食べる情事だ…」と思った。半ラーメンは300円くらいだったのだがとても美味しく、先週食べた美味しくないラーメンのことを不意に思い出し、あの店はなんだったんだよと小さな怒りが沸いた。

お腹を満たし、早稲田へ行った。卒業ぶりに訪れたが、てんやが丸亀になってるとか、美味しくない蕎麦屋がファミマになってるとか、シャノアールがルノアールになってるなどのマイナーチェンジにいちいち感傷的になった。キャンパス内にある村上春樹ライブラリーで『安西水丸展』を観た。

展示を観た後は大学の敷地内のベンチに座り、入学式の準備をしている人たちを眺めた。つい最近まで大学生だったような気がするが、入学式から10年くらい経つことに信じられない気持ちになった。自分の人生はなにも変わってないしむしろ後退している。勝手に感傷的になっているが学祭に4年間1度も行かなかったような人間がまともな人生を歩めるわけがない。東京駅へ移動してステーションギャラリーで『安井仲治 僕の大切な写真』を観た。

この展示がとても良かった。もし映画でこのワンショットが差し込まれたらこの映画のことを否が応でも好きになってしまうなみたいな写真が多く、構図や光と影に魅せられた。東京駅から学大の姉の家へ行った。お土産を渡し、約1ヶ月ぶりの姪と戯れた。すっかり寝返りもスムーズにできるようになっていた。姪の顔も見れたのでとりあえずの目的は果たし、渋谷で『海がきこえる』を観た。初めて観たが、いわゆる90年代を強く感じさせる作品だった。すぐに殴ったり平手打ちをしたりしていてこの時代の人たちはよく手が出るなーと思った。でもなにより良い作画だし大きなスクリーンで観れてよかった。夕飯を食べるタイミングを逃し、もう22時近くでお店探しをする体力もなかったので近場のマックでハンバーガーを買って持ち帰って食べた。どこでも食べれるものを食べてしまった後悔と毎日好きなものを暴食している満足感。

 

3月31日(日)

ホテルをチェックアウトして一旦新宿へ行き、荷物をコインロッカーに預けた。最高気温が26度になるらしくすでに汗ばむ。まだ咲いていない桜も一気に咲く気配がする。恵比寿へ移動して東京都写真美術館で『木村伊兵衛 写真に生きる』を観た。

木村伊兵衛展は昨日の安井仲治展に引き続きとても良かった。関係ないが恵比寿駅と恵比寿ガーデンプレイスの間にある歩く歩道が好きだ。

再び新宿に戻り、歩きながら幡ヶ谷へ向かった。東京に住んでいた時、何度も歩いた道だ。道中、フィルムで写真を撮りながら歩いた。この歩きながら写真を撮り、街から街へと移動できる感覚が東京だなあと思い、こんな時間が好きだったと思い出した。とても心が満たされる。

幡ヶ谷に着き、サンデーベイクショップでキャロットケーキ、チーズケーキ、レモンケーキを買った。その後はウミネコカレーでチキンカレーとキーマカレーの2種盛りを食べた。

この2店舗はかつて幡ヶ谷に住んでいた時のお気に入りのお店だった。久しぶりの幡ヶ谷はまたお洒落なお店がたくさんできていた。再び写真を撮りながら代々木上原方面へ歩いた。

代々木八幡から電車に乗り新宿へ戻り、15時のあずさに乗った。帰りの電車の中で、神保町、早稲田、幡ヶ谷と馴染みのある場所ばかりを今回は巡って、思い出に溺れるような東京旅行だったなと思った。何かを見ては何かを思い出し、ずっとあっぷあっぷしていた。

18時頃に帰宅した。夜、眠る前にハイツ友の会が解散するという情報を見て気分が沈んだ。いつ見ても面白いネタをしていたし順風満帆のように見えていたのだけれど本人たちは苦しかったのだなと思うとやりきれない。