記録

記録

2024年3月2日〜3月3日

3月2日(土)

朝7時に出発して家族で東京へ。目的は姪の桃の節句のお祝いだ。道中、綺麗に富士山が見えた。富士山は見るたびに「でっけぇー」と思う。

11時前には東京へ着き、姪としばし戯れた。もう生まれて5ヶ月になるのでぼんやりとした表情ではなく意思のある表情をしていた。明らかに知らない人を見る顔をしてじっとこちらの目を見ていた。明日がお祝いの日なので、自分は日比谷へ移動し、シアタークリエでKERA CROSS『骨と軽蔑』を観た。

ケラさんの新作はどうしても見逃したくないのだ。社会情勢を反映した内容とめくるめく会話劇に3時間まったく飽きることがなく、紛れもない傑作だった。小池栄子の達者っぷりよ。バラエティも俳優もできるなんて万能すぎる。日比谷から歩いて銀座へ向かい、ナイルレストランへ行った。銀座へ来てもどこでご飯を食べていいか分からずいつもここへ来てしまう。席へ着き、ムルギーランチを注文。

目の前で鶏肉をほぐしてもらい、ぐちゃぐちゃと混ぜて食べる。相変わらずスパイスが効いていて美味しい。東京にしては寒い日だったが汗をかいた。お腹を満たし、姪にプレゼントを買うために絵本専門店の教文館ナルニア国へ行った。つい自分が欲しいものを探してしまうがここは我慢して姪のために絵本を吟味した。

すっかり夕方になってしまったので宿泊先のホテルへと移動し、どこか良いご飯屋さんはないかと探すもテンプレートのような小洒落たバルのようなお店しか見つからず悩んでいると、繁華街からはずれた場所に「Farm」というドリアのお店を見つけ、店構えから即入店した。

ネオン最高

ここがかなりの正解のお店だった。牡蠣とキノコのドリア、渡り蟹のトマトクリームドリア、帆立とエビのホワイトソースパスタを食べたのだがめちゃくちゃ美味しかった。

お店の雰囲気もとても良く、すでに人気店ではあるようだがマガジンハウス系の雑誌に取り上げられたら大変なことになるぞと思った。帰りにコンビニでアイスを買いホテルに戻った。旅行先でホテルに戻る道中で買うスイーツの特別さよ。

 

3月3日(日)

姉の家へ行く道中、二子玉の高島屋へ寄りお惣菜やさくら餅などを買った。代々木上原のパン屋「365日」が入っていたのでパンは自宅用に調達した。姉の家へ着き、姉夫婦がお昼の用意をしている間に姪と戯れた。始めは顔が強張っていたが、徐々に慣れてくると笑うようになり少し高く持ち上げるとキャッキャと喜んだ。その様子を後で写真で見せてもらうと、姪も笑っていたが自分も大きな口を開けて笑っていて、「こんなに自分って笑えるんだ…」と思った。ちらし寿司などを振る舞ってもらい、ひと段落した後にSUNNY BOY BOOKSへ行き、しばらくおしゃべりをした。地元に友達はいないし家族以外とはほとんど関わらないため久しぶりに知り合いに会うとおしゃべりが止まらなくなる。友田とんさんの『先人は遅れてくる』を購入し姉の家に戻った。

パリのガイドブックで東京の町を闊歩するシリーズ

姪の寝返りに家族で歓喜するなどし、帰り際に姉がてらおかなつみさんのイラストが描かれたカステラをくれた。姉は僕のことを分かっている。

可愛すぎるしちゃんと美味しい

帰りの高速道路から夕日に染まる富士山が見えて、「エンディングだ…」と思った。途中サービスエリアで美味しくないチャーハンを食べた。サービスエリアのラーメンやチャーハンは美味しくなくてもそれが醍醐味のような気がしてなぜか許せてしまうところがあるからずるい。

2024年3月1日

3月1日(金)

すっかり日記をさぼってしまった。義務ではないのでこれからもマイペースに書いていく。

昨日の夜降り続いていた雨が今朝には雪になりいつの間にか積もっていた。夜更けすぎに雪に変わったようだった。過去形の山下達郎だ。柴田聡子『Your Favorite Things』を聴きながら仕事へ。先日リリースされてからほとんどの時間このアルバムを聴いている。2024年が始まってまだ3ヶ月だが今年ベスト確定だ。アルバム中盤の「side step」から「Your Favorite Things」までの一連があまりにも好きだ。特にその中でも「Reebok」が素晴らしい。

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通勤中、前を歩いている人が雪の上をやけに慎重に歩いているので僕の中のママタルトひわちゃんが「スノーブーツ履いてるなら誰かの足跡の上を歩くんじゃなくて雪を踏み締めて新たな道を開拓してくれよな〜」と言っていた。

19時頃に仕事が終わり、『THE SIGN PODCAST』の『夜明けのすべて』回を聴きながら帰った。

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三宅唱『夜明けのすべて』は公開翌日に観に行ったが本当に素晴らしく、ここ数年で1番好きな映画になった。様々なレイヤーで考え込まれて丁寧に作られている。脚本の素晴らしさはもちろんのこと(生理、プラネタリウム、星、自転車、反対向きのヘルメット、逆さの手帳など円環や周期のモチーフ)、撮影や照明といった映画としての魅力(自転車に乗る松村北斗への光!ベランダに立つ上白石萌音への光!事務所の明かり!)にすっかり感動してしまった。撮影に関しては月永雄太氏のコダックのインタビューが詳細に語られていて良かった。

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きっと誰が観てもこの映画に心震わされると思うが、なにより自身もしくは身近にメンタルが不安定な人がいたことがある人はより大きく心が動いたと思う。三宅唱監督作では『ケイコ 目を澄ませて』も『きみの鳥はうたえる』も大好きだし素晴らしいが、俳優陣含めより大衆に開けているという意味でもこの作品はやはり特別だ。あの素晴らしいエンドロールでボールがこちらに転がってくるのは演出なのだろうか。

この構図の素晴らしさよ!

夜は『不適切にもほどがある!』6話を観た。これまではどこか惰性で観ていたが先週の5話から物語の全容が見えてグッと面白くなった。全体として粗い部分はたしかにあるが、フィクションの登場人物の発言をそのまま作者の意見として受け取るSNSの人たちにはぐったりしてしまう。

明日東京へ出かけるため準備をして早めに寝た。

2024年1月1日〜1月7日

1月1日(月)

朝起きてからだらだらと『爆笑ヒットパレード』を観ていた。喪中なので初詣にも行かず特にやることもないのでまさに寝正月のごとく寝たり起きたりを繰り返していた。16時10分頃、スマホの緊急地震速報アラームがけたたましく鳴り、家が揺れた。ちょうどキッチンから珈琲を持ってリビングに移動している最中だったため、こぼさないようにそろりそろりとテーブルに置いて久しぶりの大きく長い地震に耐えた。すぐにテレビを見ると石川県で震度7の地震とのことだった。自分の住んでいる地域は震度4だった。しばらくすると大津波警報がテレビで叫ばれ、これは相当大きな震災になるなと思った。それからテレビは地震のニュース一色になった。

1日2日(火)

朝9時に自転車を走らせてイオンモールへ行った。トム・ブラウン新春お笑いライブの整理券を手に入れるためだ。配布30分前に着くともう100人ほど並んでいた。後ろに並んでいた高校生らしき子たちが昨日の地震の話をしていて、「昔にも東北で地震あったらしいよね1月とか2月に」と言っていて東日本大震災の記憶が今の高校生にとっては物心がつくかつかないかの頃の出来事であることを実感した。20代以降の人たちにとっては2011年3月11日という日付はどうしたって忘れないだろうが、阪神淡路大震災がいつ起きたかと聞かれたら自分は答えられないなと思った。無事整理券を貰い、一旦家に戻るとEテレで山田尚子監督の『リズと青い鳥』の放送が始まりつい最後まで観てしまった。やはり冒頭の登校のシークエンスがあまりに素晴らしく美しい。今年は山田尚子監督の新作が公開される予定なので楽しみだ。YouTubeに演出集があり思わず観た。


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午後、再びイオンモールへ。今朝、自転車は寒かったので今度は歩いて向かった。無事イス席に座りトム・ブラウンが出てくるのを待った。いわゆる営業というものを観に行くのが初めてだったので老若男女に囲まれながらお笑いを見るのが新鮮だった。トム・ブラウンが登場すると「みちおちゃーん」と色んなところから声が上がった。笑顔で手を振り続ける2人が可愛かった。敗者復活戦でのあの漫才を生で見ることができたので嬉しかったし見れば見るほど意味がわからないが大好きなネタだ。最後の色紙をかけたジャンケンには負けてしまったので悔しい。

お正月からトム・ブラウンを見れるなんて良い年明けになったなと思いながら本屋へ行った。姪が明後日来るためお年玉代わりに絵本を選んだ。センスがいいと思われたいのでディック・ブルーナのミッフィーではない絵本を購入。人になにかをプレゼントするなんてもう何年もしていないのでラッピングの包装紙を選ぶ時の相手を想像する時間に人としての気持ちを取り戻した気になった。

夜、JALの飛行機が着陸時に海保の飛行機と接触し燃えている映像がテレビで流れ、映画を見ているようだった。『ダイハード2』みたいだと思っていると父親がダイハードみたいだなとつぶやいていた。

年末に追悼番組として放送されていた山田太一『今朝の秋』を観た。それぞれの登場人物が嘘や矛盾を抱えながらも、それでも終盤の全員で歌うシーンで立ち上がる本当に感動した。まずもって「今朝の秋」というタイトルが良い。笠智衆に杉村春子と小津を感じさせる作品だった。

1月3日(水)

ヴィム・ヴェンダース『PERFECT DAYS』を観た。批判されている部分はもちろん分かるしもやもやするところも確かにある(トイレ綺麗すぎ問題や企業のプロパガンダなど)。しかし、自分が過剰に汲み取りすぎているのかもしれないが、あらゆる選択肢の中から清貧さを選んでいるのではなく、あの生き方でしかこの世界で息をできない人を描いていると思った。役所広司演じる平山は不意に来る孤独や寂しさにずっと耐えているのだと思う。だから音楽や本を読んだり、木漏れ日やささやかなコミュニケーションに大きな喜びを感じているのだ。ラストシーンの泣き笑いの長回しが全てだった。たしかにそう考えると、この世界で息をできる持っている側がこの映画の資本を支えていると思うと複雑ではある。それでも好きな作品ではあるし、どこか自分を見ているようでもあった。

久しぶりに『芸人シンパイニュース』が放送された。この番組は芸人への愛がひしひしと感じられるから好きだ。

1月4日(木)

年末年始の観れていなかった番組を消化するために『令和ロマンの娯楽がたり』『日本怪奇ルポルタージュ』『マジ歌選手権』を一気に観て疲れた。

午後には姉夫婦が帰省してきたので早速姪に絵本をプレゼントした。まだ3ヶ月なのでなにも分かっていないが、事あるごとに何かを買ってあげる叔父さんムーブを今後もしていこうと思った。

1月5日(金)

憂鬱な気持ちで仕事へ。休み明けは本当に働きたくない。『令和ロマンのANN』を聴いた。冒頭からこれでもかと固有名詞が飛び出し、固有名詞の海に溺れそうになったが令和ロマンとはほぼ同世代のためなんとかついていくことができた。

松本人志が自身の性加害事件についてあまりにも悪手なつぶやきをしていて最悪だった。権力者を前にした本音と建前が分からないのか。やはりこのまま引退もあり得る。

1月6日(土)

土曜だがなぜか仕事。しかも3時間も残業をしてへろへろになって帰宅。即就寝。

1月7日(日)

朝食に七草粥を食べた。午後は柴田聡子×ハダタカヒトのトーク&ライブを観るために車で辰野町まで行った。場所は旧安藤精麦という元々建材置き場だった建物で趣きがあった。

トーク30分の後に柴田聡子のライブが1時間半ほど行われた。神保町ひとりぼっちにはよく行っていたためこの距離で柴田聡子の歌を聴くのは慣れてはいるが、地元の長野県で聴けるのは本当に嬉しい。天才っぷりを存分に浴びた。小規模なイベントということもあり豚汁や温かいお茶なども振る舞われてアットホームな空間でとても良かった。仕事をしている時は常に誰かに心臓を掴まれているかのようなしんどさがあるが、文化的なものを体感している時は全てから解放される。

夜からちらちらと雪が降り始め、いつの間にか外が真っ白になるほど積もっていた。深夜、カーテン越しの窓の外がぼんやりと白く、雪が積もった日は夜でも外が明るいのを思い出した。

2023年12月25日〜12月31日

12月25日(月)

昨日のM-1の熱が冷めやらぬまま仕事へ。電車に乗っている人も職場にいる人もみんなM-1を観ているに違いないと思ってしまうが、そんな話をしている人はいない。

家で新聞に挟み込まれているチラシを見ていると、地元のイオンモールにトム・ブラウンが来るとの情報が載っていた。昨日の敗者復活戦を見て以来、トム・ブラウンとスタミナパンのネタを繰り返し見ていたので俄然行くしかないと気持ちが高ぶった。朝10時から整理券配布らしく、この地域でのトム・ブラウン熱が分からないがとりあえずお正月は朝からイオンモールへ走るしかないと決めた。

12月26日(火)

仕事を終えて職場を出ると夕焼けがとても綺麗だった。それほど寒くもなく、このまましばらく歩きたい気分だったが一駅隣りまで歩いたとして平気で30分は超えるので諦めた。隣駅まで30分以内で歩けて電車は10分も待たずに来る東京は改めて凄い。帰り道、紅茶姫という見たことない紅茶を自販機で見かけた。

売切れなんかい

おそらく紅茶花伝から引っ張られたネーミングだが、漫画の『紅茶王子』の可能性も無くはないのかと思った。ロロのいつ高シリーズ『校舎、ナイトクルージング』で『紅茶王子』の名前が出てきた時は自分以外も読んでいた人がいたのかと興奮したのを思い出す。EMC「100%未来」でもその時のセリフが使われていて嬉しかった。

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12月27日(水)

昨日の『爆笑問題カーボーイ』を聴きながら出勤。冒頭から松本人志の文春について触れていて、おそらくここをいじれるのはもう太田さんしかいないなと思った。記事の内容が事実なら本当に酷いがダウンタウンのここ数年の動きを見ていると、引退しそうな雰囲気がずっとあったのでこれきっかけで芸能界を辞めるのではないかとさえ思えてくる。そう思うと先週の『水曜日のダウンタウン』のドッキリはとても怖かった。いわゆる枕営業を提案されるのではないかという怯えの表情が生々しかった。

今日配信された星野源の新曲「光の跡」がとても良かった。


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12月28日(木)

仕事納め。15時で仕事が終わったので晴れ晴れとした気持ちで本屋に行った。和山やま『ファミレス行こ。』と薄場圭『スーパースターを唄って。』2巻を買い帰宅。『相席食堂』『テレビ千鳥』『チャンスの時間』を観て千鳥まみれの時間を過ごした。『テレビ千鳥』の「玉デニム」と「カニ玉」にめちゃくちゃ笑い、自分はいつまでこんな下ネタで笑い続けるのだろうかと思った。

ランジャタイMCの『ブチギレ-1グランプリ』が面白かった。本当に大声を出している人を見たら怖くて仕方がないが、フィクションであると分かった上で見る、同時に色々な人が大声を出している状況はどうしてこんなにも面白いのか。

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12月29日(金)

あまりにも晴れていて、お正月が一足先に来たような日だった。仕事がある日の朝は憂鬱だが、同じ朝でも休みの日はなんでもできるような気分で目が覚める。午前中から『トーク・トゥ・ミー』を観に行った。


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降霊が明確にドラッグの比喩として扱われていて、ティーンたちがアルコールもドラッグもなしにハイになるのだ。呪いによって徐々に生と死の世界が曖昧になっていく演出も上手かった。映画を観終わり、そのまま歩いて本・中川へ行った。

本・中川

お店の場所が変わってからは初めて訪れた。良い雰囲気と品揃えで店主の方も優しい。nakabanさんの展示も開催されていた。年末年始のお供に『さがるまーた』、『生活フォーエバー』、台湾特集の『ランバーロール』を購入した。

13時も過ぎ、お腹が空いたのでキッチン南海でカツカレーを食べた。映画を観て、本屋へ行き、キッチン南海でカツカレーを食べるなんて理想的な休日にもほどがある。年の瀬の街の中をうろうろと散歩し帰宅した。

長すぎるセブンを見かけた

鬼越トマホークのYouTubeで永野ゲスト回がとんでもなく面白かった。永野の悪口の精度の高さとエンタメとのバランスがあまりにも良すぎる。1時間があっという間だった。


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12月30日(土)

年末のみ一般に解放されるとのことで、朝8時に市の公設市場へ行き、蟹やブリを買った。そのまま祖母のいる老人ホームへ行った。会いに行くたびに、「大きくなったねえ」と言われる。もう祖母は95歳で、先日亡くなった祖父と夫婦であった。その場での会話は成立するが、数分後には同じことを聞いてきて昔のことしか覚えていることができないのだが不思議と祖父が亡くなったことは記憶しているのだ。亡くなったのがいつなのかは覚えていないが、亡くなったという事実は記憶している。また来るねとさよならをした。次に会った時はまた「大きくなったねえ」と言われるのだろう。

夜はかつ玄でカキフライを食べた。

最高

かつ玄のカキフライは牡蠣が数個くっつけられて揚げられているので大きく満足感がある。もちろん美味しい。一年に一度の楽しみ『正解は一年後』を観た。こんなくだらないことをしている有吉とバカリズムが明日紅白の司会と審査員をしているとは思えない。

ツイッターで、オードリーから気持ちが離れていっているというブログが話題になっていた。どこか分かるような気もするし、実際この半年くらいはラジオを聴かなくなってしまった。でもこれはオードリーが悪いとかそういう話ではなくて、誰でも好きなものとの距離は近くなったり遠くなったりする。たまたま自分の中の人生のそういう時に一方的に伴走者としていただけなのだ。自分の中ではかつてのバナナマンや星野源もそうで、ゆっくりと距離が離れていってもかつて好きであったという気持ちは残り続けていると思いたい。

12月31日(日)

朝から雨。ここ数日の晴天も大晦日までは持たなかった。どこへも出かけず部屋の掃除をしていた。数日前から鼠蹊部が痛く歩くのがしんどい。これは病院に行くべきなのか悩む。しかし、部位が部位だけに診察時の恥ずかしさもある。数年前に前立腺炎になった時はおじいちゃんの医者にお尻の穴に指を入れられたわけでそれを超える恥ずかしさはもう無いはずだと信じたい。

夜は紅白を観た。冒頭からバカリズムが昨日の『正解は一年後』でやると言っていたポーズをしていて笑った。そして、不意に出てきたアルピーと平子さんの居合い斬りに笑いながら変な感動をしてしまった。浜辺美波と橋本環奈の歌、寺尾聰、けん玉失敗からのエレカシ、NewJeans、緊張して歌う有吉、そして実質大トリYOASOBI「アイドル」のアイドル大集結があまりにもハイコンテクストで痺れてしまった。こういうものを紅白に期待したい。

年明けすぐのEテレで柴田聡子が辰年の歌を歌っていた。新年最初に聴いた曲が柴田聡子なのは嬉しい。たなくじをした。

太田さんが出た。嬉しい。

今年は、10年近く住んだ東京を離れて地元に戻ってきた。東京への想いはまだまだ自分の中にはあって、地元で生きていくというこの現実をどうにか肯定するために今の生活に向き合おうとしている。来年は30歳になる。だからなんだという話なんだけれど不安はあって、でも自分の人生は自分のものでしかないのでどうにかこうにか生きていくんだと言い聞かせている。

2023年12月18日〜12月24日

12月18日(月)

朝4時50分起床。相変わらず外は暗いし寒すぎるが15時半には帰れるしと思いながら仕事へ。しかし、仕事でトラブルが起きまくり帰宅したのは夜21時。お風呂に入り寝て1日が終わった。

12月19日(火)

労働。帰宅してからもなにもする気力が起きなかったが先週の日記を書けていなかったのでなんとか力を振り絞り書いた。誰かに強制されているわけではないし、義務でもないがなんとなく書かないともやもやする。基本的に日記を書く時は、生活の中での出来事の断片やその時の気持ちをメモしておいて後から見返してその周辺の記憶を思い出し肉付けするという作業で書いている。まったく書くことないやと思うときもあるが意外にひとつの出来事から連なるようにして別のことを思い出すこともあり書き始めないと分からないなといつも思う。

12月20日(水)

労働。アルピーDCGを聴きながら仕事へ。ナカゴーからメールが来ていて、えっもしかして中止になった新作を上演するのか!と思ったが過去の公演の再配信のお知らせだった。それでもナカゴーの作品が観れるのは本当に嬉しい。

アキ・カウリスマキの新作『枯れ葉』の評判を色んなところで見かけて早く観たいが地元では公開されない。『ゴーストワールド』だって上映されていないのだ。こういう時に、東京…と思う。もし僕にお金があれば地方で孤独に映画に飢えている人たちに観るきっかけを作っていただろう。来年はビクトル・エリセの新作も公開されるがどうか地元で上映されることを願う。大学生のとき、新文芸坐で観た『ミツバチのささやき』と『エル・スール』のことをどうしたって忘れることができないのだ。

12月21日(木)

朝、とても寒く雪が舞っていた。『空気階段の踊り場』を聴きながら出勤。オズワルド畠中の熱愛に怒り狂うもぐらが最高。ニュースを見たとき特に何も思わなかったが、ラッキーオールドサン「すずらん通り」を流したあの回の彼女と同一人物ということだったのか。


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職場のおじさんに「雪降ってますね!」と言ったら「舞ってるだよ」と諭されて、雪国マウントをとられた。

帰り道、サンタクロースの格好をしてバイクに乗るピザーラの配達員を見かけた。自主的にサンタのコスプレをすることはないけれど、仕事で仕方なくこんな格好していますという自意識の持ち方だったら普段することのない格好をできることに恥ずかしさよりも嬉しさのほうが勝つかもしれない。

12月22日(金)

冬至。明日から日が少しずつでも長くなると思うと嬉しくなる。

仕事を終えて家に帰ってくるとなぜか急に濱口竜介『寝ても覚めても』のラストシーンを観たくなり、U-NEXTで観た。お互いの視線が交わることなく、ただスクリーンのこちら側を見つめる2人のショットは何度観ても震える。音楽がかかるタイミングも完璧でtofubeatsの「リバー」も良い。続けて『東京物語』の好きなシーンを見返した。笠智衆によるあの名場面だ。

ああ綺麗な夜明けじゃった、今日も暑うなるぞ

本当に美しくて寂しい台詞だ。

夜は『爆笑問題の検索ちゃんネタ祭り』を観た。爆笑問題の漫才がとても良かった。

12月23日(土)

なにも予定はないが天気が良いので午前中から散歩に出た。街中をふらふらし、本屋に寄ったりお城まで歩いたりして帰りは少し遠回りして家に帰ってきた。今回の散歩のハイライトは、路地の奥の怪しげな神社とまん丸な造りのある可愛い橋だ。

奥に進む勇気はなかった

まん丸で可愛いね

散歩中はずっとラッキーオールドサンを聴いていた。ラッキーオールドサンのことはきっとずっと好きだと思う。

夜は、クリスマスも近いので名盤ヴィンス・ガラルディ『チャーリー・ブラウン クリスマス』を聴いた。

音楽を聴きながらケストナー『飛ぶ教室』、ウェストール『クリスマスの猫』の猫を読んだ。

どちらも大好きな物語だ。『飛ぶ教室』は何度読んでも涙ぐんでしまう。まえがきは何度だって引用したい。

人生、なにを悲しむかではなく、どれくらい深く悲しむかが重要なのだ。誓ってもいいが、子どもの涙はおとなの涙よりちいさいなんてことはない。おとなの涙よりも重いことだって、いくらでもある。

不運はしっかり目をひらいて見つめることを学んでほしい。うまくいかないことがあっても、おたおたしないでほしい。しくじっても、しゅんとならないでほしい。へこたれないでくれ!くじけない心をもってくれ!

ボクシングで言えば、ガードをかたくしなければならない。そして、パンチはもちこたえるものだってことを学ばなければならない。さもないと、人生がくらわす最初の一撃で、グロッキーになってしまう。人生ときたら、まったくいやになるほどでっかいグローブをはめているからね!

12月24日(日)

午前中は祖父の家に行き、お参りをした。セブンでずっと気になっていたが手を出せずにいたデカ豚ラーメンワシワシMAXをついに食べた。祭壇にあげられていたお供えの白飯と一緒に。まさか祖父も自分にお供えされたご飯が二郎系ラーメンと共に食されるとは思いもしていないだろう。

午後は15時からM-1敗者復活戦を観た。1年に1度の待ちに待った楽しみな日。今年から決勝までぶっ続けの放送になり、さらに審査方法も変わった。Aブロックはママタルトがロングコートダディをまくった時は熱かった。Bブロックがとにかくめちゃくちゃなネタばかりでトム・ブラウンにゲラゲラと笑った。死体でリズムをとるなんてどうやったら思いつくのだろう。もうこれはトム・ブラウンが優勝だと思ったらエバースの正当な漫才にあっさりと負けて、それも含めてよかった。


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Cブロックはシシガシラのネタが本当に良くできたネタで笑いながら感心してしまった。ななまがりも大好きで、「黒部ダムに粉ポカリ1袋を入れて世界一薄いポカリを富山県に飲ませる活動をしている人」に声を出して笑った。まったく触れる必要はないが改めてフースーヤがめちゃくちゃ苦手なことだけを再確認した。敗者復活は納得のシシガシラ。審査方法が変わらなければ絶対に選ばれていなかったので本当にルールが変わってよかった。もう敗者復活戦だけでお腹いっぱいになり、決勝は明日に持ち越しでいいよと思ったが続けて決勝が始まった。

願望のみの順位予想

トップバッターの令和ロマンがあまりにも面白く、けどトップバッターだからなあと思っているとあれよあれよという間に優勝した。スター性と才能に溢れていて完璧すぎる。それにしてもずっと面白かったのにくすぶり続けてきたヤーレンズがちゃんと世間に知られたのが本当に嬉しい。ランジャタイ、モグライダー、錦鯉などあの頃ライブで輝いていた人たちがちゃんと日の目を見ている。一方で真空ジェシカは圧倒的に面白いのに審査員の点数がいまいち伸びないのが毎度のことながら悔しい。僕は今回の決勝の中で真空ジェシカが1番面白かったと信じてやまない。だってネタの冒頭から最高過ぎやしないか。

休みの日はB画館ばっかり行ってて

映画館じゃなくて?

映画館はちょっと高くて、かといってC画館までいくと客層が悪くて内容が入ってこない

ちょっと待って、A画館、B画館、C画館ってこと?

そこから?

映画館しか知らないから

やばいお前Z画館から勉強してこい

1番下ってこと?

下って言うとまたあれなんだけど

配慮がいるかどうかもわからないから

本当にこのやり取りには痺れちゃうね。さや香の2本目は誰が見ても消費レース向きではないことは明らかだが、発想は大好きだしやりたいネタをあの場所でやるのがかっこいい。M-1終わりは毎年恒例の千鳥による打ち上げを観た。これが本当に好きで、M-1の苦しさを知っている千鳥がとにかく優しいのだ。それぞれのコンビのやりたいことや意図の分析も的確で、審査員に否定されたところも肯定しようとしていて良い。


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毎回お笑い賞レースのたびに興奮してテレビにかじりついている。ただのバラエティ番組の一つじゃないかと思う人もいるかもしれないが、そんなただのバラエティ番組を観る時間が誰かにとっては生きていく中でかけがえのないものだったりするのだ。それは、毎日聴くラジオも毎週観るテレビ番組も同じで、それが僕にとっては生活の中の祈りなのだ。

 

2023年12月11日〜12月17日

12月11日(月)

相変わらず月曜は朝4時50分起床。その分仕事は15時半には終わるので明るいうちに家に帰ることができる。

ポール・キング『パディントン2』を久しぶりに観た。やはり傑作だ。優しさと誠実さの連なりで世界が良くなるという物語なのが素晴らしい。いま公開中の『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』と同監督なので観に行くか悩む。クマが働いているお話からフィービ・ウォージントン『パンやのくまさん』や『ゆうびんやのくまさん』を思い出し久しぶりに本棚から引っ張り出してきて読んだ。『パンやのくまさん』の冒頭は、こう始まる。

くまさんは、あさ、とてもはやくおきて、

おおきな かまどに ひをいれます。

かまどがじゅうぶんあつくなるのを

まちながら、くまさんは、

あさいちばんのおちゃを のみます

「かまどが熱くなるのを待ちながら朝一番のお茶を飲む」誰しも1日の中でこんな時間はきっとあって、大したことはないかもしれないけれど大切な瞬間だったりする。

『ゆうびんやのくまさん』はこう始まる。

くまさんは、にちようびのほかは、

まいあさ、とてもはやく、おきます。

ふゆには、そとは、まだ、

くらいこともあります。

くまさんは1日働き、こう物語は終わる。

うちへ かえると、くまさんは、

とても つかれていたので、

あたたかい おふろに はいりました

このシリーズは可愛いくまが主人公だが特になにも起きず、朝起きて働き眠るという生活の営みの中でたしかに存在するささやかな瞬間を淡々と描いていて大好きな絵本だ。ちなみに『ゆうびんやのくまさん』はクリスマスの日の話なのでこの季節にぴったり。

 

12月12日(火)

深夜、バタバタと家の中を駆け回る音がして目が覚めた。外からはザーザーと雨の音が聞こえた。入院していた祖父の体調が良くないと病院から連絡があったようで父と母が家を出ていった。午前4時に祖父が亡くなった。老衰とのことだった。とりあえず今日は仕事へ行っても大丈夫とのことでいつも通り朝から仕事へ行った。

夜、両親が帰ってきた。まだ葬儀の日程は決まっていないとのことで明日もとりあえず仕事へ行くことになった。昨夜から両親は寝ていないためぐったりしていた。

12月13日(水)

昨日の『爆笑問題カーボーイ』を聴きながら出勤。いつものことだが2人でホテルのルームサービスを頼む話が好きだ。今週は生放送でミキがゲスト。たけしに「うるせえだけで面白くなかった」と言われたエピソードが面白すぎる。爆笑問題は鬼越しかり噛みついてくる後輩との相性が本当に良い。

仕事中、通夜が明日になるとの連絡が来たので職場へ伝え、2日間休みをもらうことにした。仕事を終え家に帰り、久しぶりに喪服を引っ張り出してきて着てみるとパツパツだった。最後に着たのは10年近く前になるので当たり前のように体型も変わる。

寝る前に真空ジェシカ川北さんのマリオRPG実況を見た。これが最近の楽しみ。M-1決勝の出演と審査員を両方やるので当日は高速で移動して画面上で点滅している状態になると話していて笑った。

12月14日(木)

平日の明るい朝を久しぶりに見た。土日以外は朝日が昇らないまだ暗いうちに家を出るので新鮮だった。通夜は夕方からなので特にやることもなくそわそわしながら家で過ごした。両親は午前中には諸々の準備のため家を出て行った。お昼過ぎに姉夫婦が東京から帰ってきた。久しぶりの姪との再会。まもなく生後3ヶ月になり、生まれてから約1ヶ月一緒に過ごしたので我が子のような心持ちになっている。表情が豊かになり、声を出して笑うようになっていて驚いた。ただただ可愛い。夜、通夜に参列した。お坊さんが、用意されていた木魚をポンとひと叩きし首をかしげ、「私のを使います」とカバンからマイ木魚を出したのにミュージシャンかよと思い、笑いそうになってしまった。布団に眠る祖父を持ち上げ、棺に入れる時のあの重さは、母方の祖父母の時も経験したが忘れることができない。

この日は線香を絶やさないためにセレモニーホールに泊まった。亡くなった祖父が眠る横で、通夜で余ったお弁当をバクバクと2人前平らげた。

深夜、葬儀場の外にて

12月15日(金)

葬儀場で朝を迎えた。朝9時半に出棺し、霊柩車へ棺を運んだ。霊柩車の扉が閉まる音の静かさにしんみりした。火葬場へ着き、いざ火葬される前になると、この瞬間が一番悲しいことを思い出した。火葬場の機械的で妙につるっとした雰囲気がそうさせるのだろうか。1時間半、知らない親戚に囲まれながら火葬が終わるのを待つ。火葬が終わり、遺骨と対面する。この時に、ああ死んだのだなと実感する。骨上げをした。骨上げの時にはサビが2つあると思っていて、骨壷に納める時に火葬場の人がパキパキと上から骨を潰す時間と、喉仏を説明する時間だ。どちらも、来るぞ来るぞと思っていたらやはりその時間が来た。泣いている人もいる中でなんで自分はこんなことを考えてしまうのだろうかその不謹慎さに嫌になった。昨日の通夜の時も泣いている人が多くいたが泣けなかった。こういう時に自分はまともな感情を持ち合わせていないんだと思ってしまう。

火葬場から葬儀場へ戻り、葬式になった。受付をした。「この度はご愁傷様でした」と言われて香典を受け取る。その際の返答の正解が分からず、ごにょごにょ言いながら頭を下げるしかなかった。祖父は教員だったため教え子が多く訪れていた。また、絵を描いていて美術館の館長をやったりもしていたので美術会の人も多く来た。葬式は淡々と終わった。

12月16日(土)

昨日の葬儀の片付けをした。ひたすら香典の封を開けてお金を数えた。記帳された額と実際の額が合った時は気持ちよかった。ばたばたと毎日が過ぎていき、つい数日前に祖父が亡くなりもう骨になっているとは信じられない。

ツイッターに2年前に訪れた真鶴での旅行記を投稿した。この時の文章が自分の中のピークのような気がしていて、またこんな文章を書いていつか本にしたい。

昨年ネットプリントや文フリで配布した真鶴旅行記です。自分でも好きな文章。 pic.twitter.com/mTX2eEohm4

— ミワ (@Not_sanrinsya2) 2023年12月15日

 

『ジブリと宮崎駿の2399日』を観た。宮崎駿の高畑勲への想いに圧倒された。編集がやや恣意的ではあるものの、ドキュメンタリーも作品なのでそこはそう受け取るしかない。『君たちはどう生きるか』の正解のようなものを出していたが、大叔父には高畑勲も宮崎駿もいるし、キリコは保田道世でもあるし高畑勲なのだと思う。なんというか混ざり合っているのだ。

12月17日(日)

朝9時起床。午前中から『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』を観に行った。家父長制への批判と戦中戦後の弱者の搾取を現代へも続くものとして鬼太郎の物語に上手く組み込み描いていて素晴らしかった。中盤のアクションシーンの作画も見応えがあった。個人的には鬼太郎の映画といえば、南方妖怪チンポなので少し登場を期待してしまったがそんな余地はなかった。

ストレートだ

帰り道、自転車に乗っていると喪服の人たちとすれ違った。宮崎駿のドキュメンタリーでも高畑勲の葬儀で喪服を見て、鬼太郎の映画でも葬式から話は始まった。祖父の葬式を数日前に経験したせいかやけに喪服ばかりが目に止まる。

姉夫婦と姪が東京へ帰って行った。またお正月に帰ってくるらしい。今年は姪が生まれて祖父が亡くなった年になった。人は死ぬし人は生まれる。

2023年12月4日〜12月10日

12月4日(月)

毎週月曜は朝5時半に家を出なければならないので4時50分に目覚ましをかけている。家を出るたびに、夜じゃんと思う。先週の爆笑問題カーボーイを聴いていると、ウーチャカが長嶋茂雄と握手した話を嬉しそうに話していて、それに対して太田さんも同じテンションで興奮していてよかった。

不意にホシクマというマークを見かけて可愛さにやられた。

クマなのか?鼻高くないか

ブルータスのヒコロヒーのエッセイが素晴らしかった。

brutus.jp

ささいなことに疲れてもう全て投げ出して遠い島にでも行ってしまおうと思う日もあれば、疲れていてもこのような毎日を送ることができてとても幸せだと噛み締める日もある。そうしてやっぱり、粛々と働いている。これらを働いてばかりの日々だと思うことは簡単だけれど、どんな日も、いろんな日である。この身体で、この感受性で、さまざまな時間を過ごしている日々だ、と述べることが真実であり適切なのかもしれないと、ふと考える。

働いてばかりであるという簡単な不幸に流されるのではなく、実はいろんな日々を過ごしていて豊かばかりであるという真実の幸福の旗を握っていたい、と、今日はたまたま思える日であり、明日はどうだか知る由もない。しかしそれもまた日々である、と、なぜだかそう考えた今日の日のことを、あの旗がするすると飛んで行かぬようにと慌てて綴っておくのである。

12月5日(火)

朝の気温はマイナス2度。職場で健康診断があった。朝、自宅で採取した尿を検診の人に渡すと少し離れたカゴにぽいっと投げ入れられて、数時間前までに自分の体にいた液体なので「ああわが尿よ」と雑に扱われたことに寂しくなった。職場の敷地内に心電図の車が来ていて、その中で検査をした。これまでは検診センターみたいなビルでしか健康診断を受けたことがなかったので街中で時々見かける特殊な車に乗れたことに興奮した。

12月6日(水)

昨日とは打って変わって朝でも暖かい。昨日の最高気温は4度だったが今日は14度にもなった。甘井最鹿『走り出す花びら』を読んだ。絵も表現も上手くてすぐにでも連載が始まりそうな作品だ。

feelweb.jp

小学館新人コミック大賞青年部門大賞のかわじろう『コースロープ』も読んだ。こちらも好みの作品で好き。

shincomi.shogakukan.co.jp

光用千春さんの作品を思い出し、久しぶりに『コスモス』『たまご』を読み直したがやはり本当に素晴らしい。光用さんは来週からビッグコミックオリジナルて連載が始まるらしいので楽しみだ。

コスモス (CUE COMICS)

コスモス (CUE COMICS)

Amazon

 

12月7日(木)

昨日から無性にメロンパンが食べたかったのでお昼ご飯用にコンビニで買ってから仕事へ。お昼に食堂でメロンパンをかじっていたらいい年をした男が可愛いフォルムのパンを両手で持って食べていることに急に恥ずかしなりそそくさと食べ切った。可愛いフォルムのパンは誰もいない公園のベンチか自宅で食べることにする。

M-1準決勝があり、決勝進出者の発表があった。ついにヤーレンズが決勝に行ったのはかなり熱い。敗者復活戦もシステムが変わるらしく本戦と同じくらい楽しみ。本命はもちろん真空ジェシカだ。

12月8日(金)

この季節は、プリンターから印刷された紙で暖を取るのが自分の中で恒例になっている。すっと両手で紙を挟み込み、一瞬の温かさに癒される。

12月9日(土)

夕方から会社の忘年会があり、ずっとそわそわしていた。一日の中に乗り気ではない予定があるというだけでその他のことがなにも手に付かなくなってしまうのでせっかくの休みだが外出しなかった。劇場で見逃した『女神の継承』がU-NEXTで配信されていたので観た。この後の憂鬱な予定を忘れさせてくれるのに十分な面白さと怖さだった。

重い足取りで会社の忘年会へ行き、なんとか2時間を乗り越えた。コンビニでホットコーヒーを買い、ceroの「街の報せ」「ロープウェイ」を聴きながら少し遠回りをして家への道を歩いた。温かいコーヒーを両手で包みながら街灯のまばらな川沿いを歩いていると満たされるものがある。

いったい何歳まで夜歩くことに感傷的になるのか

帰宅し、THE Wを追っかけで観た。やはりハイツ友の会がビジュアル含めて好きだ。全員面白かった。ときに「街の報せ」のMVは何度観ても素晴らしい。


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12月10日(日)

朝9時から映画を観るために映画館へ歩いて向かった。朝の冷たい空気の中を歩くのは本当に気持ちがいい。途中、神社を突っ切った。

時々ある神社までの参道の名残のような異様に長い公道に興奮する

北野武『首』を観た。カットのキレはさすがに劣ってきたものの、ホモソーシャルな部分であったり、くだらない権力争いや殺し合いに対してすべて自覚的なのが良い。エンドロールで「T.Nゴン」の文字を見て、ランジャタイの「T.Nゴン Nの秘密」を思い出した。このネタが狂おしいほどに好きなのだ。


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たけしの映画を観たので焼きそば専門店たけしやで焼きそばを食べた。濃いソース、太麺のわしわし系で美味い。

目玉焼きトッピング

お腹を満たしマツモトアートセンターでの「拝啓松本さま」という企画を見に行った。藤原印刷とマツモトアートセンター出身のデザイナー4人による展示。寄藤文平さんは著作を何冊も読んでいたが長野県出身とは知らなかった。色校に書かれた文字などが好きなので見れてよかった。

そのまま街の中をふらふらと散歩をした。あらためて散歩が本当に好きだ。目的もなく彷徨っている時間ほど貴重なものはない。

本屋に寄り、panpanya『商店街のあゆみ』と雨宮まみ『40歳がくる!』を買って帰宅。

早速『40歳がくる!』を読み始め、未発表原稿で苦しくなってしまった。雨宮まみさんが亡くなった時、ちょうど岸政彦さんとの共著『愛と欲望の雑談』を読んでいた最中だったので本当に驚いたし、自分も雨宮まみさんの文章に救われていた人だったのでどうしようもない気持ちになったのを今でも覚えている。特別寄稿もみなさん良い文章だった。

ネトフリで配信が始まったばかりの『終わらない週末』を観た。イーサン・ホーク、ジュリア・ロバーツ、ケヴィン・ベーコン、マハーシャラ・アリという豪華な役者陣だけでも見応えがあったが映画としても面白かった。たしかにシャマランやジョーダン・ピールっぽさがあるが後述の監督たちの持つ良い意味での居心地の悪さはなく、パキッとしていた。たしか『ドント・ルック・アップ』もネトフリ製作だったので年末になると終末もの映画を定期的に配信する決まりでもあるのか。