前回のブダペスト編はこちら。
今回はオーストリアのウィーンでのことについて書いていく。
ブダペストからウィーンへは、電車で移動した。ブダペストの駅は大きく、いくつもの列車が発車を待っていた。
僕は、隣のホームまで真っ平らになっていて向こうまで見渡せる駅が好きだ。例えば阪急梅田駅なんかは最高である。まさかブダペストに来て阪急梅田駅を思い出すとは思ってもいなかった。電車に乗り込み、ウィーンを目指す。車窓からの風景は基本的にこんな感じ。
ずっと窓の外を眺めていたのだが、時々、雪の中をピョンピョンと飛び跳ねるものが見え、なんだろうと思っていると、うさぎだった。一度気づくとそこら中にうさぎがいて飛び跳ねていた。野生のうさぎを見たことがなかったので、あっうさぎ!あそこにもうさぎ!と興奮して友達に伝えていた。そんなことをしていたら2時間半ほどでウィーンにたどり着いた。ブダペストよりも近代的な駅だった。
駅から地下鉄に乗り、とりあえずホテルへ向かうことに。そして歩きながら気づくのである。とんでもなく寒いことに。ホテルに着いてテレビをつけるとニュースでは、数年に一度の最強寒波が来ていると報じられていた。その日のウィーンは、昼間なのにもかかわらず、マイナス10度というこれまで経験したことのない寒さだった。しかし、滞在日数わずか2日の自分たちにはホテルでぬくぬくしている時間はない。観光へ繰り出した。まずは、ウィーン美術史美術館へ。
ここの美術館、とにかく広いのである。入り口を入ると、右と左に大きな階段があり、右側のエリアが古代エジプトやギリシャの展示、左のエリアが絵画の展示になっている。まずは右側から見て回ることに。知識が皆無なので、うわ〜エジプトっぽい〜とか、ギリシャっぽい〜としか思えない。
カバ可愛い。
ゼルダの伝説で見たことあるやつ。
この床のタイルは光の差し方も含めて美しかった。
ギリシャっぽいやつ。
本当に知識不足を痛感する。とても価値のあるものが展示されているはずなのに、なにも背景を知らないのでなんとなくで見てしまう。そしてとにかく広過ぎて、このままでは絵画の展示までに閉館時間が来てしまうと後半は早足になってしまった。絵画の展示もとんでもない迫力だった。とにかく部屋に飾られている絵画の量が多いのだ。
そして、有名な絵画がゴロゴロとある。アルチンボルドの誰でも一度は見たことあるやつ。
ベラスケスの絵。
そしてみんな大好きフェルメールまである。
あとは、どこかで見たことある絵だ!みたいなのがたくさんあった。
ぐるっと絵画を見終わる。この絵画エリアは、ロビーが吹き抜けになっており天井画や装飾なども豪華極まりない。
美術史美術館を出るとすっかり夕方になっていた。美術館にいる間は寒さを忘れていたが、外に出ると尋常ではない寒さが襲ってきて、一刻も早くどこかに入りたくなってしまい、グーグルマップを頼りになにか温かいものを飲める場所を目指すことに。震えながら歩いていると、ライトアップされた建物に出会った。調べてみると市庁舎らしい。
そしてその足元にはスケート場が広がっていた。
ブダペストでもスケートをしている人々を見て、いたく感動してしまったわけだが、ここでも再び感動に襲われた。スケート場の向かいには、歴史があるというブルク劇場があった。
そして、寒さをしのぐために目指していた場所である「CAFE LANDTMAN」へたどり着く。
アップルパイと、せっかくウィーンに来たのだからとウィンナーコーヒーを頼んだ。
つかの間の休息で暖をとり、なんとか動けるようになってから夕食を食べに行くことに。外を歩いていると、そんなに遅い時間でもないのに人がまばらであった。
やはりこの寒さでみんな外出を控えているのだろうか。目的のお店で夕食を食べた。地下にあり、元々はワインセラーであった場所をレストランにした少し洒落たところだ。
ウィーン名物であるシュニッツェル。美味しかった。
食べ終え外に出ると、通りには本当に人っ子ひとりいなくなっていた。
適当に歩いていると映画館があり、スリービルボートとペンタゴンズペーパーが上映されていた。とても良い組み合わせだ。
どこかのお店に入ろうかとしたけれど、ウィーンの夜は早いらしく閉まっているところが多いため、地下鉄に乗りホテルへ戻ることに。そして、電車の中で犬と出会う。
最高に可愛い。大人しくしていてえらいねえと撫でて褒めたい。ウィーンでは、電車やお店の中に犬を連れて乗っても良いらしく、いたるところで犬が生活の中に溶け込んでいた。ホテルでぐっすり眠り、この日が終わる。
ウィーン2日目。ホテルの部屋からの風景。
泊まっていたホテルの外観が映画のグランド・ブダペスト・ホテルの小さいバージョンみたいな感じで可愛かった。
この日は、まず歩いて行ける距離にあるシェーンブルン宮殿を目指すことに。道中、ゴミ箱にレッドブルが捨てられていた。オーストリアはレッドブルの生産国なので、レッドブルの空き缶捨てられがちは、オーストリアあるあるなのだろうか。
メッセージ性の強い落書きも見つけた。
一度塗り直した上に書かれているので、ここに「NO BORDER NO NATION」と書き続けている人がいるのだろうか。そんなことを思っていたら窓から猫に見つめられていた。
シェーンブルン宮殿を目指してグングン歩いていく。きっと地元の人にはなんてことない道も全て魅力的に見える。
シェーンブルン宮殿へたどり着く。とにかくでかい。
中は撮影禁止なので写真はないのだが、もうなにからなにまで装飾が豪華でとんでもない。さすがハプスブルク家である。こちらは宮殿の裏側。
シェーンブルン宮殿の庭園はとても広く、敷地内に世界最古の動物園まである。パンダがいるらしい。
庭園には高台がありそこでは景色が一望できるとのことなので、雪が積もる中、そこまで登った。途中、大きな鳥や馬に出会った。
頂上にたどり着くと、ウィーンを一望できる絶景が待っていた。
風景を堪能し、丘を下っていると、1人で歩いている人が目の前の景色に見とれているのか立ち尽くしていたのでその人を撮った。
シェーンブルン宮殿からウィーンの中心街へ移動した。これは、ウィーンで1番有名なオペラハウス。
そう、ウィーンといえば音楽の都である。しかし、まったく詳しくないのでなにも音楽に関する観光をしていない。前回の時にも書いたが、この旅行は旅費が安いということが先行して決まった行き先なのだ。街の中心にある、シュテファン寺院。
ここは観光地なので周辺が栄えている。バーガーキングだってある。
この近くで売られていた、ウィーンの名物であるというパンの中にソーセージとチーズが入った食べ物を食べた。
美味しかったが、この真っ赤になり乾燥した手を見れば分かる通りに、あまりにも寒く、途中で食べるのが辛くなった。とにかくポケットから手を出している時間が苦痛なのだ。あまりにも耐えられなくなったのでお土産物屋さんで売っていた少し高い値段設定の手袋を買ってしまった。この日も昼間からマイナス10度とかだった。冗談抜きで、ウィーンに滞在している間はこれまで生きてきて1番寒い日々だった。ここからすぐ近くのホーフブルク宮殿へ。
この中もまた撮影禁止であった。宮殿を見た後は、地元の本屋に行ってみたかったので、ウィーンの中で有名そうな本屋へ。お店には犬を連れた人がいた。
普段いない場所に犬がいるだけでもうメロメロである。本を買い、寒いのでとりあえずホテルへ戻ることに。ホテルの近くのスーパーへ寄ったら、外に犬がちょこんと座っていて可愛かった。
街の中に犬がたくさんいるだけで幸せな気持ちになれる。ホテルでこの後どうしようかと計画を練り、少し地下鉄を乗り継いだ場所に遊園地がありそこに美味しいレストランがあるらしいとのことなので目指すことに。その時のスクショが残っていた。
Messe-Praterが目的地の駅だ。寒さに震えながらたどり着くと、街の寂れ感に不安感を抱く。地図を頼りに遊園地へ行くと、案の定静まり返っていた。園内は入れるが冬季期間は営業していないようであった。誰もいない、不気味な人形がたたずむ夜の遊園地をさまよった。
あまりの怖さと寒さに逃げるように遊園地から帰った。ホテルの近くまで戻り、適当なお店でソーセージとシュニッツェルを食べた。
帰りに、駅で犬を見かけ、やったぜ!という気持ちになった。
もはやピントが合っていない。ウィーンの出来事を振り返ってみたが、こんなもんだったっけ?という気持ちになった。とにかくあまりの寒さに写真を撮るのさえ辛かったので記憶を思い出すための写真という手がかりが少ない。ウィーンで見かけた本物じゃない犬の写真を貼っておく。
ウィーンはこれでおしまい。最後に、寒さに震える僕とシェーンブルン宮殿。