記録

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2023年11月11日、12日

11月11日

朝7時に起床。姪は昨日の昼間に東京に帰っていったので静かな朝。1ヶ月半赤ちゃんがいたのでなんとなく家に寂しい雰囲気が流れていた。先週から始まった仕事の疲れがあったが畑に行き、そのままになっていた夏野菜の片付けをした。茄子、ゴーヤ、オクラ、きゅうり、ズッキーニ、ピーマンなどを片っ端から引っこ抜いた。前日に雨が降ったおかげで土が柔らかく抜きやすかった。柿を収穫し、数週間前から乾燥させていたさつまいもを回収して帰宅。

渋柿だと思い込んでいたら甘柿だった

ツイッターで文フリ東京の様子がじゃぶじゃぶと流れてきた。もう東京に住んでいないのでなかなか行くことはできない。また本を作って出展したいと思いつつ、あまりの盛り上がりぶりに自分がそこに馴染める気がしなくて怖くなっている。もちろん馴染む必要なんてないしただ座っていればいいだけなんだけれど、自分だけ浮くような気がしてならない自意識が常にある。だからこそ、本を手にしてくれる人がいる度に嬉しくて自己肯定感が爆上がりする。こうして日記を書いているのはメンタルの安定のためもありつつ、誰にも届かないもしれない不安と届いた時の喜びの落差のドラッグにハマっているのだと思う。常々あまりよくない自己肯定感の上げ方だと思っているので目の前の生活と人に集中しろよ自分と言いたい。とりあえずは地方の文フリに出たい。

『水曜日のダウンタウン』『チャンスの時間』を観た。「名探偵津田」は今回も最高で、やはり現実と虚構を行ったり来たりするのが面白い。「第2回ブチギレ相談所」はかつての島田紳助ムーブをする大悟、さや香新村の宮迫ムーブ、永野の暴論に前回同様めちゃくちゃ笑った。

 

11月12日

今日も7時に起床。数年前まではいくらでも寝ていることができたが、ここ1年くらいは7時前には必ずと言っていいほど自然に目が覚める。老化だろうか。すぐ近くの山まで雪が来ていた。明日は平地でも雪が降るかもしれないらしい。

父親がマラソン大会に出ているので8時ごろに応援に行った。街の中の狭い道から人が次から次へと走りでてきて、詰まっていた水道から勢いよく水が溢れ出てくるかのようだった。

ドバドバと人が溢れ出てきた

無事父を見つけ手を振り応援をした。せっかくなので珈琲美学アベへ行き、モーニングを食べた。トーストが微妙でがっかりした。オムレツは美味しかった。これなら栞日に行けば良かった。

帰宅し、昨日畑から持ってきたさつまいもでスイートポテトを作った。バター、牛乳、砂糖、卵を入れて練りながら、そりゃこれだけの素材が入れば美味しいに決まってるよなと思った。

可愛い(焼く前)

可愛い(焼いた後)

お昼は、昨日根こそぎ抜く前に収穫したピーマンとバジルを使い、ガパオライスを作った。ひき肉と玉ねぎを加え、ナンプラーとオイスターソース、醤油で味付けをして完成。とても簡単なので今年の夏は何度も作った。

午後は、M-1の3回戦の動画をずっと観ていた。シンクロニシティの漫才が面白いし気持ちよかった。さすらいラビーが3回戦で敗退してしまったのが悲しい。コントも漫才もとても好き。


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先週から観ていたアマプラの『キラー・ビー』を観終わった。実話ベースの殺人鬼ものでありながら、ロードムービーっぽさもあり面白かった。

最果タヒが書いた柴田聡子についての文章がとても良かった。

rittorsha.jp

私の気持ちや、第三者の誰かの気持ちのために生まれてはいない歌。でもそこで、「生きている」という共通点だけが沖合の光みたいにキラキラ見えて、歌詞になってないのに、金木犀のにおいがする!って喜んでるところとか、コンビニで深夜に餅入りのアイスを買うところとか、なぜか想像してしまう。私はあんまり友達がいなくて、それはたまに暗闇の中で心臓がばくばくしちゃうようなことなんだけど、でも地上にたくさんの人がいて、ある程度その人たちが過ごしている日常の断片が想像できるってすごいし、救いだってよく思う。その人たちの日常の大事な部分は多分少しも想像もできないし、わかる必要なんてないけれど、今のスタバのフラペチーノは何の味かとか、月見バーガーはまだやってるのかとか、今、月がめちゃめちゃ大きく見えるんだよやばい!とかそういうこと、そういう会話をしてそうな「誰か」の気配を感じられること。風が秋っぽくなって、急激に澄んでいく星空とか、そのことを誰かも今考えているかも、とか。そういうこと。
 私たちは似たような「背景」の中に住んでいる。それに気づくぐらいじゃ、孤独を埋めることはできないかもしれないが、孤独の中でも、まだ生きていくし、生活はあって、雑多でむやみやたらにカラフルで、その中で踊るように喜怒哀楽を泳ぐためにこれはとても大切なきっかけやひらめきになるんだと私は思っている。

 

2023年10月31日

朝7時に起きて、転職先までの道のりを予行練習した。まったくのペーパードライバーだったがこちらで生活するようになって車の運転もすっかり慣れた。しかし、どこかまだゲームの中のような感覚が抜けず車がガッと道を外れてもなにも大惨事が起きないのではないかと思ってしまう時がある。

8時半頃に帰宅後、ハローワークへ行った。就職前日に訪れ、仕事が見つかりましたよという届出をしなければいけないのだ。1日から働き始める人が多いため、月末はいつも混むらしい。いくつかの窓口を巡るたびに「おめでとうございます」と言われた。できるだけ働きたくないと思っているので働くっておめでたいことなのかよと言いたかった。しかし、毎度のことながら無職の時は不安で早く働きたいのにいざ働くとなると嫌になってしまう。でも生きていくためには働かなければいけないので仕方ない。

お昼頃に帰宅後、姉が就職祝いに寿司をご馳走してくれると言うので回転寿司へ行った。年寄りでごった返していた。好きなだけ寿司を食べた。ブリを2皿食べた。

姉とその赤ちゃんが来週には東京に戻ってしまうので、母、姉、赤ちゃんの4人でアルプス公園へ行った。まもなく11月になる長野県の風は冷たく、赤ちゃんは抱っこひもの中でぎゅっと縮こまっていた。公園内には動物園があって、たぬきが可愛かった。

急に部屋の片付けをしたくなり、引っ越してきてから整理できていなかった本棚を整理した。ここ数年あまり本を読めていないので本棚の鮮度が止まっているような感覚がある。

壁に今井麗さんのポスターとてらおかなつみさんの絵を飾った。1番好きな映画の『ヤンヤン 夏の思い出』のチラシも貼った。

夕方頃から頭痛に襲われ寝込んだ。明日から働き始めることへの体の拒否反応だろうか。夕飯を食べ、明日への準備を整えて早々に寝た。

2023年10月29日

家族がいつもより早く起きる。姉の子どものお宮参りのためだ。家族が続々と正装になっていく姿を赤ちゃんを時々預かりながらパジャマ姿で眺めていた。午前中に家に誰もいなくなったのでしばらくだらだらした後に、自転車に乗って街へと繰り出した。栞日が主催する出版社や書店が集まるブックイベントへ行った。パルコの6階が開場で、久しぶりに地元のパルコへ行き懐かしい気持ちになった。5階にあるヴィレヴァンは中高生の時によく来ていて、ここで『AKIRA』をお小遣いが貯まるたびに1巻ずつ買っていたのだ。そんなことを思い出しながら会場へ向かった。ブックイベントの人はまばらで、ブースを見て回るのに緊張した。結局本は買わなかった。こういうイベントを見ると自分でも好きな人を呼んで企画してみたいと思うのは前職の名残なのか。パルコの1階で治一郎が売られていて、この前観た『トークサバイバー2』での大悟の話を思い出した。

ちょうどお昼だったのでラーメンでも食べようかと徒歩圏内の目ぼしいお店をいくつか回ったがどこも長蛇の列で諦めた。一旦お昼はパスして自転車でカメラ屋に行き、フィルムの現像をお願いした。その帰りに、また違うラーメン屋を覗いたがまたもや混んでいたのでインド料理屋でカレーを買って帰宅した。もう2時過ぎになっていて、カレーを食べていると家族が帰ってきた。お宮参りの写真などを見せてもらった。赤ちゃんは慣れない外で縮こまっていた。

夕方、現像が終わったフィルムのデータを取りに行った。日常的に撮った風景の他に、出産する前の姉の姿や初めて赤ちゃんが来た日、赤ちゃんを連れて外を散歩した日々などが写っていた。

2023年10月28日

朝起きて、パキラを日の当たる場所へと移す。ここ数ヶ月の日課だ。小さいサボテンも育てていたが枯れてしまった。リビングにいると赤ちゃんを抱えた姉が現れる。ひとしきり赤ちゃんを撫でまわし抱っこをする。これもまた毎朝の日課だ。シャワーを浴びる。朝ごはんは食べない。洗濯機を回し、掃除機をかける。

今日は義理の兄の家族が家に来るため、僕はなんとなく居場所に困るので映画を観に行くことにしていた。11時ごろに早めの昼食を食べた。冷凍の坦々麺に、先日叔母の畑で採れたチンゲンサイを茹でてデロンと乗せた。長くて緑で太いものが横たわるだけで見映えが変わる。自転車で映画館のあるイオンモールへ向かった。週末にイオンモールへ映画を観に行くなんてすっかり地方の人になったものだなんて思いながら自転車を漕いだ。スコセッシの『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』を観た。悪いほうへ悪いほうへと向かいながらもわずかに見え隠れする愛のようなものの間で揺れるディカプリオがとても良かった。どこまで行っても自分への可愛さを捨て切れない佇まいがどことなく妻夫木聡を思わせた。3時間半まったく飽きなかった。ナカゴーの1時間の芝居を観た時は短ければ短いほど面白いと思うし、今回みたいな映画やケラさんの3時間越えの演劇を観た時は長ければ長いほど面白いんじゃないかと思えてくる。

映画を観終わり、近くの大きな公園を散歩した。秋の空気が気持ち良く、紅葉した木々が美しかった。犬を連れている人、子どもとピクニックをしている人、芝生でキャッチボールをする高校生、バドミントンをするカップルがいた。歩きながら作品の長さのことでナカゴーのことを考え、数ヶ月前に鎌田さんが亡くなったことを思い出した。この前キングオブコントでサルゴリラを観た時も鎌田さんのことを思い出した。鎌田さん作演出のサルゴリラとライスが出た神保町花月の公演を数年前に観たことがあったからだ。やはり亡くなったのはかなりショックで、もうナカゴーの新作を観ることができないのは本当に悲しい。心からどの作品も好きだった。一度ナカゴーを観たことがある人はきっと誰もがこの人は天才だと確信したと思う。本当に唯一無二の作品を作る人だった。

義理の兄の家族が帰る頃合いに家に帰った。テーブルの上に残っていたお茶菓子やフルーツを一通りむさぼり食べた。もう日が暮れてきたのでパキラを元の場所へと戻した。赤ちゃんは大人しく寝ていた。

T君とラジオ

実家に帰ってきている。帰ってきているというか東京での生活はもうまもなく終わり、これから実家で生活することとなる。開かれた窓の外からは水の張られた田んぼが見え、ゲコゲコと鳴く蛙の声と水路を流れる水の音が聞こえる。雨上がりのひんやりとした空気が部屋に入ってくる。東京よりもだいぶ涼しい。

地元で生活するのは10年ぶりだ。毎日気晴らしに近所を散歩している。相変わらずラジオは聴いていて、いつどこにいたってこの習慣が消えることはない。つい先日の『爆笑問題カーボーイ』を聴きながら高架下をくぐると、ふと中学の同級生のT君を思い出した。T君は違うクラスであったが帰る方向が同じということもあり、いつの間にか一緒に下校することが多かった。彼は決して良い人ではなかった。他人への態度は横暴だし空き家の柱を蹴飛ばしで半壊させるなどよく悪さをしていた。しかし勉強はできたので周囲の人もあまり口出しをできないようだった。そのせいもあり、T君は浮いていて同じクラスに友達がいなかった。だから違うクラスの自分が一緒によく帰っていた。中学3年生の時、T君は先ほどくぐったこの高架下で高齢者が運転する車に轢かれた。轢かれたといっても軽くぶつかった程度で怪我もしていない。しかし、彼はその高齢者に病院代という名目で数万円をもらい、そのお金でiPodを買った。T君は下校中、ひと通りiPodの自慢をした後、podcastの『爆笑問題カーボーイ』が面白いと教えてくれた。ちょうど自分もiPod nanoを親に買ってもらったばかりだったので聴いてみるとそれはもうくだらなくて面白かった。配信されているのはコーナーだけで、特に「人妻枠」というコーナーのしおふきんちゃんは今でも鮮明に覚えている。この出来事がラジオを聴くきっかけになったのだと、高架下をくぐりながら思い出した。『爆笑問題カーボーイ』を聴き始めて15年にもなる。T君とは中学を卒業して以来会っていないので15年顔を合わせていない。もうきっと会うことはないだろうが、元気にしているだろうか。しばらくはこの高架下をくぐる度にこの出来事を思い出す。彼が車に轢かれ、高齢者にお金をせびらなければ自分の人生にラジオはなかったかもしれないのだから。ちなみに今思い出しのだが、一度彼の家に遊びに行ったとき、本棚の後ろには『ToLoveる』が隠されていた。

あの時のiPod nanoは見つからなかったがiPod shuffleは見つけた

 

3月30日

意味もなく朝3時半に起きて自転車に乗る。派手な広告が付いたレンタサイクルだ。降り続いた雨でサドルが濡れていたのでコートの袖で拭う。日の出までまだ時間はあるので外は暗く寒い。数駅隣りまで走る。家へ帰る人か、それともこれから仕事へ向かう人か分からないがポケットに手を入れ身を縮こませた人たち幾人かとすれ違う。大きな道路に出ると何メートルにも渡って工事をしている。濡れたコンクリートに赤や白の電灯が反射していて眩しい。引き立ての真っ白な「止まれ」の文字を何人もの人がしゃがみながら見ている。住宅街に入ると小学校があり、校門前に桜が咲いている。やや散っているが見上げると空一面が桜で美しい。写真を撮る。自転車を降りて近隣の返却スポットにレンタルサイクルを返す。歩いて近くの駅まで向かう。始発までまだ少し時間があったので松屋に入ろうとしたが5時からの営業で閉まっている。仕方なく、始発の4時39分まで駅のベンチに座って待つ。同じように始発を待つ人が何人かいる。なんとなく足を前に伸ばすと靴の裏にびっしりと桜の花びらが付いていることに気がついた。先ほどの小学校の桜だろうか。きっと雨上がりの今日はたくさんの人が靴の裏に桜の花びらを忍ばせながら過ごすのだと思うと自分だけが世界の秘密を知ったような気分になれた。始発が来ると、どの座席にも等間隔で人が座っていて割り込むのが申し訳ないので扉横に立つ。数駅揺られ自宅の最寄りに着く。つい1時間ほど前にいた家に再び戻り、布団に潜る。眠れないのでなんとなくラジオを聴いていると、5時53分にラッキーオールドサンの「街の人」が流れてきて不意に泣きそうになった。

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中欧旅行記チェコプラハ編

WBCチェコ戦を観ていたらふとチェコでの旅行のことを思い出し、下書きに眠っていた2018年の思い出を2023年に更新する。中央旅行記の他の国はこちらから読めます。

miwa0524.hatenablog.com

 

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中欧旅行記の最後の国、チェコプラハでの出来事について書いていく。

チェコへは、ウィーンから個人で手配した相乗りタクシーで向かった。タクシーはホテルまで迎えに来てくれて、そこから別のホテルに泊まっている相乗り相手を拾っていく手順であるようだった。どんな人が乗ってくるのだろうとドキドキしていたのだが、一向に相乗り相手が現れない。運転手はイライラしているようで、何度も電話をかけていた。かれこれ30分ほど車内で待機するも現れず、僕たちだけを乗せてタクシーはチェコへ向かって走り出した。目的地は、チェコにあるチェスキークルムロフという街だ。2時間半ほどの間、ひたすらなにもない道を走る。

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ウィーンからチェコへ向かう道中は、一度だけガソリンスタンドでの休憩があった。

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海外のスタンドというだけで少し気分が高揚した。オーストリアから国境を超え、チェコへ入ると少しだけ家々が現れ始めた。チェコらしいどれも可愛い家ばかりだ。そして、目的地であるチェスキークルムロフへたどり着く。タクシーの運転手とさよならをする。事前に調べた情報によると観光案内所で荷物を預けられるとのことだったので、案内所へ向かう。街の地面が石畳なため、キャリーケースが非常に持ち運びにくい。無事荷物を預け、街の散策を始める。チェスキークルムロフは、街全体が世界遺産なので、どこを切り取っても美しい。

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チェスキークルムロフのメインはお城なのだが、ちょうどお昼時だったので、お城へ行く前にお店に入ることに。チェコでの初食事は、グラーシュというチェコの郷土料理。ビーフシチューのような感じ。蒸したパンが添えられていた。この蒸したやわらかいパンは、プラハに行ってからも何度も食べることになる。

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寒い体にはとても温かく美味しかった。お店もとても良い雰囲気だった。

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隣のこの席に老夫婦が座っていて、お茶をしながら手紙を書いていた。旅先からの手紙、憧れてしまう。お腹を満たし、いざお城へ。

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場内の門をくぐり、坂をぐんぐんと上へ登っていく。すると眼下には、先ほどまでいた街が広がっていた。

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奥の建物がこの街の教会だ。美しい景色にしばしうっとりし、城を下る。川が凍っていた。

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もう少し街を散策していると、現地の人が住んでいる住宅街のエリアに迷い込んだ。何人もの子どもたちとすれ違った。坂を登ると、先ほど登った城を反対側から見える場所にたどり着いた。

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本当にこじんまりとした街だ。少し歩けば端から端まで見て回ることができる。協会へも行ってみた。

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協会のすぐ外のあたりで音楽が聞こえてくるなあと思っていると、近くの建物の中にバイオリンを背負った子どもが吸い込まれていく。その建物を覗くと、子どもたちがたくさんいた。

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何かの授業を受けているようだった。ここは学校なのだろうか。見知らぬ土地で、子どもたちの奏でる音楽に耳をすます幸福な瞬間に浸る。ぐるっと街を見終わり、この日のうちに、チェスキークルムロフからプラハへ移動しなければならないため、街のはずれにあるバス乗り場へ行く。

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プラハ行きのバスも日本から事前に予約していた。めちゃめちゃ安く、3000円もしなかったため不安だったのだが、コンセントあり、映画もありの快適空間だった。

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一つ一つの座席にモニターがあって驚いた。ここから2時間半ほどかけてプラハへたどり着く。駅で下ろされ、まずは切符を買うことに。3日間乗り放題みたいなのがお得らしかったのでそれを買う。

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ちなみに、プラハは物価がめちゃめちゃ安い。地下鉄に乗り、ホテルへ行く。チェックインし、荷物を置いてから街へ繰り出す。もうすっかり夜になっていた。夜ご飯を食べるためお店に入る。

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ここでもまた、お昼と同じようなものを食べた。そして、チェコといえばビールである。ビールは水より安く、200円とかで飲めてしまう。ほとんど苦くなく、お酒がまったく飲めない僕でも美味しいと思えた。しかし、アルコールには弱いので、半分ほど飲んでギブアップ。もう夜が遅かったので、この日はご飯を食べてホテルへ戻った。ちなみに地下鉄はこんな感じ。

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地下鉄ではかなり顕著だったのだが、どことなく無機質でどんよりした雰囲気は過去の共産主義の影響もあるのだろうか。勝手な思い込みかもしれないが。ホテルへ戻る前に近くのスーパーへ寄ると犬が飼い主を恋しそうに店内を見つめていて可愛かった。

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翌日は、朝から街へ出てプラハ城へ行くことにしていた。路面電車の走る街並みひとつひとつにいちいち感動して写真を撮った。

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プラハ城は高台にあるので周りを囲む階段をひたすら登っていく。

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しばらく歩き続けるとパッと景色がひらけ、プラハの街並みを見下ろす場所にたどり着いた。

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街そのものがこうして美しさを保っていることに感動してしばらく眺め続けた。ここからさらに歩き進め、お城の近くまでくると巨大な教会が目の前に現れた。聖ヴィート教会だ。

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とにかく大きい。ゲームのボスと闘う場所みたいだ。しかしこれは教会の側面であり正面へ回るとさらに立派な姿を見せてくれた。

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中へ入ると外からは想像のできない内側からのステンドグラスの美しさにうっとりした。

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こんなの神聖な気持ちにならざるを得ない。教会を出てからはお城を見学した。撮影禁止だったので写真はない。お城の敷地内にはちょっとした街があり、家々が並んでいる。そこの一角にはかつて牢獄だった場所がありこうして不気味な器具が並べられていた。

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拷問器具を見ると明治大学にある拷問器具博物館を思い出す。高校生の頃、クラスでオープンキャンパスに行った際に友達とこっそり抜け出し拷問器具の数々を見に行ったのだ。そんなことを思いながらプラハ城をあとにしていざ眼下に見えていた街へ。プラハの街はそれはもうどこを切り取っても美しかった。

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改めて写真を見ていると本当に素敵な街だったなと思う。適当なお店に入り、昼食をとった。

ここでもやわらかいパンが付け合わせで出てきた。やわやわのパンにソースをひたひたにして食べるのが美味い。カフカミュージアムへも行った。

プラハには本屋がとても多い。とくに街のいたるところに古本屋がある。

特に絵本が有名な国なので、絵本専門の古本屋も多数あり、何軒か周り絵本をたくさん手に入れた。とある小さな古本屋に入ると頑固そうなおじさん店主がいて、この作者の絵本が欲しいんですと恐る恐る話すとあいにくないと言われたが、こっちへこいと奥の事務所に案内され作業部屋みたいな場所を見せてもらえた。

旅先での優しさと貴重な経験にやたら感動してしまった。街をぶらぶらしているとおもちゃ屋が目に入り、ふと入ってみると中が遊園地のようになっていて驚いた。

ゴーレム伝説発祥の地と言われるシナゴークへも行った。裏には梯子があり、この屋根裏にゴーレムが眠っていると言われているらしい。

ちなみにゴーレムと聞いて真っ先に思いつくのはコントゴーレムのことである。プラハの街は歩いてるだけで楽しいのであっという間に夜になりホテルに戻った。ベッドの上で絵本を広げて満足感に浸った。

翌朝、タクシーで空港へ向かいいくつかのトランジットを経て日本へ帰ってきた。

今になって5年も前の旅行を振り返るとコロナ前の世界が懐かしくて仕方がない。またいつか気兼ねなく海外へ行ける日が来ることを祈る。最後にプラハの橋で見かけた撫でられ過ぎて輝く犬を添えて終わりにする。