記録

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2023年10月28日

朝起きて、パキラを日の当たる場所へと移す。ここ数ヶ月の日課だ。小さいサボテンも育てていたが枯れてしまった。リビングにいると赤ちゃんを抱えた姉が現れる。ひとしきり赤ちゃんを撫でまわし抱っこをする。これもまた毎朝の日課だ。シャワーを浴びる。朝ごはんは食べない。洗濯機を回し、掃除機をかける。

今日は義理の兄の家族が家に来るため、僕はなんとなく居場所に困るので映画を観に行くことにしていた。11時ごろに早めの昼食を食べた。冷凍の坦々麺に、先日叔母の畑で採れたチンゲンサイを茹でてデロンと乗せた。長くて緑で太いものが横たわるだけで見映えが変わる。自転車で映画館のあるイオンモールへ向かった。週末にイオンモールへ映画を観に行くなんてすっかり地方の人になったものだなんて思いながら自転車を漕いだ。スコセッシの『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』を観た。悪いほうへ悪いほうへと向かいながらもわずかに見え隠れする愛のようなものの間で揺れるディカプリオがとても良かった。どこまで行っても自分への可愛さを捨て切れない佇まいがどことなく妻夫木聡を思わせた。3時間半まったく飽きなかった。ナカゴーの1時間の芝居を観た時は短ければ短いほど面白いと思うし、今回みたいな映画やケラさんの3時間越えの演劇を観た時は長ければ長いほど面白いんじゃないかと思えてくる。

映画を観終わり、近くの大きな公園を散歩した。秋の空気が気持ち良く、紅葉した木々が美しかった。犬を連れている人、子どもとピクニックをしている人、芝生でキャッチボールをする高校生、バドミントンをするカップルがいた。歩きながら作品の長さのことでナカゴーのことを考え、数ヶ月前に鎌田さんが亡くなったことを思い出した。この前キングオブコントでサルゴリラを観た時も鎌田さんのことを思い出した。鎌田さん作演出のサルゴリラとライスが出た神保町花月の公演を数年前に観たことがあったからだ。やはり亡くなったのはかなりショックで、もうナカゴーの新作を観ることができないのは本当に悲しい。心からどの作品も好きだった。一度ナカゴーを観たことがある人はきっと誰もがこの人は天才だと確信したと思う。本当に唯一無二の作品を作る人だった。

義理の兄の家族が帰る頃合いに家に帰った。テーブルの上に残っていたお茶菓子やフルーツを一通りむさぼり食べた。もう日が暮れてきたのでパキラを元の場所へと戻した。赤ちゃんは大人しく寝ていた。