記録

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背中に向けられた視線

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500円玉を握りしめ、濡れた洗濯物を持ってコインランドリーへ行った。両替機で100円玉に崩し、乾燥機へ洗濯物を放り込んで200円を入れた。余った100円玉をコートのポケットに突っ込みじゃらじゃら音をさせながら、ミスドへ行き、300円をポケットから取り出してコーヒーを頼んだ。しばらく時間をつぶし、再びコインランドリーへ行くと男女2人が狭い店内で腰掛け談笑していた。引き戸に手をかけ、ガラガラと半分まで開けたがパッと視線がこちらに向いた瞬間にまた閉めてしまった。その2人の楽しそうな姿に背を向け、視線を感じながらヨレヨレになったタオルや下着などの洗濯物を取り出す自分の姿を想像してとてつもなく哀しくなってしまったのだ。そのまま洗濯物を置き去りにして家に帰った。

年が明けてからは、3日から仕事だったためお正月という雰囲気をあまり味わうことなく2020年が始まった。年末は紅白を見て、年始はバラエティ番組ばかりを見ていた。東京に出てきて6年ほど経つわけだが、初めて年末年始を実家に帰らず過ごした。だからお正月感がなかったのかもしれない。年始は、年末に聴けなかった年越しラジオを聴いていた。TBSラジオのあるある年またぎはずっとくだらなくて面白かった。適当にあるあるを認定してると思いきや精査してるくだりは声を出して笑った。永遠に聴いていられると思った。三四郎の年越しラジオは、4時間以上もあったがあっという間だった。毎年恒例のラブレターズ溜口のクイズが好きだ。ラジオといえば、先週の霜降り明星のANN0が、くりぃむしちゅーのANNの下ネタラジオネーム回を彷彿とさせて面白かった。ラジオで聴く下ネタはどうしてこんなに面白いのだろう。

カネコアヤノの弾き語りライブ「燦々」にも行った。幸運にも草月ホールの前から2列目真ん中で、しかとカネコアヤノの姿を目に焼き付けた。ステージに置かれた木製の椅子に座り、裸足の足をぶらぶらと遊ばせながら歌う姿が忘れられない。広いホールながらリビングで歌っているかのようだった。後日、インスタを見ていたら椅子はカネコアヤノが自宅から持ってきたもののようだった。

ポン・ジュノの『パラサイト』も観た。文句なしに面白かった。平日の昼間に満席で恐るべしだ。しかしながら映画館で嫌なことがあったので書きなぐる。映画館に着き自分の座席に座ろうとするとコートやカバン、傘などが置かれていた。あれ、席まちがえたかなとキョロキョロしていると、その後ろの席の人が手を伸ばしてコートだけをたぐり寄せた。前の席に荷物を置くってどういうことだよと思っていると、その他の物はどかそうとしなかったので、この荷物は違うのですか?と聞くと、今片付けるところなんですけど!待てないんですか!とすごい勢いで怒鳴られた。怖さとイライラで思わずどんなマナーしてるんですか!と言い返したくなったがぐっとこらえた。大丈夫、周りの人は僕に同情してくれていると心の中で唱えて席についた。その人は、上映中終始ガサゴソと音を立てたり、ぐーぐーといびきをかいて寝たりしていた。挙げ句の果てには途中で帰ってしまった。ただただ嫌な思いをして悲しかった。

映画を観た後は、池袋の明日館で開催されていた、てらおかなつみさんの展示を見に行った。主婦の友の表紙を昨年描かれていたのでその原画の展示だ。てらおかさんの絵は、優しくやわらかくて好きだ。ご本人も穏やかで優しそうで、でもどこか不安げで良い。不安げで良いというのは変な話だが、自信に満ち溢れた人よりは何倍も魅力的だ。

別日に、nidigalleryへ植本一子さんの『うれしい生活』出版記念写真展にも行った。植本さんに、活動がんばってるの見てるよと言われて嬉しかった。植本さんの写真は本当に光が美しい。

今は夜勤2日目の帰りの朝6時過ぎで、ホームで電車を待ちながら必死に眠気と闘っている。雪が降るかもしれないと言われている寒さで小雨が顔に当たる。今このまま眠ったら死んでしまうかもしれない。明日は1日休みで、ナカゴーを観に行く。新年最初の演劇がナカゴーなんて最高だ。明後日からはまたしばらく夜勤が続く。2020年も頑張ろう自分。