記録

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朝焼け

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12月31日の朝、仕事へ行く途中、遠くの高層マンションの窓という窓がオレンジ色で、こんな朝早くでも世の中の人はみな起きているのだなと思い、寒さに身を縮こませながらもどこか慰められた気持ちになっていると、部屋の中の明かりだと思っていたものは窓に映った朝焼けだった。拍子抜けすると同時に、その朝焼けは夕焼けのようにも見えて、今が午後6時であるかのような錯覚に陥った。

しばらくブログを書いていない間に時間はぐんぐんと過ぎていった。仕事がとても忙しく、11月後半から12月半ばまではそれこそ寝るためだけに家に帰っているような生活だった。ようやく落ち着いたかと思えばクリスマスシーズンの到来で、ラッピングに次ぐラッピングの嵐だった。ラッピングを頼まれるたびに世の中ではこんなにもプレゼントが贈り贈られされているのかと感心する。忙しくて嫌になったりもするがこのプレゼントのいくつかたちは枕元に置かれ、子どもたちの顔がパッと笑顔になるかと思うと少しはこの忙しさも許せるような気がした。

年内のことを振り返りたいところだが世の中ではあまりにも色々なことが起こりすぎてそのあれこれがもはや自分の生活にほとんど影響を及ぼしていないのではないかとさえ思える。そんなことはあるはずもなく自分自身のことで言えば職場での異動がとても大きな変化だった。そして異動1日目で緊急事態宣言による自宅待機。これからの人生で一生訪れないであろうただなにもすることもなく家に引き籠る1ヶ月。もしもう一度この自粛期間が訪れたとしてもまた同じなにも有意義に過ごすことのない日々を繰り返す自身がある。これまでの生活の中で1番変わったことは、映画や演劇をほとんど観に行けなかったことだ。しかし、観に行けないなら観に行けないでそれなりに生活は成り立つし慣れてしまった。それでもやっぱり生活に無駄が欲しい。余剰が欲しい。以前のように何も考えずに劇場に足を運べる日は来るのだろうか。

1年を振り返るには時間がないので最近のことを書く。M-1でのマヂカルラブリー優勝がとても嬉しかった。決勝の電車の漫才はそれはもう腹を抱えて笑った。なによりこの優勝でANNレギュラーが見えてきた。ゴールドジムイデア店が待ち望まれる。M-1はもう全組面白くて、敗者復活戦から夢中になって観た。敗者復活はキュウとランジャタイが最高だった。ニューヨークの漫才の、「マッチングアプリで出会った人妻と自転車で2ケツしてゲーセンでメダルゲーム」というフレーズの妙な生々しさに痺れた。クリスマスは仕事で、仕事終わりに自分へのクリスマスプレゼントにこの3冊を買った。

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我ながら良いセレクトだと思う。クリスマスの日に偶然見かけたtototatatuという韓国のイラストレーターのイラストに胸を撃ち抜かれた。

都市生活者の孤独だ。さみしさが肯定されたような気持ちになる。

街裏ぴんく漫談独演会『母の体から明転飛び出し、逮捕キッカケで完全暗転』を観に行った。相変わらず現実と非現実を繋ぎ止めるディテールの巧みさが異常だ。本当に面白い。

忘年会を兼ねて高校時代の友達とエリックサウナマサラダイナーへご飯を食べに行った。宮下パーク入り口前集合ねと言われ、オッケーなんて知った顔して返事をしたがまったく変な場所で待っていた。僕は宮下パークを知らない。エリックサウスでは、ホタテのドーサと牡蠣のビリヤニが泣いてしまうほど美味しかった。美味しいねえ美味しいねえと何度も口にした。帰りに渋谷ツタヤで『チェンソーマン』を全巻買った。家に帰りすぐに読んで面白さに震えた。面白え面白えと何度も口にした。

年末は、『ゴッドタン』のマジ歌選手権、『芸人プリズン』『東京babyboys9』『クイズ正解は一年後』などを観て過ごした。まさかあんなにくだらないはずの『クイズ正解は一年後』で世界が1年でこんなにも変わってしまうことを見せつけられるとは思いもしなかった。ずっと観れていなかった『ベター・コール・ソウル』シーズン5も完走した。今年は『愛の不時着』という傑作ドラマがあったわけだが、個人的には『ベター・コール・ソウル』はあらゆる連続ドラマの中でも群を抜いている。第3話のラスト、ビール瓶を駐車場に投げるシーンの素晴らしさよ。ただ無言でビール瓶を投げるだけなのになんて哀しく美しいのだろう。

こんなことを書いているうちにいつの間にか年が明けていた。残業で紅白もろくに見ることができず家に帰ってきて親が送ってきてくれた蕎麦をゆがいて食べた。今年もなんとかやっていこう。