記録

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憂鬱

久しぶりにしんどい気持ちでどうしようもなくなっている。昨日は午後から仕事だったのだが出勤すると職場のマダムたちにバッと囲まれ延々とキツい言葉を浴びせられ、心が沈みに沈んだ。その直後から胸がズキズキと痛み、頭痛と謎の胸の痛みに襲われなにも仕事が手につかなかった。これがいわゆるストレスというものだろうか。なんて自分は心が弱いのだろうと思うし、そのような言葉を言ってきた人たちにはこっちの立場も理解してくれよと泣きたくなる。社員が2人いなくなり、その人たちの仕事がすべて自分に振られ、その人たちの下についていた人たちからあなたにはその穴は埋められないし無理だろうと言われているのだ。こちらとしては一緒に頑張っていきましょうという心持ちなのに。弱々しい26歳の男などマダムたちから見れば不安をぶつける格好の的なのだろう。もっと自分に自信があり、ちゃんと意見を言えればこんなことにはならないのかもしれない。とにかく今は辛いが、なんだか会社あるあるみたいな状況に笑えてくる。いや、そう思わなければやってられない。

辛いことが多いので最近の楽しかったことを振り返る。11月の初めに、二子玉の蔦屋で開催されていた「庭文庫」という岐阜にある書店の店主によるトークイベントを聴きにいった。この書店はあさやけ出版という出版社もやっていて、そこから出たばかりの詩集についての話がメインだった。急遽、その詩集の著者も登壇できることになり、その登壇できるようになった理由が、豚の出産が無事終わったからというものだった。普段は岐阜の養豚場で働いていて、その合間に詩を書いているらしい。養豚場で働きながら詩を書くというその行為に心底感動してしまった。そして、二子玉という大衆にまみれたお店のど真ん中で、1冊の詩集について語られるというその小ささとかけがえなさにずっと胸がいっぱいになっていた。トークが終わったあとは、小説家がおすすめの本をそれぞれのブースで売るイベントに参加した。滝口悠生さんが出店していて、ファンなので自分には珍しく積極的に話しかけ、おすすめされたこうの史代『さんさん記』を購入した。好きな作家と直接話ができる機会が訪れるとはなんて嬉しいことだろう。

11月は演劇も映画もなにも観ていない。家と仕事の往復ばかりだ。シソンヌのライブ『neuf』は配信チケットを買って自宅で観た。かれこれ3〜4年は毎年単独ライブに行っていたので生で観ることができず残念だったが、それでも期待の何倍も上回る面白さで観終わった後は多幸感でいっぱいだった。瞬間的な面白さはもちろんだが、コントの中に悲喜こもごもがあり、ああこの人たちはたしかに生きているなと思えるのだ。キングオブコントがまだ準決勝で敗退した芸人審査だった時に優勝した東京03かもめんたるにも同じものが流れていて、空気階段がもしこの審査のままだったら優勝はできていたはずだよなとつくづく思う。芸人のYouTubeもよく観ている。最近面白かったというか嬉しかったのはAマッソのゲラニチョビ復活だ。

youtu.be

正確には復活ではないのだが、この感じが懐かしく夢中になってゲラニチョビを観ていたなと思い出した。今はAマッソはほとんど追いかけれていないが、THE Wで決勝に進出したり、加納さんのエッセイが発売されたりと間違いなく才能で溢れた人たちなのでもっともっと活躍してほしい。あとは、ニューヨークのチャンネルでのウエストランドによる爆笑問題の分析も面白かった。

youtu.be

単純に僕は爆笑問題が好きなのでその周辺のエピソードが聞けるだけで嬉しい。毎週ラジオで2人のやりとりを聴けることが1週間の楽しみなのだ。爆笑問題おぎやはぎはずっとラジオを続けてほしい。

本は、佐藤正午『月の満ち欠け』を読んだ。

岩波文庫的 月の満ち欠け

岩波文庫的 月の満ち欠け

 

読み始めたら止まらなくなってしまい数日で読み終わってしまった。早く続きを読みたいという物語としての引きの強さと、1人の人を想い続ける純愛を装った少し不気味な話にはすっかり夢中になった。次は『鳩の撃退法』を読みたい。滝口さんにおすすめされたこうの史代さんさん録』もとても素晴らしかった。

さんさん録 : 1 (アクションコミックス)

さんさん録 : 1 (アクションコミックス)

 

亡くなった奥さんが遺した生活の知恵が書かれたノートを頼りに、主夫として息子夫婦と同居する参さんの話だ。料理の作り方や掃除の仕方などが淡々と描かれるコマに無性に感動し、それが亡くなった奥さんの行為をなぞることだということにも心打たれた。なによりノートに遺された参さんへのメッセージがすべてを物語っている。

この世でわたしの愛したすべてが、どうかあなたに力を貸してくれますように

ああなんて良い言葉だろうか。

明日からの仕事とこの先が憂鬱で仕方ない。でもなんとかやっていくしかない。自分には好きなものがたくさんあるのだ、それらに支えられているのだと思って頑張ろう。いや、でも明日職場に行きたくない気持ちに変わりはないが。