記録

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2024年1月1日〜1月7日

1月1日(月)

朝起きてからだらだらと『爆笑ヒットパレード』を観ていた。喪中なので初詣にも行かず特にやることもないのでまさに寝正月のごとく寝たり起きたりを繰り返していた。16時10分頃、スマホの緊急地震速報アラームがけたたましく鳴り、家が揺れた。ちょうどキッチンから珈琲を持ってリビングに移動している最中だったため、こぼさないようにそろりそろりとテーブルに置いて久しぶりの大きく長い地震に耐えた。すぐにテレビを見ると石川県で震度7の地震とのことだった。自分の住んでいる地域は震度4だった。しばらくすると大津波警報がテレビで叫ばれ、これは相当大きな震災になるなと思った。それからテレビは地震のニュース一色になった。

1日2日(火)

朝9時に自転車を走らせてイオンモールへ行った。トム・ブラウン新春お笑いライブの整理券を手に入れるためだ。配布30分前に着くともう100人ほど並んでいた。後ろに並んでいた高校生らしき子たちが昨日の地震の話をしていて、「昔にも東北で地震あったらしいよね1月とか2月に」と言っていて東日本大震災の記憶が今の高校生にとっては物心がつくかつかないかの頃の出来事であることを実感した。20代以降の人たちにとっては2011年3月11日という日付はどうしたって忘れないだろうが、阪神淡路大震災がいつ起きたかと聞かれたら自分は答えられないなと思った。無事整理券を貰い、一旦家に戻るとEテレで山田尚子監督の『リズと青い鳥』の放送が始まりつい最後まで観てしまった。やはり冒頭の登校のシークエンスがあまりに素晴らしく美しい。今年は山田尚子監督の新作が公開される予定なので楽しみだ。YouTubeに演出集があり思わず観た。


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午後、再びイオンモールへ。今朝、自転車は寒かったので今度は歩いて向かった。無事イス席に座りトム・ブラウンが出てくるのを待った。いわゆる営業というものを観に行くのが初めてだったので老若男女に囲まれながらお笑いを見るのが新鮮だった。トム・ブラウンが登場すると「みちおちゃーん」と色んなところから声が上がった。笑顔で手を振り続ける2人が可愛かった。敗者復活戦でのあの漫才を生で見ることができたので嬉しかったし見れば見るほど意味がわからないが大好きなネタだ。最後の色紙をかけたジャンケンには負けてしまったので悔しい。

お正月からトム・ブラウンを見れるなんて良い年明けになったなと思いながら本屋へ行った。姪が明後日来るためお年玉代わりに絵本を選んだ。センスがいいと思われたいのでディック・ブルーナのミッフィーではない絵本を購入。人になにかをプレゼントするなんてもう何年もしていないのでラッピングの包装紙を選ぶ時の相手を想像する時間に人としての気持ちを取り戻した気になった。

夜、JALの飛行機が着陸時に海保の飛行機と接触し燃えている映像がテレビで流れ、映画を見ているようだった。『ダイハード2』みたいだと思っていると父親がダイハードみたいだなとつぶやいていた。

年末に追悼番組として放送されていた山田太一『今朝の秋』を観た。それぞれの登場人物が嘘や矛盾を抱えながらも、それでも終盤の全員で歌うシーンで立ち上がる本当に感動した。まずもって「今朝の秋」というタイトルが良い。笠智衆に杉村春子と小津を感じさせる作品だった。

1月3日(水)

ヴィム・ヴェンダース『PERFECT DAYS』を観た。批判されている部分はもちろん分かるしもやもやするところも確かにある(トイレ綺麗すぎ問題や企業のプロパガンダなど)。しかし、自分が過剰に汲み取りすぎているのかもしれないが、あらゆる選択肢の中から清貧さを選んでいるのではなく、あの生き方でしかこの世界で息をできない人を描いていると思った。役所広司演じる平山は不意に来る孤独や寂しさにずっと耐えているのだと思う。だから音楽や本を読んだり、木漏れ日やささやかなコミュニケーションに大きな喜びを感じているのだ。ラストシーンの泣き笑いの長回しが全てだった。たしかにそう考えると、この世界で息をできる持っている側がこの映画の資本を支えていると思うと複雑ではある。それでも好きな作品ではあるし、どこか自分を見ているようでもあった。

久しぶりに『芸人シンパイニュース』が放送された。この番組は芸人への愛がひしひしと感じられるから好きだ。

1月4日(木)

年末年始の観れていなかった番組を消化するために『令和ロマンの娯楽がたり』『日本怪奇ルポルタージュ』『マジ歌選手権』を一気に観て疲れた。

午後には姉夫婦が帰省してきたので早速姪に絵本をプレゼントした。まだ3ヶ月なのでなにも分かっていないが、事あるごとに何かを買ってあげる叔父さんムーブを今後もしていこうと思った。

1月5日(金)

憂鬱な気持ちで仕事へ。休み明けは本当に働きたくない。『令和ロマンのANN』を聴いた。冒頭からこれでもかと固有名詞が飛び出し、固有名詞の海に溺れそうになったが令和ロマンとはほぼ同世代のためなんとかついていくことができた。

松本人志が自身の性加害事件についてあまりにも悪手なつぶやきをしていて最悪だった。権力者を前にした本音と建前が分からないのか。やはりこのまま引退もあり得る。

1月6日(土)

土曜だがなぜか仕事。しかも3時間も残業をしてへろへろになって帰宅。即就寝。

1月7日(日)

朝食に七草粥を食べた。午後は柴田聡子×ハダタカヒトのトーク&ライブを観るために車で辰野町まで行った。場所は旧安藤精麦という元々建材置き場だった建物で趣きがあった。

トーク30分の後に柴田聡子のライブが1時間半ほど行われた。神保町ひとりぼっちにはよく行っていたためこの距離で柴田聡子の歌を聴くのは慣れてはいるが、地元の長野県で聴けるのは本当に嬉しい。天才っぷりを存分に浴びた。小規模なイベントということもあり豚汁や温かいお茶なども振る舞われてアットホームな空間でとても良かった。仕事をしている時は常に誰かに心臓を掴まれているかのようなしんどさがあるが、文化的なものを体感している時は全てから解放される。

夜からちらちらと雪が降り始め、いつの間にか外が真っ白になるほど積もっていた。深夜、カーテン越しの窓の外がぼんやりと白く、雪が積もった日は夜でも外が明るいのを思い出した。