記録

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11月末から1月のこと

2ヶ月ぶりに書くのでいったいいつから振り返ればいいのか何を書けばいいのか分からない。いつの間にか年末を迎え、新年がやってきてずるずると生活をしている。もう2月も目の前だ。とりあえず思い出せる限りのことを書いていく。

11月23日は文学フリマ東京に出店した。出店したというか出版社「代わりに読む人」の友田さんのご好意で本を置かせてもらった。友田さんのおかげもあり、自分だけでは届けることのできない人たちの元へと届けることができた。隣のブースのわかしょ文庫さん、太田靖久さんともお話をすることができて楽しかった。打ち上げにも参加させてもらった。友田さんから誘われた時は、どうせ緊張して何も話せなくなって気を使わせてしまうからお断りしようかと思ったけれど色々な人と関わる第一歩だと勇気を出して参加した。とても楽しい時間を過ごせた。人と会う前の過度な心配はいつになっても克服できない。いつだって過ぎてしまえばなんてことなかったと思うのに。

11月24日は、ヨネダ2000の単独ライブ『真夏のパントマイマーたかし!』を配信で観た。ヨネダ2000はM-1の3回戦で初めて見てそれはもう衝撃を受けた。単独は、どのネタも発想とワードがとにかくずば抜けていてこれからもっともっと面白くなっていく雰囲気に満ち満ちていた。

12月2日はM-1の決勝進出者発表日だった。真空ジェシカ、ランジャタイ、モグライダーが決勝に行くなんて奇跡みたいだ。もはやK-PROライブ。決勝をリアルタイムで見るために仕事の休み希望を出した。

12月3日は「柴田聡子の神保町ひとりぼっち」へ行った。

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15名限定のあまりにも貴重なライブ。神保町ひとりぼっちは何度か行っているライブだがこの特殊な状況の中で柴田聡子の歌を堪能できたのは忘れないだろう。好きな曲もたくさん聴けたし、特に「涙」が始まった時は胸がいっぱいになり泣きそうになった。12月だからと歌ったマライア・キャリー恋人たちのクリスマス」は幸福感があった。そして、新曲だという「サイレント・ホーリー・マッドネス・オールナイト」も披露されたのだがこの曲が本当に良かった。

12月4日はM-1準決勝を配信で観た。決勝進出者が分かった状態で観る準決勝は答え合わせのようだが納得の決勝メンバーだと思えた。ランジャタイは3年くらい前からライブでよく見ていたデロリアンのネタをやっていて、大勝負のこのタイミングで鉄板のネタを持ってくるあたりに熱くなった。

12月9日の『Aマッソのヤングタウン』で加納さんが、とりとめのないことを話すとガールズトークと揶揄される問題について話していて興味深かった。僕はとりとめのない話やなんでもない話は本当に尊いと思っていて、意味とか落ちとかを会話に求める人と話していると疲れてしまう。だから『マツコ&有吉 かりそめ天国』のマツコと有吉の会話は他愛もなくて好きだ。好きな野菜トップ5について延々と話していたい。この週のラジオは面白いものが多くて、『空気階段の踊り場』の「ハピネス寿司」だったり『アルコ&ピース D.C.GARAGE』の「タリーズの光」など強いワードにたくさん笑った。『真空ジェシカのラジオ父ちゃん』では、M-1決勝進出者発表を見た人力舎の社長に「あんなことをしていては来る仕事もこなくなるからすぐにやめさせなさい」とマネージャーが言われた話も面白かった。

12月13日はTHE Wの決勝を観た。僕の中で優勝はもうAマッソだった。今年はキングオブコント空気階段が優勝したのだから、Aマッソが優勝してもおかしくないだろうと思っていた。

12月15日は柴田聡子の「サイレント・ホーリー・マッドネス・オールナイト」の配信が開始された。この前のライブで聴いたばかりだったが改めて聴くとすべての人の孤独を慰めるようで泣いた。柴田聡子は本当に凄い。

12月16日は夏目知幸が復活しSummer Eyeとして新曲が公開された。今でもシャムキャッツが解散したことを信じきれていない。好きなバンドが解散するたびに永遠なんてこの世にないんだと思い知らされる。厚切りジェイソンのビジネス本の帯を野田クリスタルが書いているのだが深夜ラジオを聴いている人しか分からないハイコンテクストな文脈があるのでターゲットが狭すぎるだろと可笑しかった。

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12月18日は職場に万引き犯が現れ追いかけたが逃げられた。この万引き犯にはここ数ヶ月お店の商品を何度も盗まれていて、どうにかしてとっ捕まえてやると防犯カメラに写っていた姿を目に焼き付けていたので実際に目の前にいた時はすぐに気が付くことができた。被害届は何度も出していたのですぐに警察に通報しながら犯人に近づいたが、いざ体格のいい男性と対峙すると電話を待つ手が震えた。近づく僕に何かを察し犯人には走って逃げられたわけだがもし捕まえても暴れてナイフとかで刺されたらと思うと怖くなる。本屋での万引きのほとんどは泣き寝入りになってしまうので悔しい。

12月19日はM-1の決勝。敗者復活戦からテレビにかぶりついて見た。もはや決勝のようなメンバーで敗者復活戦にしてお腹いっぱいになった。ヨネダ2000、男性ブランコ、金属バットの3組に投票した。ヨネダ2000のなにが好きって言われたらお腹に添えられた手と答える。

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M-1はなんだかお祭り感があるのでピザでも取ろうかと思ったが、鶏肉をこれでもかとたくさん入れたチキンカレーを作った。自分で作った大好きなものを食べながら楽しみにしている大会を観るこの上ない幸せよ。M-1決勝は、モグライダーから始まりランジャタイも真空ジェシカも本当に笑ったし夢を見ているかのようだった。そして錦鯉の「ライフイズビューティフル」で終わる漫才での優勝。願わくばモグライダーの出順は後半であって欲しかったし、真空ジェシカの点数はもっと高くてもいいと思ったがみんな面白かった。

12月25日は日向坂46のライブ『ひなくり2021』を配信で観た。ただただ元気が出た。

12月28日は劇団ひとりゲストの『爆笑問題カーボーイ』を聴いてゲラゲラと笑った。特に劇団ひとりによる「ピチレモンの読者モデルから成り上がっていく大沢あかね物語を撮れ!」には電車の中で声を出して笑ってしまった。

12月29日は渋谷文化村で濱口竜介『偶然と想像』を観た。傑作だった。会話だけで予想もできない場所に連れていかれてしまった。会話劇だがああこれは映画だと思うような瞬間も何度もあり感動した。久しぶりに映画館でたくさんの人の笑い声を聞いた。夜は『ゴッドタン』の「マジ歌選手権」を観た。年末年始も仕事なので憂鬱な気持ちだったがたくさん笑い、明日から頑張ろうと思えた。

12月30日は爆笑問題がゲストの『あちこちオードリー』からの『クイズ正解は一年後』という最高の流れ。年末は面白い番組ばかりで毎晩が楽しい。

12月31日は仕事。お昼休憩に職場の後輩を引き連れて年末だから蕎麦を食べに行こうと蕎麦屋に行ったがカツ丼を食べた。人生そんなものだ。夜21時まで働き、明日も会う人たちによいお年をと言った。明日も会うのになにがよいお年をだよと小っ恥ずかしくなったが社会人なのでちゃんと挨拶はした。家に帰って蕎麦を食べながら紅白を見た。ツイッターを見ていたら今年読んでよかった本に『生活記録』をあげてくれている方がちらほらいて本当に嬉しかった。年越しは『ハライチのカウントダーン!』を聴きながら。岩井さんが葛飾ラプソディを歌い出して最高の一年の幕開けとなった。

1月1日は仕事へ行く前に『爆笑ヒットパレード』を見ていた。朝9時から蛙亭のコントが見れるなんて時空が歪む。2日と3日も仕事。3日の『ヨネダ2000のANN0』でフジファブリックのダンス2000が流れてヨネダ2000というどこかで聞いたことのある語感はここだったかと膝を打った。

1月6日は大雪の日だった。東京でこんなに雪が降るなんて何年ぶりだろう。長野県出身なので雪国マウントをとってしまい雪の降り始めに職場の人に「これは積もる雪ですね」とか言ってしまった。恥ずかしい。

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1月8日は『ダイヤモンドno寄席』を配信で観た。とにかくはちゃめちゃで混沌としていて笑いに笑った。

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1月9日はポレポレ東中野で『春原さんのうた』を観た。東直子さんの短歌「転居先不明の判を見つめつつ春原さんの吹くリコーダー」を原作にした作品。監督の杉田協士さんの前作『ひかりのうた』がとても好きだったので今回の作品も観に行った。シーンとシーンの間に空白がいくつもあり、時間や季節が過ぎているのに何故だか全てがいまこの瞬間に起きていることのように思えた。また、観ながら画面に写っていないことを想像させる映画でもあった。ポレポレ東中野は4年前に『人生フルーツ』を観て以来だったのでもう4年も経つのかと感慨深くなった。

1月16日は京都の文フリに出店した。久しぶりに夜行バスに乗ったのだが改めてしんどさを噛み締めた。正直なところ本はあまり売れなかったが遠征できただけで楽しかった。しかし文フリに出る度に目の前で本をぱらぱらされて「高いなあ」とつぶやく人に出くわすので辛くなる。作っている本人が目の前にいるのだから仮に思ったとして口に出すな。安ければ良いという思考を捨てろ。言われた側は傷つく。帰りは会場の岡崎から京都駅まで1時間弱歩いた。知らない土地の散歩以上の娯楽は存在しないと思った。京都で撮った写真は1枚だけで路地で出会った空き地だけだ。

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ちょこんと居座る植木が可愛かった。大阪へも行き、ヒコさんと本屋を巡った。ブラックバードブックスでは、岡野大嗣さんの歌集『音楽』の展示を見た。岡野さんにも久しぶりにお会いできて嬉しかった。岡野さんが数年前に人がぎっちり詰まった中野の居酒屋で、三輪くんに聞いて欲しい歌手がいるんだとヘッドホンを貸して音楽を聴かせてくれた瞬間は今でも忘れられない。ナナロク社の村井さんと三輪くんのことよく話しますよと言われて嬉しいような恥ずかしいような気持ちになった。葉ね文庫へも行き、店主の池上さんとも数年ぶりにお会いできた。いつも本を置いてもらっているので本当にありがたい。大阪で一番笑ったのはヒコさんと歩いている時に見かけたファミマ史上一番高いところにある看板。

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1月17日は武田鉄矢が主演で脚本も書いている『刑事物語』を観た。ヒコさんにおすすめされたから観たのだがこれがもうめちゃくちゃで面白かった。暴れ回る武田鉄矢最高だ。『刑事物語2 りんごの詩』も面白かった。「ちがーう!木のやつ!」というセリフ、人生で一度は言ってみたい。

1月21日は玉田企画『夏の砂の上』を観た。長崎のじんわりとした暑さがこちらにも伝わってくるような作品で、登場人物たちの心は乾きながらもどこか生々しさもあり素晴らしかった。作品自体は90年代に書かれた松田正隆さんの作品なのだがこの人間関係の感じは玉田さんが好きなわけだと納得した。僕は奥田洋平さんが好きなので存分に奥田さんを見れて満たされた。

1月23日は仕事で理不尽なクレーマーに心をへし折られた。これまでの人生で一番大きな声で怒鳴られた。周囲にいた人は警察へ通報しようか迷ったらしい。クレーマーと対峙した時は、何言ってるんだこいつはと頭では思いながらもちゃんと心は傷つく。あちらの気持ちは晴れるかもしれないが理不尽につけられたこちらの傷はしばらく治らないのだ。

1月27日は行ったことのない職場の近くの町中華へ。迷ったらこれ!と書かれていたタンメンとカレーのセットを注文。安いがとても美味しかった。これは今後このお店に通うこと確実だ。休憩明けに後輩に、そこの中華料理屋でタンメンとカレーのセット食べたんだよねーと話したら「センスないっすね」と言われた。

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1月29日は新宿シアタートップスでダウ90000『ずっと正月』を観た。まず構造が素晴らしいし、畳みかける笑いのなかで積み重ねられていく感情の機微が本当に良い。とにかく笑ったし最後は少し感動した。前回の公演もそうだったがいつもシチュエーションが抜群だ。これからもコントと演劇の狭間を行ったり来たりしてほしい。いま一番観に行くべき団体はダウ90000だ。