記録

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風景

いつもよりも遠いコインランドリーへ徒歩で行く。本を一冊持って、30分の読書タイムだーと張り切っていたが、そこにはイチャつく外国人カップルがいて、とてもじゃないけど、居座り読書をする雰囲気ではなかった。だから僕はいまファミレスにいる。こんな24時過ぎに。後ろには、机いっぱいになにかの書類を広げた中年のサラリーマンがいる。隣の隣には、音楽ライターは音楽が好きすぎるからつまらない、ユーモアが足りないと豪語する頭に剃り込みが入った人がいる。ちょうど今、厨房から私服の人がお疲れ様でしたーと言いながら出てきた。24時で上がりだったのだろう。

アルバイト先から自転車で帰る途中に、開かずの踏切がある。10分は確実に開かず、20分ほど待つ時もある。大抵引っかかるのは、夜で、赤い点滅をボーっと眺めることになる。なぜだかその時は、その風景を構成する要素全てが目に入り、世界ってとんでもねえぞと思った。赤色の点滅、電車が来る方向を示し発光する矢印、風でしなる黒と黄のバー、電車が通り過ぎる時に見え隠れする向こう側で待つ車や自転車のライト、遠くに見えるアパートの窓から漏れる光。電車が通り過ぎる音、風の音、話し声。そして、そこで待つたくさんの人々。踏切が開くのを待つ光景は、様々な要素が重なりいま目の前にあるのだ。そんなことがとても奇跡的なことであるかのように思えた。本当は、全ての瞬間がこうやって成り立っているわけだが、いつもこんなことを考えているわけにはいかない。20分もの間、ただ踏切が開くのを待つ時間だけが風景の構成要素を眺めることができるのだ。

ちょうど1時間、ファミレスにいる。本当は、コインランドリーで30分過ごすはずだったのに、僕の濡れた洗濯物は誰にも見守られることなく、回転を終え、回収されるのを待っている。帰らねば。

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姉の結婚相手に会った後の話

姉の結婚相手に初めて会ってきた。結果的に言えばめちゃめちゃ良さそうな人だった。

集合時間は18時30分。会う前に散々のことを書く。
姉とご飯を食べに行く時は、暗黙の了解で姉が会計をしてくれることになっているのだが、さすがに今日は相手がいることだしお財布を出すふりをして社会性のあるところを見せねばと意気込んだはいいものの所持金1000円だったため、電車に乗る前にお金を下ろした。しかし、そのせいで電車に乗り遅れ、待ち合わせ時刻に遅れるという社会性のなさを結果的に見せることとなった。何度もシミュレーションをしていたファーストインプレッションは、今日一度も言葉を発していないというミスにより、声がかすれテンポのズレた挨拶となった。やはり当然のようにうまくいかないものである。食事をしながらの会話は、基本的に受け身で自分から何かを発することがなかった。しかし、姉がトイレに立った時に気まずい沈黙が訪れ、なにか話さねばと唯一僕がこの日話しかけた言葉が、エビの尻尾食べる派なんですね、だった。なんだよそれ。もっと聞くべきこととかあっただろ。いま振り返ればそう思うが、つい口から出た言葉がそれだったのだ。会計も、姉の彼氏がそっと席を立ち、スマートにカードで支払いを済ませていた。めちゃめちゃ大人じゃないか。そりゃ30歳なんだから当たり前か。事前に想像していたことは、ことごとく崩れ去っていった。もはやシンプルに結婚おめでとうと思った。2人に幸あれ。食事を終え、姉が今1番はまっている物だというタピオカミルクティーを飲みに言って解散となった。タピオカミルクティーって女子高生かよ。
ちなみに姉がプロポーズされた日と僕が仕事を辞めた日は奇跡的に1日違いなのである。その日についてはこちら。
あれからもう130日以上経ったのか。

姉の結婚相手に会う前の話

今日はこれから、姉の結婚相手と会うというとてもとても億劫なイベントが催される。家族間で、恋愛などの話題がまったく挙がらない家庭で育ったため、助走期間がなくいきなり付き合ってる人を紹介されるのは、当人を前にしてどぎまぎしてしまうのが目に見えている。むしろ、姉と会う約束をしていて突然彼氏を連れきてくれた方がまだマシである。1週間前に紹介したいと連絡が来たので、今週はずっと憂鬱であり、どういう感じで話すかのシミュレーションをしていた。人によく思われたいという自意識があるので、まずファーストインプレッションは爽やかな挨拶をする。しかしここで問題なのが、日常的に爽やかさを持ち合わせていないので、暗い自分を知っている姉に、こいつ無理して爽やか装ってるな、と思われることである。食事の時の会話も問題である。こちらは仕事を探している風の、ぎりぎりフリーターみたいなことをしている月収12万の24歳だ。おそらくこの情報は、姉から向こうへ伝わっている。この話題に触れてくるのかどうかが問題だ。大人が知らない人と会う時の会話の糸口は仕事の事だとどこかで聞いたことがある。しかし、僕には仕事という手札がない。しかも厄介なのが、相手は転職経験者という点である。自分は今、仕事を探しているということになっているので、転職経験者としてのアドバイス的なことを言ってくるのではないか。僕より6つも上の30歳なので、先輩風だって吹かせたくなるだろう。なにより、僕はどちゃくそ偏見にまみれた人間なので、姉とその彼氏がテニサーで出会い、そこの先輩後輩として付き合っていたことも引っかかっている。もちろん先輩は彼氏で、後輩は姉だ。自分で言うのもなんだが、テニサーだとかそういうのを揶揄するのはもう卒業したと思っていた。しかし、いざ目の前にそういうのを出されると、うわっ、と思ってしまったのである。

こんなことを言ってはいるが、いざ会って会話をしてみたらなんてことない良い人で、そつなく食事会は終わるのだろうなとも思っている。向こうだって緊張しているだろうし、むしろ、こんなことを書いている人が義理の弟になる方がよっぽど嫌だ。着替えてそろそろ家を出なければ。

中欧旅行記ハンガリーブダペスト編

もう遠い前のことに思えるのだけれど、まだそれは今年の出来事で、あまりにも日常から離れた風景ばかりでふと振り返った時にいまだに輝いている旅行の思い出を重い腰を上げて書こうと思う。こんなカッコつけた感じの書き出しにしてしまったが本当は旅行記を書くのが面倒になってしまっただけだ。でも旅行の思い出が今も輝いているのは本当だ。

卒業旅行として今年の2月末に、友達と2人でブダペスト、ウィーン、プラハへ行った。この3つの都市へ特別な思い入れがあったわけではない。単に旅費が安く済みそうだったからだ。それと、どことなくいつもの斜に構えたところが出てしまい、イタリアとかフランスみたいなベタな所に行きたくないという謎の主張をしてしまった。この話を姉にしたところ、メジャーな国にも行ったことがないのになに言ってんの?そんなところで斜に構えて楽しいの?と言われた。ちなみに姉は大学時代テニサーで飲み会に明け暮れ、来年そこで出会った人と結婚する。家族で外食をした時に箸を取ってあげなかったり、お酒を注いであげなかったりすると、社会に出てそんなの通用しないからね、そういうところが駄目なんだよ、と言われる。たしかに僕は社会からドロップアウトしたのでぐうの音も出ない。そんなことは今どうでもいいのだ。とにかくなんとなくでこの3つの都市を選んだわけだが、下手にテレビやネットでよく見る観光地みたいなものがなかったために、あらゆるものに新鮮に感動できた。

まずは1つ目の都市、ハンガリーブダペストから旅行は始まる。もう記憶が曖昧なのだが、成田の午前中の便に乗ったような気がする。飛行機はスイス航空で、機内で事あるごとにスイスの国旗のマークが入ったチョコが配られた。寝たような寝ていないようなぼんやりとした感覚のまま10時間ほどのフライトで乗り換え地のチューリッヒへ着いた。空港の中をうろうろしていると、さすがスイスだけあってリンツのお店があり、ダラダラとチョコが流れていた。

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僕はリンツのホワイトチョコが大好きで、一時期狂ったように食べていたので買おうかと思ったが本来の目的地ではない場所でなにかを買ってしまう事に自分の中の誰かが、違うだろ〜と言ってきたのでやめた。すぐにブダペスト行きの時間になったので飛行機に乗り込んだ。飛行機はとても小さく、LCCのような座席の狭さで、乗っている日本人は自分たちだけだった。飛び立つとハムとチーズが挟まったパンが配られた。

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食べている最中に、おかわりはどうですかーとCAさんがトングでパンを挟んでぐいっと前に差し出してきたが黙って首を横に振った。2時間ほどでブダペストに着いた。

空港はあまり広くはなく、こじんまりとしていた。もう夜で外は寒く、雪が散らついていた。ハグリッドのような運転手に乗せてもらい、高速道路で市内のホテルまで連れて行ってもらった。ホテルの廊下がとても長く、シャイニングの廊下じゃん、とテンションが上がり、ブダペスト初の写真はホテルの廊下となった。

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荷物を置き、外へ繰り出すことに。時間は夜の21時ぐらいだった。ホテルを出ると目の前に路面電車の駅があり、電車が走り抜けていった。

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 そしてそのすぐ横には教会があった。

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こんな風景だけでもう、うおー海外にいるぞーとテンションが上がり、寒いのも気にならなくなった。さらに歩き、地下鉄の乗り場まで行く。ホテルの場所は街のはずれにあったのだが駅の周辺は少しだけお店があり、人通りもあった。

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地下鉄に乗り、移動して、とりあえずドナウ川沿いを歩いてみることに。シンプルに美しい景色が延々と続いていた。

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でっかい橋も渡った。

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橋の中盤あたりで振り返ると山の上に建物があり、翌日そこまで歩いて登ることとなった。ちなみにこの建物は昔の王宮。

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この日は、夜遅かったのと移動疲れもありドナウ川沿いを歩いて終了。

2日目

朝食はホテルのバイキング。色々な種類のハムがあり、食べまくった。朝、ホテルの部屋から見えた風景。

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奥に見える建物が昨日の夜ライトアップされていた教会で、昨日は暗くて気づかなかったのだが、ホテルの目の前には公園が広がっていた。さっそく街へ繰り出すことに。とりあえず目の前の公園へ。入り口にはよく見ると毛並みの細かいクマが。

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犬と散歩している夫婦がいた。

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飼い主の後ろをとことこ歩いていて可愛かった。ブダペストでは何度か犬を散歩させている人を見かけたのだがどの犬もリードをつけていなかった。池のほとりにはカモエサマシーン。説明を見るとエサを直に手で受け止めるっぽい。嫌だ。

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公園を抜け、路面電車に乗り、観光地でもあるブダペスト中央市場へ向かった。これが市場の外観だ。

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屋根の模様が最高に可愛い。

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市場はもう、これぞ市場だ!という感じ。

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なんだかあまりにも偽物のような風景だが現地の人たちは当たり前のように買い物をしていた。上から見るとこんな感じ。

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写真だと分かりにくいのだが、二階にもぐるっと建物の壁を沿うようにお店やフードコートのような飲食店が並んでいる。市場を散策した後は街の中へ。いかにも海外っぽい景色に胸が高鳴る。渋谷のスクランブル交差点でテンションが上がっている海外の人の気持ちが少しだけわかった。

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ブダペストの街の中の移動は基本的に路面電車か地下鉄なのだが、その地下鉄が世界で3番目に古く、世界遺産にも登録されているのだ。

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構内はとても古く歴史を感じさせる。そして、電車はめちゃくちゃに可愛いフォルムをしている。めっちゃ揺れるし、扉が驚くほど早く閉まるし隙間空いてるしなのだが可愛さがその全てを超えてくる。電車に興奮していたら、降りる駅がわからなくなってしまい、終点まで行ってしまうミスを犯す。終点は、あまりにも終点感が漂う郊外であった。

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とりあえず一駅分歩いてみることに。住宅街や公園を抜けて行く。

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なんてことない景色なのだけど、海外って言われるだけで海外っぽく見えるのが不思議だ。グーグルマップを頼りに歩いていると観光地らしき場所へたどり着く。USJハリーポッターだ!と真っ先に思った。

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調べてみると、ここは歴史的な建造物とかではなく、昔ここにあった城の再現施設らしい。USJハリーポッターだ!と思ったのはある意味で正解だったのだ。そしてその横には大きな大きなスケート場があった。

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そこには音楽が流れ、人々のはしゃぐ声が響き渡り、それぞれが思い思いに楽しそうに滑っていた。なんでかわからないがその光景に胸を打たれいたく感動した。感動は思わぬ角度からやってくるのだ。しばらくその光景を眺めた後は、ブダペスト観光の定番スポット英雄広場へ。

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ブダペストの歴代の英雄たちの銅像が並べられているのだが、勉強不足のためまったくわからなかった。ちょうどお昼に差し掛かる頃だったので、街の中央へ移動して下調べしてあったお店へ。ブダペストの名物はパプリカ。まずはグヤーシュことパプリカのスープを飲んだ。

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これがもうめちゃめちゃに美味しかった。正直パプリカのスープなんて舐めていたのだが、あまりにも深すぎるコクに思わずシェフを呼ぶところだった。そして、ご飯のようでご飯ではない麦のようなものの上に肉が乗っているやつも食べた。

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これも美味しく泣きかけた。お腹も満たされたのでまた街の散策。可愛い通りを見かけるたびに写真を撮っていた。

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国内の違う都市へ移動するために使われるそこそこ大きな駅。なんだか物語が始まりそうな雰囲気がある。

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外はこんな感じ。夕焼けで綺麗だった。ここでも少し泣きそうになった。

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夕方になったので、昨日ドナウ川沿いから見上げた山の上の王宮を目指すことに。途中まで路線バスに乗って向かう。山の中腹から街を見下ろせたのだがもうすでに美しかった。

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山の頂上付近になると建物が増えてくる。王宮周辺の城下町といったところだろうか。

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車が停めてあることからわかるように、この家々には普通に人が住んでいる。この道を抜けると目の前が開け、大きな教会が現れた。

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模様が可愛い。

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そしてもう少し先に進むと、ブダペストナンバーワン観光地で、ドナウの真珠を眺められる場所へたどり着いた。それはもう文句の付けようがないほどに美しいわけで。

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夕方から夜にかけて雰囲気も変わっていく。

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後ろを振り返ると先ほどの教会もまた一段と違う雰囲気を漂わせていた。

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1時間以上この場所にいた。そして肝心の王宮へ。とにかくデカかった。

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中には入れず王宮の中庭的なところを見回して終了。そして個人的に楽しみにしていた、かつて王宮で使われていた地下道を探検できる場所へ。まったく入り口が分からず30分近くさまよいついに見つける。この左が入り口なのだ。たしかにラビリンスと書いてある。

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地下の階段を降りていく。

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受付があり、そこでお金を払うと本物の火が灯ったランプが貰えた。マジで冗談抜きの真っ暗闇で、ランプが無ければなんにも見えない空間に野放しにされ、迷いまくった。とにかく、道が何本もあり、どこの場所に自分たちがいるのかわからないのだ。

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しかも突然明かりが見えたかと思ったら謎の鉄格子と人形が現れたりするから怖いってもんじゃない。

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途中、あまりにも怖すぎて近くにいたおばさんと少年の親子と行動を共にする謎の交流もあった。ビビりながらも無事出口にたどり着く。もう閉店の時間だったらしく、地下から出ようとした時に、お茶目な従業員のおじさんが、出口を閉めてしまおうとするふざけを見せてきた。小走りで、わーやめてーなんてジェスチャーをしながら階段を駆け上がりそのノリに乗った。もう外はすっかり静まり返っていた。

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王宮の山の上から下り、再び街の中へ戻って夕飯を食べた。現地の人に人気というお店で肉を食らった。

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ホテルに戻る前にスーパーへ行き、謎のお菓子を買った。

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右の棒状のものは美味しくなく、数ヶ月も経っているのにまだ家にあります。この日ブダペストを歩いていていて気になったのが、街のいたるところにゴミが捨てられていたことだ。

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最初は、うわっ治安悪っと思ったのだが、後日調べてみると、なんとこの日は、ブダペストの1年に1度の粗大ゴミの日だったのだ。むしろこんな光景を見られてラッキーというわけでした。

残念ながらブダペストは1日しかいられなかったので、これでブダペスト編は終わり。次はオーストリアウィーン編。いつ書けるかわからないですけど。 

散歩のことや先週のラジオのことなど

先日、家の玄関を開けると数メートル先に猫がいて、水たまりの水を飲んでいた。こちらの物音に顔をあげて、ニャーニャーと二鳴きして車の下へするすると消えていった。とても一瞬の出来事だったので、今後思い出すこともないのだろうけど、誰が読んでいるかも分からないここに書くことによってギリギリあの瞬間が存在していたことになると信じたい。
先週の日曜日、午後2時ぐらいまで本当に何もせずただただベッドの中にいた。その状況が途端に不安になり、とりあえず歩くかと家を飛び出した。いや、飛び出したなんていうとポップな感じがするが実際はもっとぬるっとした外出の仕方だ。あの道はどこへ繋がっているのだろうかとずっと思っていた道があったのでそこを歩いてみることにした。ただただ赤い少しやわらかい転んでも怪我をしない地面が続いていた。

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この両サイドに家々が迫る感じ、ベネチアっぽいなあ(ベネチアに行ったことはない)と歩きながら思っていたのだが、途中に橋の跡があり、この下は川が流れていたのでは?と1人ブラタモリを楽しんだ。基本的に散歩をする時は写ルンですを常備していて、美しさとか関係ない写真を撮るようにしている。これなんて、こういう糊の入れ物あるよなと思って撮った。

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自家製のようなバス停も見つけた。

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これは、この落書きシンプルに嫌だなあと思った。あんまりこのパターンのは見たことがない。

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1時間半ほど近所を散歩し、同じ小学校の前を二度通ってしまい、少年野球の保護者に怪しい目を向けられてしまったのでそそくさと帰宅した。

先週は下北に『共感百景』も観に行った。ここ数回通っているのだが、出演者が豪華なのにも関わらず、するっと始まりするっと終わるので好きだ。今回は、Aマッソの加納さんと大橋裕之先生が出ていて自分にとっては最高の回だった。Aマッソといえば、先週と今週の2週間限定でTOKYOFMの『夜光虫』というラジオの火曜をAマッソが担当していた。深夜2時から朝5時という3時間はやや冗長で疲れてしまうのだがリスナーと楽しそうに電話する様子は良かった。火曜のこの時間帯はニッポン放送では星野源TBSラジオでは爆笑問題、TOKYOFMではAマッソという素晴らしい裏かぶりであった。先週の爆笑問題カーボーイで、田中さんが朝ドラ『まんぷく』を見ていると話した時の太田さんの「お前も見てんの?あれ面白いよなあ」という本当に嬉しそうな反応が、共通の趣味を見つけた瞬間の友達のようでたまらなく愛おしかった。『夜光虫』の話に戻すが、水曜担当のラブレターズが個人的には1番面白かった。1週目の冒頭で溜口さんが「もう売れそびれるわけにはいかねえんだ」と言っていてその切実さにルーザー感が漂っていてよかった。ラブレターズが初めてキングオブコントの決勝に行ったのが26歳。2011年のその時に披露したネタが西岡中学校なので、たしかに本人たちの実感として「売れそびれるわけにはいかねえんだ」という言葉がぴったりくる。『勇者ああああ』の時のラブレターズは抜群に面白いです。『勇者ああああ』は毎週観ていて、他に毎週観ているバラエティは『相席食堂』だ。どう転んでも面白くなるから千鳥は天才だ。『ひらがな推し』も欠かさず観ている。基本的には毎回良いのだけど、やはり忘れられないのは最初の頃に話していた井口眞緒さんの相鉄線への異常な愛だ。

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井口眞緒のアイドル人生は「アメリカンドリーム」というカラオケ屋から始まったというエピソードがたまらない。アイドルがアイドルになる前の日常ってほとんど見ることができないというか隠されてしまいがちなのだけど、井口さんの話からは容易に想像できる。ちなみにブログでも相鉄線について語っていてこれも最高なのである。

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驚くほどの口語体で笑ってしまう。

アイドルがアイドルになる前の日常というか、そのまま日常が続いたかもしれない世界も存在しうるわけで、それが昨日公開されたばかりの乃木坂46の新曲「帰り道は遠回りしたくなる」のMVだ。

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同じようなことは西野七瀬さんのソロ曲のMVで山戸結希監督がやっている。

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オードリーが好きだからひらがな推しを観ていられるというのもあるかもしれない。先週のオードリーのラジオで、若林が著書『ナナメの夕暮れ』について話していて、エッセイで述べられる自意識についての業界関係者の軽い共感を突き放していてますます若林さんを好きになった。先週末は木下龍也さんと岡野大嗣さんと植本一子さんのトーク聞きに行ったり、フェルメール観に行ったり、宮部純子さんの演劇も観たりしたのだけど力尽きたので書きません。ちなみに最近は折坂悠太の新しいアルバム『平成』をめちゃめちゃ聴いております。

今日バイト帰りに電車に乗ろうとしたらちょうどそのタイミングでお腹に蛾が止まってそのまま一緒に乗り込んでしまって五反田から新宿まで蛾と過ごした。我ながらにとてもどうでもいい話だし、夜な夜な深夜ラジオの話とかアイドルの話とかブログに書いてろくに職探しもしていないフリーターで本当にやばいなと思っております。一念発起して仕事探せ自分。

 

台風の前と後のこと

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台風が過ぎ去った朝、窓を開けてみると、網戸と物干し竿が消えていた。たしかに前日の夜、外ではもの凄い音がしていたし、鉄パイプの様なものがカランカランと転がる音も聞こえた。あの時、あーなにか落ちたなあとぼんやり思ったが、知らないふりをして布団に潜り込んだ。2年ほど前に台湾へ行った時、夜中、ジリリリリとホテル中にけたたましくベルの鳴る音が響いた。どう考えても廊下に飛び出さなければいけないような状況だったが、僕はその時、気づかないふりをして布団に潜り、寝たふりをした。10分ほど鳴り続けていたような記憶がある。翌朝、誤作動であったと張り紙がされていた。もし本当に火事でも起きていたら、死んでいた。このように、嫌なことやめんどくさいことに巻き込まれそうになった時はとにかく気づかないふりをしてしまう。いわゆる正常性バイアスというものだろうか。いや、そんなことより、網戸が吹っ飛んで消えるなんてことあるんだと笑えてくる。

金曜の夜は、『テアトロコントvol.30』を観た。今回の出演者は、うるとらブギーズ、ウンゲツィファー、ミズタニー、ハナコ。テアトロコントでしか観れないミズタニーは、毎回本当に面白いので、いつかテアトロコントでやった作品をまとめて上演してほしい。キングオブコント王者のハナコも安定の面白さ。とてもタイムリーなタイミングで見れた。

土曜日の夜は明後日公演の坂元裕二作『またここか』を観に行った。始まってすぐは、この演技で正解なのか?と思っていたが、物語が展開されていくうちに必然性を帯びてきて、いつの間にかグッと引き込まれていた。どこまでもすれ違っていく会話や手紙といったモチーフなど、あらゆる部分で紛れもなく坂元裕二作品だった。終盤の、兄弟で父親の癖を言い合う場面など良いところがたくさんあったのだが、個人的には、「許されないより、許されちゃう方が困るんだよ!」というセリフが胸に迫った。全体的に『それでも、生きてゆく』っぽいのかなと少し思った。物販で先行販売の『脚本家 坂元裕二』を買った。本の中に坂元裕二の本棚の写真が見開きであり、食い入るように見た。岸政彦さんの本が何冊かあり、たしかに読んでそうーと思った。劇場の近くが青山ブックセンターだったので、帰りに寄って本を買った。青山ブックセンターは本当に良い本屋だ。ちなみにあのエスカレーターを下った正面にあるショーウィンドウの中に入ってポスターやらパネルを貼ったことがあります。

ENGEIグランドスラムにまんじゅう大帝国が出ていた。しっかりウケていて安心した。しかし、今年のM-1ではまさかの1回戦敗退。信じられない。そして、Aマッソも2回戦で敗退とのこと。何から何まで信じられない。先週の加納さんのコラムが本当に素晴らしかった。全人類必読だ。

http://www.webchikuma.jp/articles/-/1490

ずっと書こうと思って忘れていたのだが、3週間ほど前のオードリーのANNで、若林がコミュニティサイクルを使っているという話をしていた。コミュニティサイクルとは、以前もここで書いたが、まさに、僕も毎日使っているシェアサイクルだ。前々から生活圏が被っていることは知っていたが、同じシステムを利用しているとは知らず驚いた。つまり、若林がまたがったサドルに僕もまたがっている可能性があるということではないか。

台風が去った翌朝は電車が運休していてアルバイト先へ行くことができず、コミュニティサイクルを使おうにも貸し出しがなく、久しぶりに自分の自転車に乗った。電車が止まっているせいで、通勤する人々はぞろぞろと列を連なって新宿方面へ歩いていた。帰宅難民のようであった。みんな会社へ向かっているわけだけども。こちらはスイスイ自転車で追い抜かしていくつもりが、すっかり電動自転車に慣れてしまった体は、ペダルを漕ぐだけで一苦労。山手線は動いているらしいという情報から新宿へ向かうも、駅には入場規制がかかっておりとんでもない数の人。新宿から乗るのは諦め、自転車で渋谷まで。無駄な移動と、台風一過の暑さのせいで汗をだらだらとかきながらなんとか渋谷から電車に乗ることに成功し1時間半の遅刻でアルバイト先に着いた。この日の帰り、スーパーで梨を買った。梨がとても好きだ。果物の中で1番好きかもしれない。ほとんど水みたいな感じだから好きだ。梨は食感のある甘い水だ。しかし、この日に買った梨はあまり甘くなく悲しかった。今週は甘い梨に出会いたい。

若おかみは小学生や牛久沼3のことなど

温めた牛乳と、どうぶつカステラを食べる。これが今日の僕の夕飯だ。いや、牛乳が冷えているか温かいかの違いだけで、朝食もまったく同じものを食べた。一見、可愛い食事のように見える。しかし、トップバリューの一袋98円のカステラを牛乳で流し込む生活に可愛さなどない。昼はアルバイト先の近くにあるスーパーで「デカ盛り」みたいな名前の馬鹿みたいなカップラーメンを買い、食べた。これも98円。毎日が98円の生活。この1ヶ月ほどは転職の面接をいくつか受けていたのだがてんで駄目で、落ちてばかり。98円の食事をする人の人生っぽいなと思う。

映画館で座席に座っていると、隣に座っていた小学校低学年くらいの女の子がしきりに母親に向かって、「ほんとにここであってるの?ほんと?」と尋ねていた。よくよく耳をすませてみると、大人の男が近くにいるから変だということらしい。たしかに『若おかみは小学生!』が上映されているこの劇場には、小学生の女の子と母親の組み合わせばかりで、大人の男などほとんどいないのだ。母親になだめられた後、女の子はなぜか感心したように、「男の人もこういうの観るんだね〜」と言っていた。「観るんだよ」と心の中で答えておいた。声に出していたら即逮捕だ。肝心の『若おかみは小学生!』は、傑作だった。なんてったって監督はジブリで長年作画監督をしていた高坂希太郎で、脚本は『聲の形』の吉田玲子、音楽は鈴木慶一だ。物語だけでもとんでもなくエモーショナルで優れているのに、屋根から落ちる女の子を男の子が受け止める一連のシーンなんかは鳥肌が立ってしまった。最後のみんなで舞うシーンとそこでのセリフも素晴らしかった。エンドロールで隣の女の子がエンディング曲の藤原さくら「また明日」を口ずさんでいて泣きそうになってしまった。このエンディング曲もまた良いのだ。

ほりぶん『牛久沼3』を観た。牛久沼シリーズは今作で3作目。もはや牛久沼サーガを築きつつある。中盤での時間の巻き戻しは牛久沼シリーズの定型となり、うなぎを引っ張り合う時の一連の動き、特に飛び跳ね着地する時などは伝統芸能のよう。これはもう歌舞伎だ。いや、今回は幽霊まで出てくるわけだから能なのか。とにかくめちゃめちゃに面白く、一貫して親子の話なのも良い。動きや声量だけでも面白いのに、現実離れしたその劇中に、すかいらーくサイゼリヤといったワードが放り込まれるのがたまらなく可笑しい。鎌田さんの他の作品にはケンタッキーやジョリーパスタなども出てくるのでそれを全て一覧にまとめたいぐらい。お芝居を観ている途中から、この凄まじいものが北とぴあという建物のシャンデリアが吊るされた14階で上演されていること自体が面白くなってきてそれ込みで最高だった。隣の席に上田遥さんが座っていて、終始ケラケラと笑っていたのが良かった。それにしても今年だけでナカゴーとほりぶん合わせて5作も上演していて全てが面白いって凄い。天才だ。最近のナカゴーでお決まりとなっている冒頭で全てのネタバレをするあの慣習が今回はまさかの当パンで行なわれるとは予想もしていなかった。A4の用紙にびっしりと『牛久沼3』の内容が書かれ、さらには上演予定の無い『牛久沼4』の内容も記載されているのだ。いま東京に居てナカゴーとほりぶん観ない人は本当にもったいないのではと思う。ちなみにこの公演を観た日は土曜の夜で、キングオブコントが放送されている時間だった。帰宅してからキングオブコントを見ると、チョコプラの一本目がナカゴーのようなコントで、なんだこの偶然はと驚いた。ハナコは納得の優勝でした。ハナコの2本目のコントは特に好きで、セリフ無しでのあの演技力は素晴らしかった。ちなみにここ近年のセリフ無しで抜群に素晴らしい作品は『ボージャック・ホースマン』シーズン3の第4話です。

五反田団の『五反田怪団2018』も観た。演劇と語りがシームレスに変化するのが相変わらず見事でありながら、いつも通りのくだらなさで終始笑っていた。1番最近の五反田怪団は3年前で、その時はクリスマスの頃であったのを思い出した。ついこの前のようなのだがもう3年も前なのか。目黒川沿いのイルミネーションを鮮明に思い出すことができる。