12月4日(月)
毎週月曜は朝5時半に家を出なければならないので4時50分に目覚ましをかけている。家を出るたびに、夜じゃんと思う。先週の爆笑問題カーボーイを聴いていると、ウーチャカが長嶋茂雄と握手した話を嬉しそうに話していて、それに対して太田さんも同じテンションで興奮していてよかった。
不意にホシクマというマークを見かけて可愛さにやられた。
ブルータスのヒコロヒーのエッセイが素晴らしかった。
ささいなことに疲れてもう全て投げ出して遠い島にでも行ってしまおうと思う日もあれば、疲れていてもこのような毎日を送ることができてとても幸せだと噛み締める日もある。そうしてやっぱり、粛々と働いている。これらを働いてばかりの日々だと思うことは簡単だけれど、どんな日も、いろんな日である。この身体で、この感受性で、さまざまな時間を過ごしている日々だ、と述べることが真実であり適切なのかもしれないと、ふと考える。
働いてばかりであるという簡単な不幸に流されるのではなく、実はいろんな日々を過ごしていて豊かばかりであるという真実の幸福の旗を握っていたい、と、今日はたまたま思える日であり、明日はどうだか知る由もない。しかしそれもまた日々である、と、なぜだかそう考えた今日の日のことを、あの旗がするすると飛んで行かぬようにと慌てて綴っておくのである。
12月5日(火)
朝の気温はマイナス2度。職場で健康診断があった。朝、自宅で採取した尿を検診の人に渡すと少し離れたカゴにぽいっと投げ入れられて、数時間前までに自分の体にいた液体なので「ああわが尿よ」と雑に扱われたことに寂しくなった。職場の敷地内に心電図の車が来ていて、その中で検査をした。これまでは検診センターみたいなビルでしか健康診断を受けたことがなかったので街中で時々見かける特殊な車に乗れたことに興奮した。
12月6日(水)
昨日とは打って変わって朝でも暖かい。昨日の最高気温は4度だったが今日は14度にもなった。甘井最鹿『走り出す花びら』を読んだ。絵も表現も上手くてすぐにでも連載が始まりそうな作品だ。
小学館新人コミック大賞青年部門大賞のかわじろう『コースロープ』も読んだ。こちらも好みの作品で好き。
光用千春さんの作品を思い出し、久しぶりに『コスモス』『たまご』を読み直したがやはり本当に素晴らしい。光用さんは来週からビッグコミックオリジナルて連載が始まるらしいので楽しみだ。
12月7日(木)
昨日から無性にメロンパンが食べたかったのでお昼ご飯用にコンビニで買ってから仕事へ。お昼に食堂でメロンパンをかじっていたらいい年をした男が可愛いフォルムのパンを両手で持って食べていることに急に恥ずかしなりそそくさと食べ切った。可愛いフォルムのパンは誰もいない公園のベンチか自宅で食べることにする。
M-1準決勝があり、決勝進出者の発表があった。ついにヤーレンズが決勝に行ったのはかなり熱い。敗者復活戦もシステムが変わるらしく本戦と同じくらい楽しみ。本命はもちろん真空ジェシカだ。
12月8日(金)
この季節は、プリンターから印刷された紙で暖を取るのが自分の中で恒例になっている。すっと両手で紙を挟み込み、一瞬の温かさに癒される。
12月9日(土)
夕方から会社の忘年会があり、ずっとそわそわしていた。一日の中に乗り気ではない予定があるというだけでその他のことがなにも手に付かなくなってしまうのでせっかくの休みだが外出しなかった。劇場で見逃した『女神の継承』がU-NEXTで配信されていたので観た。この後の憂鬱な予定を忘れさせてくれるのに十分な面白さと怖さだった。
重い足取りで会社の忘年会へ行き、なんとか2時間を乗り越えた。コンビニでホットコーヒーを買い、ceroの「街の報せ」「ロープウェイ」を聴きながら少し遠回りをして家への道を歩いた。温かいコーヒーを両手で包みながら街灯のまばらな川沿いを歩いていると満たされるものがある。
帰宅し、THE Wを追っかけで観た。やはりハイツ友の会がビジュアル含めて好きだ。全員面白かった。ときに「街の報せ」のMVは何度観ても素晴らしい。
12月10日(日)
朝9時から映画を観るために映画館へ歩いて向かった。朝の冷たい空気の中を歩くのは本当に気持ちがいい。途中、神社を突っ切った。
北野武『首』を観た。カットのキレはさすがに劣ってきたものの、ホモソーシャルな部分であったり、くだらない権力争いや殺し合いに対してすべて自覚的なのが良い。エンドロールで「T.Nゴン」の文字を見て、ランジャタイの「T.Nゴン Nの秘密」を思い出した。このネタが狂おしいほどに好きなのだ。
たけしの映画を観たので焼きそば専門店たけしやで焼きそばを食べた。濃いソース、太麺のわしわし系で美味い。
お腹を満たしマツモトアートセンターでの「拝啓松本さま」という企画を見に行った。藤原印刷とマツモトアートセンター出身のデザイナー4人による展示。寄藤文平さんは著作を何冊も読んでいたが長野県出身とは知らなかった。色校に書かれた文字などが好きなので見れてよかった。
そのまま街の中をふらふらと散歩をした。あらためて散歩が本当に好きだ。目的もなく彷徨っている時間ほど貴重なものはない。
本屋に寄り、panpanya『商店街のあゆみ』と雨宮まみ『40歳がくる!』を買って帰宅。
早速『40歳がくる!』を読み始め、未発表原稿で苦しくなってしまった。雨宮まみさんが亡くなった時、ちょうど岸政彦さんとの共著『愛と欲望の雑談』を読んでいた最中だったので本当に驚いたし、自分も雨宮まみさんの文章に救われていた人だったのでどうしようもない気持ちになったのを今でも覚えている。特別寄稿もみなさん良い文章だった。
ネトフリで配信が始まったばかりの『終わらない週末』を観た。イーサン・ホーク、ジュリア・ロバーツ、ケヴィン・ベーコン、マハーシャラ・アリという豪華な役者陣だけでも見応えがあったが映画としても面白かった。たしかにシャマランやジョーダン・ピールっぽさがあるが後述の監督たちの持つ良い意味での居心地の悪さはなく、パキッとしていた。たしか『ドント・ルック・アップ』もネトフリ製作だったので年末になると終末もの映画を定期的に配信する決まりでもあるのか。