記録

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ずっと在り続ける

ゴールデンウィークが終わる。それと同時に、僕は約1年ぶりの社会復帰となる。1年ぶりの正社員。販売業なので、お店に立つこととなる。どうなるのだろうかという不安しかない。まあ、頑張るしかないのだけれど。

今週観た、ほりぶん『飛鳥山』がとんでもなく面白かった。ナカゴー、ほりぶんに関してはもう観てくれとしか言えない。終盤のぶん投げるような力技にどうしても印象を持っていかれてしまうのだが、物語を見ていくと、登場人物一人一人に心の動きがあり、ドラマのある話となっている。あんな演出や俳優の演技があり、さらにはドラマのある台本も書けてしまうなんて前々から言い続けているが、ほりぶん、ナカゴーは最高だ。それでいて、思いっきり笑えるのだから。

ストレンジシード静岡の初日へ行った。朝6時半にヒコさんの運転で東京を出発した。渋滞があり、最初に観る予定であったロロ『グッド・モーニング』の開演ぎりぎりに到着した。劇場ではなく、本物の駐輪場で上演される『グッド・モーニング』はたまらないものがあった。風で木が揺れ、蝶が宙を舞い、鳥のさえずりが聞こえる。その全てと虚構である演劇が調和し合っていた。数年前の、井の頭公園でのロロによる野外劇も良かったなーなんて思い出していた。その後は、ままごと×康本雅子を観た。うーん…となってしまった。次に観た範宙遊泳『フィッシャーマンとマーメイド』は、ポップでやわらかく素晴らしかった。演劇は、誰にでも開かれている作品であるべきだよなーと思った。早起きと立て続けの観劇に疲れてしまったのでストレンジシードは終わりにして、さわやかのハンバーグを食べに行った。1時間半ほど待ち、相変わらずの美味しさに幸せを感じた。何度食べても初めて食べたときの美味しさを味わうことができる。ハンバーグを堪能して、16時前に帰路に着くべくお店を出発した。ここからが地獄の始まりであったのだ。帰りは、僕が運転することとなっていた。高速に乗るとすぐに渋滞にハマってしまう。なんとそこから6時間、静岡から出ることができず永遠と運転席に座り続けることとなったのだ。こんな渋滞に巻き込まれたのは初めてだった。しかし、車内でアルピーのラジオをみんなで大笑いしながら聴いたのは幸福な時間だった。動くことのない車内で途切れることなく笑い続けていた。それでもさすがに睡魔に襲われ、都内へ入る前にヒコさんに運転を代わってもらい、後部座席で寝た。結局、家へ着いたのは深夜2時前だった。16時に出発して深夜2時に帰宅とは、静岡から東京への移動とは思えない。死んだように寝た。

最近読んだものは、ロバート・ウェストール『禁じられた約束』だ。とても素晴らしかった。しかし、序盤のボーイミーツガールの初々しさと終盤の辛さに、これは本当に児童文学なのか…となっていた。あまりにも辛すぎる。ちなみにこの作品の一節を宮崎駿は引退会見で引用している。

あと、日刊サイゾーの連載も更新されていた。光用千春『コスモス』と斉藤倫『ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集』についてです。

業田良家・石塚真一・浅野いにおが絶賛した気鋭の漫画家が描く「世界との出会い方」|日刊サイゾー (2019.05.02)

今日は、文学フリマ東京へ出展した。 

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とても緊張した1日になった。新刊、既刊ともに40部ずつ持っていったのだが、ありがたいことに完売した。たくさんの人が来てくれた。ブログ読んでます!であったり、前作買いました!などと言ってくださる度に、その人を抱きしめて感謝したくなった。まったく前情報を知らずに、その場で立ち読みをして買ってくれる方も何人もいた。もう僕はみんな大好きだ。ありがとうありがとうと買ってくださった方々がいるであろう方角すべてに手を合わせて感謝している。こだまさんや、『百年の孤独を代わりに読む』の友田とんさんも自分の本を買ってくださった。さらに、九龍ジョーさんにも僕の本の存在を知っていただいていた。こんな嬉しいことがあるのだろうか。サインを頼まれたのでサインをした。その時は、初サインです!と言ってしまったのだがよくよく考えてみると初サインは、歌人の木下龍也さんだった。

ずっとブースにいたので終わりがけに、駆け足で買いたい本を買いに走った。

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『Didion 02』『仕事文脈vol.14』『パリのガイドブックで東京の町を闊歩する』『ODD ZINE』を買った。ブースに来てくださって、ご自身でも出展されている方々が何人もいらっしゃったのですが、足を運びます買いますとか言いながらまったく行けなくてごめんなさい。なにかしらの方法があったら買います。

そんな感じで無事80冊を完売させた。今回の文フリの売り上げで、『やがてぬるい季節は』は、300冊を超えた。本当にありがたい。新刊の『日々はすべて穏やかな一日に』も今回の先行販売と予約分を合わせて100冊に到達した。嬉しい限りだ。まだまだ予約は受け付けているので、ぜひ。

https://miwa261.stores.jp/items/5cbb4427d211bf5411537a1b

明日から、働き始める。どうなるかは誰にもわからない。正直なところ、一度仕事を辞めているのでとても不安だ。まあ頑張るしかないと最初に書いたが、自分で作ったものがたくさんの人の手に渡り読んでもらえている、そんなことが辛いことがあってもこれからの自分の支えになるような気もしている。この支えは、以前の自分にはなかったもので、これからの自分にずっと在り続けるものだ。そう信じている。