記録

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2023年1月23日〜2月5日

1月23日(月)

明日から10年に1度の寒波ということだが今日はそれほど寒くなかった。仕事は『ちいかわ』新刊の発売日なので問い合わせに追われるかと思いきやそれほどではなかった。しかし、2500円もする特装版がばんばん売れていくのでちいかわ恐るべしだ。

1月24日(火)

寒さに身構えて朝起きたがそんなことはなくむしろいつもより暖かいくらいだった。なーんだ、これは台風が来る来るといいながら朝起きたら嘘みたいな晴天のパターンと同じではないかと思った。心地良い気候の中出勤した。仕事で売り場の電気が切れていたので新しくしようと電球をテーブルに置いておくとアルバイトの学生が「電球替えております」と言った。なんで突然丁寧な口調になったんだ、執事か?と思い何度も聞き返すと「電球替えて降ります」という意味だった。夕方になると風がすごい音をたてて吹き、室内にいてもどことなく空気がひんやりし明らかに外の気温が下がっているのが分かった。ついに来たか寒波。仕事が終わり22時過ぎに外に出ると寒すぎて体の生身が出ている部分すべてがもげるかと思った。すれ違う人たちの会話すべてが「さみー」という言葉だけで成り立っていた。自分も誰かと「さみー」と言い合いたいと思った。

1月25日(水)

髪を切りに行った。いつものちょうどいい会話をしてくれる美容師さんは、年始に書き初めをして「自炊」と書き玄関に貼っているらしい。美容室の前になぜか覆面パトカーが止まっていて、美容師さんが「偽物のパトカーだ」とつぶやいていた。スーパーでかき揚げを買い、家で蕎麦を茹でてかき揚げ蕎麦にして食べた。『ガンニバル』最新話の6話が更新されたので観た。とても面白い作品だが、正直3話までがピークで4話以降は展開や見せ方があまり良くなかったので演出が片山慎三監督に戻る最終話でどうなるのか気になる。おそらくサブスク配信の日本のオリジナルドラマで『ガンニバル』はトップクラスのクオリティだ。この質のドラマを作れるのなら阿部和重シンセミア』もそろそろ映像化できるんじゃないかと思う。夜は『水曜日のダウンタウン』の「名探偵津田」がとても面白かった。企画に完全に乗っかるのではなく、あくまでも片足を突っ込むというスタンスが津田さんと見事にマッチしていた。シリーズ化待ったなしだ。

1月26日(木)

仕事。帰宅し手を洗おうと蛇口をひねり水を出しお湯になるのを待っているとまったく温かくなる気配がなくしばらくすると、ピーッと電子音が鳴った。給湯器を操作する電子画面にはエラーと表示されていた。こんな真冬に給湯器が故障した。最悪だ。とりあえず明日不動産屋に電話することにした。

1月27日(金)

朝から不動産屋へ給湯器の件で電話をした。すぐに修理の手配をするとのことで修理屋からの連絡を待ってくれという話になった。昨日からお風呂に入れていないのでとりあえず電車に乗って11時から営業している銭湯へ行った。午前中からゆっくりお湯に浸かれるのは幸福感があった。外からの空気が浴室内に入るたびにお湯のを上を白い湯気が走っていた。しかし、午後から仕事なのでのんびりできるわけではなくほかほかの体で職場へ向かった。休憩中、喫茶店で電話をしている人がいて「人力舎の岡野さんどうですかね?」と岡野さんのキャスティングをしていた。夕方になっても給湯器の修理屋から連絡がないので不動産屋に電話すると「午前中には連絡してるんですけどねーもう一度確認します」と言われ、10分後に修理屋から電話があった。絶対どちらかが連絡を忘れていたので少しむかついた。修理は30日の朝7時半になった。朝早すぎるがこの時間しか空いていないと言われたのでしょうがない。仕事を終え、帰宅。冷たい水で手を洗うのはしんどい。

1月28日(土)

この日も朝から銭湯に行った。土曜日ということもあって混んでいた。サウナ目当ての若者の集団が多数いた。ゆっくりとお湯に浸かれなかったのでシャワーだけを浴びた。仕事へ向かう途中、オフィスビルの前にスーツを着た女性がピザハットの箱を抱えて立っていた。違和感あるなあと横目に通り過ぎると遠くから青いマイクポップコーンの袋を抱えた男性が走ってきてすれ違った。きっとさっきの女性と合流するに違いない。パーティーの気配。

1月29日(日)

芸劇シアターイーストで柴幸男演出『わが町』を観た。

ソーントン・ワイルダーの戯曲もとても好きだし柴さんのこれまでの作品も好きだが今回はなんとも言えなかった。自分の理解力が足らない部分もあるが、やりたいことが分かるようで分からなかった。好きな戯曲は聴きたい台詞があったりするがそこをあえて聞かせないような演出をしていてむずむずした。ちなみに好きなのはエミリーのこの台詞だ。

さよなら、世の中よ、さようなら。グローヴァーズ・コーナーズもさようなら。ママもパパも、さようなら。時計の音も。ママのヒマワリも。それからお料理もコーヒーも。アイロンのかけたてのドレスも。あったかいお風呂も。夜眠って朝起きることも。ああ、この地上の世界って、あんまりすばらしすぎて、だれからも理解してもらえないのね。

アフタートークが大学時代お世話になったゼミの先生で久しぶりに姿を見れて嬉しかった。先生の時間を確認する時の所作で不意に当時を思い出しグッときて懐かしさに泣きそうになった。

観劇後ポポタムに行くと高妍さんのポスターが売っていて思わず買ってしまった。明日館をチラ見した。帰り、高架を走る電車の窓から橙色の夕焼けが見えた。夕焼けを背景にしたビルや家々の影がとても美しくて思わず写真を撮ろうとしたが電車の中でスマホを出す勇気がなくてやめた。小さい子どもが靴を履いたまま膝立ちで窓の外を見ていて、あの電車であの景色を眺めていたのは彼と自分だけだった。帰宅し、部屋にポスターを飾った。

1月30日(月)

朝、給湯器の修理屋屋さんが来た。1時間ほどの交換作業でお湯が出るようになった。しかし、あくまでも代替機らしくまた新しい給湯器を設置するらしい。スマホの代替機や代車などは聞いたことはあるが給湯器の代替もあるんだと思った。ネットフリックスで『舞妓さんちのまかないさん』を一気見した。話ごとに演出する監督が異なるのでその違いを楽しみながらも1話2話の是枝監督の演出の間違いなさを再認識した。まなざしの捉え方にグッときた。主演の2人はもちろんのこと、松岡茉優がとても良かった。橋本愛とのコンビも最高だなあと思っていると劇中劇でゾンビをやり始めて『桐島、部活やめるってよ』じゃんとなった。作品の中で明日館の話が出て昨日見たばかりだったのでタイムリーだった。夜から咳が出始め、乾燥のせいかと思い白湯をひたすら飲んだ。

1月31日(火)

朝から体がだるく、体の節々が痛かった。体を引きずるようにして職場へ行った。頭痛、寒気に襲われ室内でもずっとコートを着ていた。確実に風邪かコロナだ。早退したかったが月末業務があったので帰ることができず、明日休む可能性が高かったので念のため代わりに出勤できる人を見つけ諸々連絡をして22時に退勤。震えながら電車に乗り帰宅し熱を計ると38度。明日病院に行くことにしてとりあえず寝た。

2月1日(水)

朝起きても体調は悪く、熱を計ると39度あった。職場に休みの連絡をいれ、近所の病院に事前に電話をしてから向かった。廊下の椅子で待たされ、そのままそこでコロナとインフルの抗原検査をした。15分ほどで陰性の結果が出た。その後PCR検査をし、解熱剤や咳止め薬などを処方された。結果は明日の朝になるとのこと。このまま外出できなくなる可能性が高いので薬局やスーパーで飲み物や食材を買い込み帰宅した。解熱剤を飲むとだいぶ体が楽になったが食欲がなくひたすら寝ていた。

2月2日(木)-2月5日(日)

熱はしばらくあったが薬でなんとかごまかしていた。とにかく頭がぼんやりした感覚がずっとあった。風邪とはやはり少し違う感じだ。1週間近く休みがあったのは数年振りだったので思う存分休んだ。ひたすりネトフリ、ディズニープラスを観ていた。観れていなかった『ウェンズデー』がとても好きな作品だった。自分ははぐれものたちが主役の学園モノが好きなんだと改めて思った。どのキャラクターもとびっきりキュートで、ウェンズデーはもちろんのことイーニッドとユージーンのようなキャラクターも抱きしめたくなる。全体を通して児童文学のシリーズもののような手触りもあった。あとはどドキュメンタリーの『ガンサーの相続金』も話が二転三転して面白かった。

週末まで咳は続き、頭はぼんやりしたままだった。