1日目
朝6時半ごろの電車で銀座に向かい、そこから成田空港までバスで移動した。11時45分発の便で台湾に行くためだ。今回は2回目の台湾になる。入国だけで言えば3回目だ。飛行機はLCCのスクートを利用した。本当はトランスアジアを予約していたのだが、3週間ほど前に倒産するという思わぬハプニングに見舞われたためスクートに変更になった。LCCだから座席が狭いだろうと思っていたが広く、普通の機内と変わらなかった。しかも機内が異様にポップであった。陽気な音楽がながれているし、天井がカラフルなのだ。
15時頃、桃園国際空港に着く。やはり暖かかった。そこから台北の市内へ移動してホテルへチェックインした。今回のホテルは民権西路駅が最寄り駅だった。この場所はあらゆるところへのアクセスが抜群によくて、前回の西門町よりスムーズに移動ができた。なんだかんだで夕方頃になってしまったので、夕飯を食べることにした。台北駅近くの、ミシュラン一つ星を獲得している添好運というお店に行った。店内はレストランというよりもファミレスのような気楽な雰囲気が漂っていた。適当に色々と注文した。
どれも美味しかったけれどミシュラン一つ星の味なのかは分からなかった。たぶんもう行かないと思う。
ついでに台北駅に行った。台湾はクリスマスをやらないと聞いていたのだが、大きなクリスマスツリーがあった。そしてなぜかたくさんの人が座りこんでいた。
台北駅から地下道を歩いて中山へ向かった。中山駅周辺はおしゃれなお店などが多く、歩いているだけで楽しい。特に赤峰街というエリアがお気に入りだ。なんてことない路地だって外国にいるだけで魅力的に見える。
もう21時近いのに夜の公園で少年たちがバスケをして遊んでいた。ベトナムでも同じような光景を見たのを思い出した。
敬愛してやまない侯孝賢がプロデュースしている台北乃家にも行った。邦画は『永い言い訳』『オーバーフェンス』『湯を沸かすほどの熱い愛』が上映されていた。
中山から歩いて双連駅近くの双連仔湯というお店に行った。ピーナッツ粉がまぶされたここのお餅が本当に美味しいので再訪。いままでに食べてきたお餅の中で一番美味しいと思う。僕の中のベストオブ餅だ。
隣りに座っていた高校生ぐらいの男の子二人が、彼らの中ではそれが当たり前なのだろうが、一つのお餅を箸で六等分に分けて食べていて微笑ましかった。他のメニューも食べてみたかったのでぜんざいのようなものを注文した。白玉やきくらげ、タロイモが入っていた。甘さ控えめで美味しかった。
すっかりお腹もいっぱいになったのでホテルまで帰ってこの日は寝た。
2日目
この日は今回の旅のメインである、台湾鉄道の平渓線に乗るため早起きをした。天気は曇りだった。昨日下見した台北駅へ向かった。駅では台湾鉄道の名物である駅弁を買った。まずは台北駅から基隆市の七堵駅に行った。乗り換えの時間にホームで駅弁を食べた。表の写真は台鉄のキャラクターなのだろうか。
蓋を開けると、肉ドンッ!玉子ドンッ!という豪快さだった。こういうお弁当が大好きなのでたまらない。
見た目ほど味は濃くなくて朝なのにパクパクと食べれた。
駅弁を食べ終え、乗り換えの電車が来たので新北市の瑞芳駅に向かう。周りの景色はすっかり山ばかりになった。瑞芳駅からお目当ての平渓線が始まる。駅には平渓線の観光地が書かれた路線図があった。
まずは終点の箐桐駅に行ってそこから折り返してくることにした。電車は山の中をぐんぐん進んでいった。40分ほどで箐桐駅に着いた。平渓線は一時間に一本しか電車が来ないので線路から写真を撮りまくった。日本だったら叩かれる撮り鉄だ。
スタンドバイミーごっこだって余裕でできる。ちなみにここは、近年の台湾青春映画の傑作、『あの頃、君を追いかけた』のロケ地でもある。
ここの駅舎は日本統治時代のままらしい。瓦屋根がそれを物語っている。
駅舎を出るとすぐにちょっとしたお土産屋と飲食店が並んでいた。
この地域には竹にお願い事を書いて吊るす風習があるらしく、いたる所に吊るされていた。神社のおみくじみたいだ。
駅から下ったところに人情橋という名の橋があり、そこにも目いっぱい吊るされていた。
それにしても本当に山の中の駅だ。台湾まで来てこんなところに行く日本人はなかなかいないのではないだろうか。
いかにも生活に根差していそうなリアル鳩小屋もあった。
表情と前足の伸ばし方が最高に可愛い犬もいた。
なぜこの箐桐駅に僕が行きたかったかというと、それは炭鉱の廃墟がそのまま残されているからである。飲食店などが並ぶ駅の表側とは反対側にその廃墟はあった。
トロッコのレールもあって興奮した。
この場所は1979年まで使われていたらしい。ほとんど手つかずのまま残っていて見応えがあったが観光客はだれも来ていなかった。雨宿りしている犬はいた。
次の電車にちょうどいい時間になったので駅まで戻り、一駅隣りの平渓駅へ向かった。
平渓駅は老街と言われる昔ながらの街並みで観光客も多くいた。
通りに駄菓子屋みたいなのがあったのだが棚の下に猫がいて最高に可愛かった。
そして平渓も『あの頃、君を追いかけた』のロケ地なのだ。主人公たちが橋の上で天燈を飛ばすシーンが撮られた場所だ。台湾で大ヒットした映画だけあって真似しているカップルがいた。まったく余談になるのだが、台湾青春映画はもっと多くの人に見られてもいいのではないかと思う。本当に傑作が多いのだ。
次の電車まで時間があったので高台まで登ってみると防空壕があった。これも日本統治時代の名残だ。
この近くからは、駅を見下ろすことができた。
そういえば老街には壁に描かれたイラストが多かった。
日本の影響なのかもしれないが台湾にもこういうのがあった。微笑ましい。
平渓駅を後にして次に向かったのは、平渓線で一番の観光客数を誇る十分だ。お店ギリギリを電車が走る様子は何度もテレビで見たことがあった。いままで降りてきた駅の静かさはなんだったのだろうかと思うほど人が多かった。
韓国の人の数が異常に多かった。むこうではここが流行りなのだろうか。線路の上から次々に天燈が上げられていた。
電車が来ると大勢の人がスーッと横によけて線路の上から人がいなくなる様は、圧巻だった。猫がうずらを狙っていた。
そろそろ次の駅へ向かおうとホームで待っていたら、線路にうっすらとREM IS BEST GIRLと書かれていて面白かった。
次に降りたのは侯硐駅だ。
ここは台湾の猫村として最近観光客が多く訪れている。駅は猫にまつわるもので溢れていた。
そして早速、猫を見つけた。駅のベンチに座っていた。
植木の陰にはまぶしいのか手で顔を隠して丸まって寝ている可愛い猫がいた。
ここからは写真を貼りまくっていく。
お土産屋さんの中でも普通に猫が寝ていた。
猫がたくさんいる地域の逆側には、ここにも炭鉱の廃墟があるのだ。
近づいてみると本当にそのまま朽ちていた。
そしてこの廃墟と山を繋ぐ橋の上から見た景色があまりにも美しすぎた。こんな一瞬を見るために旅行しているのではないかとさえ思う。
トロッコに乗って炭鉱内部にも入った。こういう所あるあるなのだが、人形が不気味だった。
侯硐を一通り見終え、駅に戻った。平渓線の旅はこれにておしまい。ほとんど一日がかりで平渓線を満喫した。
台北に戻る頃にはすっかり暗くなっていた。小腹がすいていたので台湾といえばのかき氷を食べに行くことにした。小時侯冰菓室というお店。可愛い店内で可愛い苺と練乳のかき氷を食べた。
一旦ホテルに戻り休憩してから夕飯を食べに外に出た。疲れていたので近場で魯肉飯を食べた。台湾の食べ物はなんでも美味しい。
すぐに寝た。
3日目
この日は台北市内をふらふらすることにした。朝ごはんでも食べようと目当てのお店に行ったのだが土曜日だということもあってめちゃくちゃ並んでいた。雨も降っていたし並ぶ時間がもったいないのでここでの朝食は諦めた。前回食べることができなかった胡椒餅を食べようと龍山寺駅に行った。細い路地にあるお店だが混んでいた。遠巻きに写真を撮っていたらもっと近くまで来て撮れと手招きされた。
外はカリカリで中にはお肉がぎっしりと詰まっていて美味しかった。
胡椒餅を食べ終え、とりあえず台北駅に戻ることにした。駅弁売り場に行くと昨日とは違う種類のお弁当が売られていた。思わず買ってしまった。松山文創園区というところにお弁当が食べれそうな場所があったのを思い出し、電車に乗って移動した。ここが松山文創園区というところだ。
とりあえず屋根付きのベンチでお弁当を食べた。
昨日と弁当箱の形が変わっただけではないかと見えるが、そんなことはない。お肉の種類が違うし下に湯葉がある。白菜もいる。全体的にボリュームが増していた。美味しかった。
お弁当は食べた松山文創園区は、タバコ工場をリノベーションして作られたとてもお洒落なカルチャースポットなのだ。この日は倉庫を利用してクリエイターズマーケットが開かれていた。
シンガーソングライターのような人が弾き語りをしていた。
そして別の倉庫ではアートの展示も行われていた。
展示スペースの敷居が可愛い洋服たちでときめいた。
まさかこんなにも色々なものが開催されてるとは知らずに思わず松山文創園区を満喫した。トイレの壁に描かれていた絵も可愛かった。
次は初日にも訪れた中山エリアに行った。適当にふらふらして雑貨屋などを見て回った。前回に引き続きLOOPY!にも行った。相変わらず素敵なお店だった。
偶然入った古着屋で七尾旅人とやけのはらの「Rollin'Rollin'」が流れていた。台湾にいる間、たくさんのJPOPを耳にした。駅の地下道では星野源が、スーパーではPerfumeが流れていた。
赤峰街には1年半前と同じイラストが壁に描かれていた。時間が経ってもそこにあるというだけでなぜだか安心する。
中山駅周辺を散策し終え、次に向かったのは迪化街だ。ここは本来は問屋街なのだが、最近はそこをリノベーションして新たなおしゃれスポットになっている。
この迪化街で行きたかったお店がある。それは「1920s」という書店だ。
あらゆる文化が華咲いた1920年代にまつわる本が売られている。ここで台湾の妖怪の本を購入した。
あとは台北の建築物マップと日本統治時代の台北の地図も買った。色々買ったからかはわからないが、店員が小さい手帳のような冊子をくれた。
中には1ページごとにイラストが描かれていた。恐らく台湾の個人書店が紹介さえているのではないかと思う。
すっかり夜になったので台湾最後の夕飯を食べることにした。常青餃子館というお店に行った。大きい大きい餃子を食べた。かじりつくと肉汁があふれてきて最高に美味しかった。
夕飯を食べ終え、お土産を買うために近くのスーパーへ行った。行く途中の路地。この写真、実は奥で欧米人カップルがめちゃくちゃキスしているのだ。
スーパーでお土産などを買い、ホテルに戻った。最終日は朝の便で帰るため、ホテルを早朝の3時半に出なければならなかったので寝るか迷ったが数時間だけ寝ることにした。その前に夜食として外で買ってきた知高飯を食べた。
角煮がご飯の上に乗った最高としか言いようがない食べ物だ。
少しだけ寝た。
4日目
早朝の便で日本に帰ってきた。帰りは成田まで2時間45分だった。実家に帰るより近いではないか。帰宅してお土産を並べた。様々なメーカーのパイナップルケーキを大量に買った。
今回の台湾旅行はローカル線に乗るという目標が達成できたので満足だった。恐らくまた近いうちに台湾に行こうと思う。すっかり台湾が大好きな人になってしまった。
前回の台湾旅行はこちら。
miwa0524.hatenablog.com