記録

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全部が良くなる

道でつまずいたり転んだ時、過度な心配よりも笑ってくれた方が安心する。先月仕事を辞めて晴れて無職になった。そのことを友人や知人に伝えると、多くの人が深刻な顔をしてくれる。それがきっと正解の反応であるし、自分もそうするだろう。しかし時々、辞めたことを思いっきり笑ってくれる人がいる。なんだかその瞬間だけ、今の自分の置かれた状況がさして大したことではないと思うことができる。

それにしてもこの先どうするべきなのか。

今は、2週間ほどの無職期間を経て、学生時代アルバイトをさせてもらっていた会社で再び働いている。脱無職、フリーターへの昇格。差し迫った問題としてはやはりお金に関することだ。時給1000円で東京で一人暮らしは厳しいにもほどがある。家賃でほとんど持っていかれてしまう。引っ越すのにもお金がかかる。安定した収入ほど心が安らぐことはないのではないか。こんなお金の話ばかりしたくはないのだが、暮らしている中での実感としてはそれが一番にくる。早く仕事を探さなければという焦りがある。このままでは生活がままならない。本当のことを言えば、映画も演劇も観にいかず、本も買わなければなんとかなる気がするのだが、そんなわけにもいかない。この1ヶ月で観た映画は『デッド・プール2』『タクシー運転手』『万引き家族』『ワンダー 君は太陽』『レディ・バード』『ブリグスビー・ベア』だ。どれもとても良かった。2週間ほど前はceroのライブにも行ったし、今日はユーロスペースで「倉本美津留の太鼓判」を見た。ジャルジャルかもめんたる天竺鼠、ランジャタイ 、マジカルラブリー、テニスコートという最高のライブ。ランジャタイの漫才「Nの秘密」がめちゃめちゃに面白くてもはや映画のようだった。

この1ヶ月で1番変わったのは、頻繁に自転車に乗るようになったことだ。自宅から1時間くらいの場所だったら平気で自転車を乗り回す。最近は暑くてくたくたになってしまうのだが、夜の涼しい時間にちょっと遠くのコインランドリーまで自転車を走らせるのはとても気持ちが良い。『レディ・バード』で、免許を取って初めて車を運転した時に見える町の風景に感動するとても良いシーンがあったが、まさにその感覚と同じで、東京を自転車で走り回るのは自分にとっては新鮮で楽しい。東京は、緑が多い。漕ぎながら、カネコアヤノの新しいアルバム『祝祭』を狂ったように聴くことが多い。全曲素晴らしい。もちろんラジオも聴く。最近だと、爆笑問題カーボーイで太田さんがお父さんの話をしたオープニングトークが抜群に良かった。根本宗子と長井短のANN、Creepy NutsのANNも軌道に乗ってきた感じで面白い。しかし、1番楽しみなのは神田松之丞さんのラジオだ。もっと長い時間聴いていたい。ここ最近、オードリーのANNが、若林の「いやー、まいったね」で始まることが多い。くりぃむしちゅーのANNではないか!と1人興奮することが多々ある。

なるべく早く就職先を見つけなければという焦りと、今のままの生活が続けばいいなんていう甘い考えが常にある。こんな感じの文章を書いてお金を貰える仕事があったらいいのに。そんな夢みたいなことはきっとないので、大人しく働き口を探します。来月の家賃も払えないので。