記録

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東北旅行記8月22日〜8月27日 前編

1日目

青春18きっぷを握りしめ、始発で高円寺から仙台を目指す。台風9号が来ていたので電車が動かないかと心配していたが朝方はまだ大丈夫だった。上野から東北本線に乗ると、いよいよ旅が始まるぞとわくわくする。ここからひたすら北上する。合計8回の乗り換えは2年前に東北を旅行した際と同じルートだ。乗り換え駅の黒磯駅で面白いものを見つけた。駅のホームにある木で出来た謎の扉である。

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調べてみると、これは皇室が那須御用邸を訪れる際に利用される扉らしい。どうりで立派なわけだ。もちろん一般人は入ることができない。

台風9号が徐々に影響を及ぼし始めていた。電車を乗り換える度にいままで乗ってきた区間の電車が運行休止になっていくのだ。後ろから台風に追われる恐怖。運がいいことに、台風に追いつかれずに仙台にたどり着くことができた。曇天模様の仙台。

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仙台に着くとすぐにお昼を食べに向かった。食べたのは穴子である。本当は、松島が穴子で有名なのだが、松島にほど近い仙台にも穴子専門店がいくつかある。

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うなぎよりもさっぱりとしていて食べやすく美味しかった。穴子を食べた後は、ずんだ餅を食べに行った。

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次第に雨が降り始めた。有名な定禅寺通りも雨で暗い雰囲気。

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夜には暴風雨に変わり、駅前は冠水していた。仙台に来たからには牛タンを食べなければと、雨と風の中、味太助という牛タンのお店に行った。

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おそらく、いままで食べた牛タンの中でトップクラスに美味しかった。厚さはそんなにないのだが、弾力があり、噛めば噛むほど味が滲み出てくる。本当に美味しい牛タンに厚さなど必要なかったのだ。テールスープもいままで飲んだものの中で1番美味しかった。お店も昔ながらの古い雰囲気で、頑固そうなおじさんが目の前で焼いていた。その様子に少し緊張もした。だから牛タンの写真が変な感じになってしまっているのである。とにかくまたすぐにでも訪れたいほどだ。

牛タンを食べた帰り道に、日本で1番古いハンバーガー屋さんで有名な、ほそやのサンドに行こうしたのだが、もう閉まっていて残念だった。

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ホテルに戻り、1日目が終わった。

 

2日目

台風が過ぎ去り、綺麗な青空となっていた。この日も朝から電車でひたすらに北上する。朝食は仙台駅で牛タン麦ごはんを買って食べた。ご飯に焦げ目がついていて予想よりも美味しかった。

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なんの問題もなく、盛岡にたどり着く。盛岡で冷麺を食べる。

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ここまでは2年前とまったく同じだ。前回はここから青森の八戸を経由して、三陸鉄道に乗るために岩手の久慈を目指したのだが、今回は秋田県を経由して青森へ向かった。盛岡駅から第3セクターである、IGRいわて銀河鉄道に乗った。

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この鉄道の名前はもちろん宮沢賢治からきている。JRの花輪線に乗り換えるために、好摩駅で下車した。いわて銀河鉄道の駅名の標識は星が飛んでいて可愛い。

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少し待ち時間があったので誰もいないホームで、盛岡で買った福田パンのサンドイッチ食べた。

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台風一過の晴天で食べるサンドイッチは最高だった。こういう時に、旅行していて良かったなあと思う。

花輪線は車窓からの景色が本当に綺麗だった。後ろに見えるのは岩手山だ。高くない山というのもまた魅力的に見える。丸みをおびたフォルムがどこか優しげで見守ってくれているような趣きがある。

f:id:miwa19940524:20160828224139j:plainどの景色も見飽きることなくずっと眺めていられた。

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花輪線にしばらく乗り、秋田の大館駅に着いた。大館は秋田犬発祥の地であるためこのような看板があった。秋田犬は大舘犬と呼ばれていたこともあったらしい。

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大舘駅から奥羽本線に乗り換え、青森に向かった。青森に無事到着する。ちょうど19時ぐらいだった。

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この日は10時間以上の移動だったのでさすがに疲れ、すぐさまホテルにチェックインし外に夕飯を食べに出た。事前に行きたいお店を調べておいたのだが、お店の前まで行くとまさかの休みで立ちすくむ。他に食べる場所を探すも、まったく見つからず時間だけが過ぎていきチェーン店以外は閉店していく。せっかくの旅行なのにコンビニで夕飯を買うことになる。青森っぽい食べ物をいくつか買い、ホテルで食べた。

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すべてまあまあの味でした。ほぼ移動だけの2日目が終わる。

 

3日目

朝は朝食を食べるために青森魚菜センターに行く。ここでは、のっけ丼というのをやっている。こんな感じで魚屋さんが市場の中にあり、事前に購入したチケットと交換でお店に売っているお刺身をご飯にのっけてもらう夢のような体験ができるのだ。

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種類によってチケットの枚数は異なり、ホタテやウニなんかはもちろん枚数が必要になってくる。そしてこれが僕が作ったのっけ丼である。

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海老やイクラやウニなど高そうなものばかりを乗せた、彩りもなにもない欲望のままの丼である。朝からこんなものを食べて体が心配になるが食べたかったから仕方ない。どれも新鮮で本当に美味しかった。

朝食も食べ終えて次はバスで三内丸山遺跡を訪れた。行きのバスの床が木だったのに密かにグッときた。

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三内丸山遺跡はとにかく広かった。

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 何千年前にかつてここで生活していた人たちの痕跡を見ていると不思議な気持ちになってくる。

この壺は子どもの墓。なぜか子どもの壺には必ず底に丸い穴があけられているらしい。理由は定かになっていない。いったいどんな風習や思いがその行為に込められていたのだろうか。

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 遺跡の水道やトイレの表示が少し工夫されていて可愛かった。

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博物館の人形が面白かった。誰もがツッコミたくなる指差す方向。

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三内丸山遺跡の後は、青森県立美術館に行った。

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これが有名な美術館である。

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なんとなく後ろに回って写真を撮ってみたら、すごい落ち込んだ人みたいになっていて面白かった。

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あとは、美術館あるあるなんだけれどトイレがすごい綺麗でした。

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 青森県立美術館を見終えて再び青森市内に戻ってきた。お昼を昨日の夜行こうとして閉店していた、おさないという定食屋で食べた。青森の名物であるという貝焼き味噌を注文。ホタテが本当に甘くて幸せに満たされた。

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腹ごしらえをして次に向かったのは、ねぶたが展示されているねぶたの家ワ・ラッセだ。面白い見た目の建物をしている。

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青森の有名なねぶた祭りのねぶたが広い館内に並べられている。

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写真では伝わりにくいのだが、本当に大きくて、細かいところまで作りこまれている。これが街を練り歩くなんて夢のようだ。生きているうちに一度はねぶた祭りを生で見てみたい。

ねぶたに圧倒された後は海辺で青森産のアップルサイダーを飲んだ。海風が最高に気持ち良かった。

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そういえば街中に土偶のオブジェがあって可愛いかった。

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この日は青森を存分に観光して、夜に弘前に移動して3日目が終わった。

 

 

 

羽海野チカの世界展や帰省中のこと

帰省前に、西武池袋で開催していた「羽海野チカの世界展」に行った。

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中学生の時に、姉の本棚にあった『ハチミツとクローバー』をこっそり読んだ時の感情を今も忘れていない。こんなにもあらゆる人の喜びや悲しみを掬う漫画があるのかと心を震わせた。今になって読み返した方がさらにその凄さを実感することが多い。もちろん『3月のライオン』も1巻が発売された頃から追いかけ続けている。恋愛から将棋へテーマを変えたものの、そこでうごめく人々の感情にはなんら変わりない。両作ともに天才の苦悩、凡才の苦悩が描かれいる。そこに注がれる羽海野チカの視線の暖かさは異常といっても言い程だ。いったいどんな精神状態で描いているのだろうか。まさに自身の血をインクにして漫画を描いていると言っても過言ではない。羽海野チカも、はぐちゃんや零くん同様に苦悩の天才だ。傑作における真の共感とは、決して甘ったるいものではなく、悶え苦しむことであるのだ。展覧会では1ページが出来上がるまでの下書きが展示されていたのだが、その書き込みの量が凄まじかった。最終的に出来上がる原稿には、その半分以下のことしか描かれていない。ブラッシュアップの過程が素晴らしかった。

羽海野チカの作品の魅力は何と言っても、キャラクターの可愛さだ。全ての登場人物が愛おしい。原画は、淡い配色がなされながらも、キャラクターはしっかりとした線で描かれていた。力強い線は登場人物たちを反映しているようにも見える。今回の展覧会はグッズも豊富で全てが可愛かった。もし僕が女子だったら買いまくっていた。男だという引け目から何も買いませんでした。


帰省中に、山梨の信玄餅工場に行った。みんなが大好きな桔梗信玄餅のビニールの包みは全て手作業で結ばれていた。

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これから桔梗信玄餅のビニールの包みをほどくときはどこかの知らない誰かが結んだことを思い出すのだろう。


諏訪大社の下社春宮にも行った。

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両サイドには御柱が立てられている。

ここから歩いて数分のところには、岡本太郎が絶賛した万治の石仏がある。

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横からのフォルムが想像より長くて面白い。

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おわり。



最近買ったCDやストレンジャー・シングスのこと

僕は、いま、これを実家で書いている。早く東京に戻りたくてしかたない。東京は1人でいても寂しくない。みんな知らない人だからまっすぐ前を向いて歩くことができる。地方は良いなんて言うけれど、娯楽がパチンコや車なんて人たちが大勢いることに耐えられない。土地は好きだが人が無理なのだ。もちろん、そんな人ばかりではないのは分かっている。しかしこれはもう地方出身者が抱えるどうしようもない感覚である。東京出身の人は地方出身を羨ましがるけれど、この感覚は到底理解できないだろう。東京に対するコンプレックスは相当なものなのだ。こんなことを実家のベッドに転がりながら思っている。


帰省する前にシャムキャッツの新譜「マイガール」を買った。

マイガール※初回生産限定盤(CD+DVD)

マイガール※初回生産限定盤(CD+DVD)


今回も相変わらず素晴らしくて、愛が溢れていた。マイガールというタイトルのストレートさがたまらない。「真冬のサーフライダー」はどことなく、くるり感がある。ぜひライブで聴きたいところだが、チケットが外れてしまったのが悔しい。タワレコのインストアライブは行くつもり。MVも良いです。

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 サニーデイ・サービスのアルバム「DANCE TO YOU」も買った。

DANCE TO YOU

DANCE TO YOU

 これがもう最高だった。シャムキャッツの新譜よりこっちのアルバムの方がたくさん聴いている。特に、「桜 super love」が好きだ。タイトルはやばいのだが最初の歌詞の「君がいないことは 君がいることだな」で素晴らしいということがわかる。MVの「セツナ」も良い。やっぱりこの前の、シャムキャッツサニーデイの対バンは奇跡だったと思う。

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 『ストレンジャー・シングス』全話を観終わった。もう終始興奮しながら観ていた。少年たち、もやがかかった中の光、自転車、悪い大人、未知との出会いなど、ドラマの中の全てが70〜80年代のスピルバーグ作品のオマージュに満ち溢れている。もはや、スピルバーグ作品のパッチワークと言ってもいいぐらいだ。特に『E.T』『グーニーズ』の影響は絶大だ。スピルバーグ作品に共通する親の不仲もあった。そこに、日本の『AKIRA』なんかの要素が加わるわけだからつまらないはずがない。こんなに詰め込みながらも二番煎じの真似事になっていないのがすごい。『SUPER8』の数倍の出来。キャストも魅力的で子役たちの可愛さたるや。ウィルのお兄さんを演じるチャーリー・ヒートンもいい役者だった。いい兄が登場する作品は信用がおける。先日観た『シング・ストリート』も兄の存在なしではあそこまでの評価に繋がっていないと思う。『ストレンジャー・シングス』でも兄が弟にレコードを聞かせてあげる場面があって最高にグッとくるわけです。あとは頼れる大人の存在も必須だ。子どもの声に耳を傾ける大人は魅力的に見える。予告だけでもたまらないものがある。とにかくNETFLIXに加入してこのドラマを観るべき。

 

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この写真というかイラストもめちゃくちゃ良い。3人の自転車のライトが最高です。

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7月のこと

  毎日暑くて下手したら1日20時間ぐらいエアコンをつけているかもしれない。8月の頭から夏休みに入ったわけだが、家から一歩でも出ると汗が止まらなくなってしまうので自宅に引きこもっている。本当はどこかに行きたいが涼しい自宅が僕を引き留める。

 夏休みに入ってすぐに始めたのはMOTHER2だ。言わずもがなの傑作でこれで3周目になる。何度プレイしても毎回違うところにハッとさせられて感動してしまう。今回は最後のファイアスプリングでのメッセージ「ネスは幼い頃の自分に見つめられているような気がした」に思わず泣きそうになった。過去からのまなざしが描かれている作品は傑作であると言い切りたい。BGMも最高で物語の重要な要素であるエイトメロディーはずっと耳に残る。エイトメロディーが流れる中でのこの回想シーンは涙無しでは見れない。

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 さらにMOTHER2関連の動画を漁っていたらエンディングの曲に糸井重里が書いた歌詞がついたバージョンを見つけた。しかも、やくしまるえつこが歌っているのだ。

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これからも僕は事あるごとにMOTHER2をプレイしていくのだろう。

 

ここから7月にあったことを思い出せる限り書いていく。

7月13日に贅沢貧乏の『みやけのFUSUMA』を観た。西大島にあるアパートの一室で観客数人の前で行われる演劇。まるでその部屋の住人になったかのように畳の上にひかれた座布団に座る。まさに地続きのお芝居に確かな感触としての生活を感じた。窓の外から聞こえてくる近所の音、キッチンから漂ってくる炒め物の匂い、自分が座っている畳の香り、そのすべてが生活であった。過去も未来もひっくるめて生活はここにあるのかもしれない。お芝居を観た帰り道、西大島の駅へ向かう途中に橋を渡った。その先には青くライトアップされたスカイツリーが見えた。橋とスカイツリーがあるこの風景もきっと誰かの生活の一部なのだろう。

 

15日に木ノ下歌舞伎『勧進帳』を観た。この『勧進帳』の演目は東京では上演されないので実家の松本に帰省がてら観に来たのだ。木ノ下歌舞伎は今回も本当に面白かった。作中のあらゆるところにボーダーラインを見出す巧みさが見事で、歌舞伎を現代に即してやる意味をあらためて実感した。次の日に、コクーン歌舞伎『四谷怪談』を観たのだが、木ノ下歌舞伎の方が現代で歌舞伎をやる意味を分かっているような気がした。もちろん、役者は本物の歌舞伎の人たちなので凄かったのだけれど。

 

17日は本多劇場でシソンヌライブ『cinq』を観た。シソンヌは今回も期待を裏切らない面白さだった。じろうの演技力がもう抜群に優れていてコントというより演劇と言った方がいいような気もする。良かったネタを挙げるとするならば、引きこもりのネタとばばあの罠が面白かった。おそらくDVD化されると思うのでぜひ見てほしい。来年もまた本多劇場でライブをやるらしいので必ず行こうと思う。


19日はくりぃむしちゅートークライブに行った。ほとんどくりぃむしちゅーのオールナイトニッポンの延長線上にあるイベントで終始笑いっぱなしだった。ラジオで定番だった話を目の前で聞ける幸せ。狭い会場にぎゅうぎゅうに詰められているのも良かった。熊本の震災のチャリティーイベントなので最後に募金をしたのだけれど、その時にくりぃむしちゅーのお二人と握手をさせてもらった。毎月トークライブを開催するようなので毎回行きたいところだが当選倍率の高さから次のライブは外れてしまった。次こそは当選してくれ。


29日はおぎやはぎのメガネびいき10周年記念イベント。めちゃくちゃ広い会場でしかも2階席だったためステージは遥か先だったが楽しめた。Charisma.com、金萬福ザキヤマ、山ちゃん、森山直太朗、おのののか、ハライチ岩井などメガネびいきメンバー勢揃いだった。ラジオのイベントはお客さんとパーソナリティーで共有しているものが多いから好きだ。


7月にあったことはこんな感じです。

 

6月のこと

 6月もいつの間にか終わってしまった。毎日のように暑く、エアコンを使うこともためらわなくなった。思い出せる限り1ヶ月のことを振り返ろうと思う。

 

 6月の頭の土日に父と母が東京に遊びに来た。姉を交えて家族4人でスカイツリーへ行った。東京に住んでいればどこかしらから見えるスカイツリーも登るのは初めてだった。展望台までのエレベーターは本当に速くて、一瞬にしてあの高さまで連れていってくれた。展望台からの景色はさすがのもので、遠くまで見渡せた。

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 ひしめき合う一つ一つの建物の中に人がいて、それぞれがそれぞれの生活をしているのを想像しただけで頭がくらくらした。きっと地上の人たちはスカイツリーの上から見られているなんて思ってもいないだろうし、もし僕が地上の建物の中にいたらそんなことを考えもしない。

 姉がスカイツリーの足元にあるソラマチ食品サンプルを作るキットを買っていた。担々麺とクリームソーダ。いつから食品サンプルにハマったのだろうか。最近は電車が好きらしく、私は乗り鉄だとか言い出している。こういうところが少し嫌なところだ。あとはフェスにしょっちゅう行ってピョンピョン飛び跳ねているのも若干受け付けない。

 スカイツリーの後は恵比寿で夕ご飯。姉が予約したお洒落な高級焼肉店。高いだけあって美味しかった。なにより嬉しかったのはユッケを食べれたこと。最近はユッケを出せるお店が少ないので貴重さも相まって幸せだった。早めの夕飯だったのでそのまま代官山までぶらぶらした。普段の自分の生活からは考えられないセレブな街歩き。次の日は自由が丘と二子玉川へ行った。良い生活してそうな人がたくさんいました。羨ましいかぎり。お金があって余裕のある大人になりたい。親に靴や洋服を買ってもらった。夕方ぐらいに親は松本へ帰って行った。2日間自分ではお金を一銭も使いませんでした。

 

 6月11日に木ノ下歌舞伎『義経千本桜ー渡海屋・大物浦ー』を観劇した。ここ最近観た中で一番面白かった。古典と現代の接続から浮かび上がってくるものに終始鳥肌が立った。過去の蓄積の中に私たちはいて、そしてそれは繰り返されるということを再認識させられた。

 6月は映画を2本だけ観に行った。1本目はタイ映画の『すれ違いのダイアリーズ』なかなか面白かった。会ったこともない人の日記を読んでその人に思いを馳せるロマンチックさがたまらなかった。2本目は台湾映画の『若葉のころ』映画としてはなんとも言えなかったけどルゥルゥ・チェンの可愛さは文句のつけようがない。台湾青春映画の魅力は白い制服だと言い切りたい。

 6月17日にくりぃむしちゅーのオールナイトニッポンが約8年振りに復活した。どんなにこの日を待ち望んだことか。今でも一番面白いラジオだと信じてやまない。布団の中にもぐって笑いを押し殺しながら聴いた。これまでのネタがとことん詰め込まれた最高の2時間だった。ラジオは今回限りらしいがチャリティーライブは月1で開催するらしいので毎月行きたい。

 6月20日に祖母が亡くなった。こんな流れで書くことではないのかもしれない。しかしふと見回せば死はそこらじゅうに転がっているので日常の中の一つなのかもしれないと思う。お通夜やお葬式の為に1週間ほど帰省した。親戚が亡くなるのはこれで2度目になる。3年前の祖父の時以来だ。これで母親の両親が亡くなってしまった。死の瞬間に立ち会った母は子どものように泣きじゃくっていたらしい。僕もいつか両親の死に立ち会うことになるのかと思うと切なくなる。お葬式の時、祖母の思い出で泣くことはなかったが、僕の知らなかった祖母の姿を聞いたときは思わず泣いてしまった。祖母の少女時代や結婚した時の話などの僕の中にない思い出が祖母が83年間生きてきたことをくっきりと浮かび上がらせた。焼き場に向かうバスの中でたまたま祖母の妹と隣になった。会ったことも話したこともなかったのに、旅行が好きなんだってね、と語りかけてきた。祖母が僕のことを話してくれていたらしい。大学に受かるように毎日お祈りしてたみたいよ、なんてことも聞かせてくれた。僕が大学に受かった時祖母は本当に喜んでくれた。だけど毎日お祈りしてくれていたなんて知らなかった。祖母の思い出はみんなの中にあるけど、祖母の中のみんなの思い出はどこへ行ってしまうのだろう。そんなことを思った。

 

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最近のことやくるりのライブなど

 

 最近は何があっただろうか。暑すぎないとても心地良い日があったのを憶えている。どこかの土曜日だった。シャムキャッツの『たからじま』を聴きながら散歩がてら吉祥寺のココナッツディスクに行った。その道中、横断歩道で信号が青になるのを待っていると足のすねのあたりを、ポンポンポンと一定のリズムで何かが触れた。ゴールデンレトリバーの尻尾だった。尻尾の柔らかく優しい感触と心地よいリズムになんだか泣きそうになった。信号が青になるとゴールデンレトリバーは飼い主に引かれてどこかへ行ってしまった。まだ足には尻尾の感触が残っていた。ココナッツディスクではayU tokiOのアルバム『新たなる解』を買った。最近は毎日のように聴いている。本当に良い。

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 個人的な話だと5月24日で22歳になった。なんだかもう取り返しのつかない年齢まで来てしまった。ついこの前までテレビや新聞で(22)なんて表示を見ると大人だと思っていたけど自分がその年齢になる時が来るとは。大人に見える人だって案外子どもなのかもしれない。物事に妥協していくことが大人になることだと考えているので社会で働き始めればいやおうなしに大人にさせられてしまうのかもしれない。

 

 20日にロロの『あなたがいなかった頃の物語と、いなくなってからの物語』を観た。ロロは大好きな劇団なので手放しに称賛してしまう。日常と離れたある意味で寓話的な世界を違和感なく立ち上げてしまう凄さ。物語ることによってつながる過去と現在。見える見えない関係なく過去は確かにそこにあって、記憶は場所や物にあるのかもしれない。アフタートークで主宰の三浦さんが多和田葉子『雪の練習生』に影響を受けたと話していたので読んでみようと思う。

 

 くるりの『NOW AND THEN vol.3』に行った。ライブ会場が神奈川だったので行くか迷っていたのだが辞めないで正解だった。今回は『アンテナ』の再現ライブということで一曲目は言わずもがなの名曲「グッドモーニング」

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今でもライブで必ず演奏されるだけあって「ロックンロール」は盛り上がった。

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そしてなにより心に響いたというか、圧倒的なグルーヴ感と力強いドラムに泣きそうになってしまったのは「How To Go」だった。自分が今一体どこにいるのかわからなくなるような錯覚にさえ陥った。

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『アンテナ』の全曲が終わった後は普段のライブでは絶対聴けない曲の数々。「さよなら春の日」や「地下鉄」、「さっきの女の子」など。この曲たちを聴けただけでも行って良かった。最後は新曲をいくつか歌って終わり。新曲もめちゃくちゃ良かった。「琥珀色の街 上海蟹の朝」は買いですね。くるりが好きで良かったなあとライブに行く度に思います。

 

 

 

 

ゴールデンウィークのこと

 

ゴールデンウィーク中のことを思い出せる限り断片的に書いていこうと思う。

まず、横須賀に日帰りで行った。猿島という無人島に行ってみたかったのだ。横須賀からフェリーで15分程の非常にアクセスのいい無人島。元々は戦時中に軍の要塞として使われていた島で、今でもその要塞跡が島中に残っている。島に上陸してまず見えてくるのが海水浴場やBBQ場としても使われている砂浜。

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砂浜を抜け、山の中に入るとそこには、苔で覆われたレンガの壁があった。

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これだけで雰囲気は抜群。さらに進むとトンネルもある。

 

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いくつかのトンネルを抜け、若干の山道を登ると海を見渡せる場所に出た。ここは砲台の跡らしい。

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山を下る途中にまたトンネルがあった。誰もいなかったら光の中に走っていきたいような気分になる。

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猿島は1時間もあれば、ぐるっと徒歩で見て回れるので、あっという間に再びフェリー乗り場に着いた。戦時中の建物を見ると、かつて誰かがそこにいたってことを想像してしまう。どの場所だって、誰かがそこにいたことには変わらないんだけど。

 

 

ゴールデンウィークは実家にも帰った。帰る電車の中で柴崎友香の「わたしがいなかった街で」を読んだ。 

わたしがいなかった街で (新潮文庫)

わたしがいなかった街で (新潮文庫)

 
なぜいままで読んでこなかったのだろうかと後悔するほどに面白かった。なにが面白いのかまだ言葉にすることができないが僕はこんな本を読みたかった。風景の背景にある歴史が見える瞬間とか、なぜそこに自分がいなかったのかなど日頃覚える感覚が小説の中にあった。あとは、頻繁に耳にする日常ということに対するひとつのアンサーが書かれていた。

 

日常という言葉に当てはまるものがどこかにあったとして、それは穏やかとか退屈とか昨日と同じような生活とかいうところにあるものではなくて、破壊された街の瓦礫の中で道端で倒れたまま放置されている死体を横目に歩いて行ったあの親子、ナパーム弾が降ってくる下で見上げる飛行機、ジャングルで負傷兵を運ぶ担架を持った兵士が足を滑らせて崩れ落ちる瞬間、そういうものを目撃した時に、その向こうに一瞬だけ見えそうになる世界なんじゃないかと思う。

 

 
 
実家に帰ってきてからは家族で飛騨高山に行った。良い感じの古い町並みが広がる。それにしても人が多かった。

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もちろん飛騨牛も食べた。もっとがっつり、肉だ!ステーキだ!みたいなのを食べたかったのだけど家族で小洒落たフレンチのお店に入ってしまった。美味しかったからいいけど。

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あとは高山陣屋にも行った。

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釘を隠すためのうさぎの金具が最高に可愛い。

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こんな感じで飛騨高山を満喫して家に帰ってきた。翌日、東京に戻ってきてゴールデンウィークが終わった。