記録

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2022年11月19日〜11月20日 文フリ東京

11月19日

仕事は休み。文学フリマ前日。とりあえず身だしなみを整えるために美容院へ行った。3ヶ月髪を切っていなかった。人前に出るから清潔でありたいという美意識と自意識。いつもの美容師さんは相変わらずちょうどいい話をしてくれる。ディズニーシーへ5年ぶりに行ったら楽しみすぎて朝4時に起きたと言っていた。店内の装飾がクリスマスになっていたので、「去年はたしか10月はハロウィンの装飾してましたよねー。かぼちゃのクロスかけられた記憶あります」と話したら今年はお店の人がみんなハロウィンのことをすっかり忘れていてなにもしなかったとのこと。自分から話題を振ったことに我ながら成長したなと思った28歳の冬。

髪を切り終わり、明日の準備のために隣駅まで紙やテープなどを買いにいった。東急ハンズの文具売り場は人がひしめき合っていて世の中の人はこんなにも文房具を求めているのかと恐れ慄いた。レジも長蛇の列で10分近く並んだ。どこでも売っているような紙やテープのためにこんなに並ぶのなら職場で買ってくればよかったと後悔した。その後、無印へ行くとこちらも混雑していて早々に撤退しスーパーに寄って家に帰ってきた。そばを茹でて、スーパーで買ってきたかき揚げを乗せて天ぷらそばにして食べた。夕方から文フリで配るためのフリーペーパーを書き始めた。昨年訪れた真鶴旅行での出来事のエッセイを書いた。この温度感の文章を今後も書いていきたいと思えるようなとても満足のいくものが出来上がった。印刷し、諸々明日の準備をして寝た。

11月20日

文フリ当日。本を抱えながら11時頃に流通センターへ行った。これまでは浜松町からモノレールの乗り換えに失敗し外を彷徨うことを何度も繰り返していたが今年はすんなり乗り換えができた。流通センターという名前を聞く度に反射的に東京靴流通センターと思う。会場に着き、早めに設営が終わりそわそわした時間を過ごした。過去最高の出店者数とアナウンスされていた。文フリとお笑い賞レースの出場者は毎年過去最高が更新される。開場すると左隣のブースに人が押し寄せて飛ぶように売れていた。インターネットで有名な人らしい。自分のブースにも一定の間隔で人が来てくれた。ブログ読んでますとかツイッター見てますとか『生活記録』読みましたとか言われる度に「誰かに届いているんだ!」と嬉しくなった。こんなたくさん出店者がいるのにわざわざ立ち寄ってもらえるなんて本当にありがたい。いつもながら来てくれる人はみんな優しそうな人ばかりだ。世の中しんどいことたくさんあるけど押しつぶされず頑張って生きていこうな!と心のなかで思った。驚くことに9割くらいが女性の方だった。もっといた少し気弱そうな、自分かよと思うような男の子たちはどこに行ってしまったのかと少し寂しくなった。無事に新刊は売り切れた。仕事の休みが取れず半休を取って出店していたので、ほしい本も買えず挨拶したい人にも声をかけられなかった。15時に撤収した。売る本はもうないけれど最後までいたかったので「仕事のばか!」と思いながらモノレールに乗った。本屋で働いているので、文フリで自分の本を売った後にまた本を売っているのがなんだかおかしかった。仕事のばか!と思いながらも、お客さんが探している本を見つけて感謝されたり、ラッピングを喜んでもらえたりして嬉しくなったりもした。人とコミュニケーションを取るのは苦手だけれど、ダイレクトに目の前で完結しない仕事はどうしても長続きしないような気がしている。本屋で働いている身として選書や棚作りももちろんやりがいはあるけれど、接客も好きなんだろうなと思う。24時前に帰宅した。緊張と不安と喜びが何度も行ったり来たりした一日だったのですぐに眠りについた。

 

【お知らせ】

①12月11日(日)に下北のBONUS TRACKで開催される日記祭に出店します!今回文フリで販売した新刊の『ラジオとテレビと生活と』と既刊の『生活記録』を持っていきます。お洒落そうなイベントで不安かつ誰も来なかったら寂しいのでぜひ遊びに来てください!

https://tsukihi.stores.jp/news/6369031dabc35c4fac2380d9

②新刊の『ラジオとテレビと生活と』の通販を始めました。発送は日記祭が終わった12月中旬になる予定です。

https://miwa261.stores.jp/items/6375b723f80f1e51f29a2670