朝起きると雨。なんとなく最近は雨の日が多いような気がしている。雨というだけで全てが億劫になってしまうが、窓を開けると涼しい風が雨音とともに入ってきて気持ちよかった。そのまましばらくベッドに転がっていた。こんな生活になってから朝ごはんという習慣はほとんどなくなり、朝と昼が一緒なのが当たり前になっている。今日はパスタに出来合いのカルボナーラのソースをかけて食べた。午後、締め切りが間近の原稿をどうしようかとうんうん悩んでいたら、窓の外から晴れ間が見え外を覗くと道行く人が傘を差していなかったので買い物に出ることにした。気温は暖かく、雨が上がった後で草木の緑がとても鮮やかになっていて美しかった。道路の脇に花が散っていた。桜みたいな色合いの花だが桜ではない。
なにか決闘があった後の壮大な死に際みたいだった。死ぬならこんな感じで死にたい。
スーパーでは、玉ねぎと合挽き肉を買った。今日の夕飯はハンバーグにしようと決めていた。家に帰ってご飯を炊いてから早速作り始める。この日の料理中のラジオは『空気階段の踊り場』だ。玉ねぎを切っているとどうしたって涙が出てくるのだが、世の中の人はどう対処しているのだろうか。ひき肉とパン粉、卵などと混ぜる。ひき肉をこねるときのあのむにゅむにゅとした感覚には一生慣れることがない。肉を俵形にしてパンパンと手の中に投げて空気を抜く。中央を少しへこませる。なぜ中央をへこませるかはいまいちわかっていない。フライパンに油をひいて焼いて出来上がり。中にチーズを忍ばせていたのでチーズインハンバーグだ。我ながら美味しいなあと思いながら食べた。
夜も原稿が書けず唸っていた。久しぶりにオードリーのオールナイトニッポンをリアルタイムで聴いた。すっかりradikoに慣れてしまっていたので危うく深夜ラジオを深夜に聴く喜びと寂しさを忘れかけていた。結局、朝の4時くらいまで寝ることができなかった。カーテンの隙間から空がうっすらと明るくなるのを久しぶりに見た。
