記録

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ずっと平行して

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日々、もう少し頑張ろうと思える出来事と辛くて行き場のない出来事が平行している。辛くてどうしようもない出来事は一点で、もう少し頑張ろうと思える出来事はまばらにある。しかし、そのただ一点の辛いことがあまりにも大きく、いくつかあったはずの頑張ろうと思える出来事がどこかへ追いやられてしまいそうだ。

辛い出来事になんとか拮抗するために、日々の中の大きな嬉しかったことと小さな嬉しかったことを書いていく。

7月6日に高円寺で開催されていた『玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ』展のトークゲストとして歌人の木下龍也さんと岡野大嗣さんとお話をした。この日に配布する用に、来場者特典として一週間半ほど毎日日記を書いていた。久しぶりに日ごとに区切った日記を書いて、またこれからあんな感じの日記に戻そうかなあなんて思った。トークは、案の定ぼくはほとんど話すことができなかった。でも、自分が書いた日記を目の前で多くの人が読んでいる光景は忘れられない。

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とても恥ずかしかったし、でも嬉しかった。誰のなんのためにもならない日記だけど、これからも書いていこうと思えた。本も、とてもたくさん売れた。サインも何回も書いた。ずっとずっと、自分なんかがという気持ちで一杯だったが、静岡から来ましたとか、握手を求められたりだとかすると、やっぱり嬉しくなってしまう。打ち上げも、とても楽しかった。混み合った居酒屋で岡野さんが、三輪くんに聞いて欲しい曲があるんだと、ヘッドフォンを貸しくれたこととか、木下さんがうなぎの肝を美味しくないと言っていたこととか、ナナロク社の村井さんがみんなを引き合わせられて嬉しいと喜んでいたこととか全部全部忘れない。

これが大きな嬉しかった出来事で、小さな嬉しかった出来事を細々書いていく。この前、道を歩いていたら、たくさんのどこでもドアを見つけた。もしくは、モンスターズインクの扉だ。全ての扉が別々のどこかに繋がっていたらいいのに。

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あとは、深夜に職場から見えた東京タワーがロードオブザリングサウロンの目みたいだった。ぼんやりと空にうつる感じが不気味だった。

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これらが僕の小さな嬉しかったというか胸が高鳴った瞬間だ。馬鹿みたいだけど、ふいに見かけた自分だけのこういう瞬間の高鳴りを忘れたくない。カメラロールにあるこんな小さな瞬間の積み重ねが辛いことをほんのわずかに忘れさせてくれる。

嬉しいことをもうひとつ。今月の12日から15日まで東京都現代美術館で開催される東京アートブックフェアのナナロク社ブースにて僕の『やがてぬるい季節は』と『日々はすべて穏やかな一日に』が販売されます。手元にあるわずかな在庫を全て預けました。『玄関』展で配布した特別日記もこの日はお付けする予定です。あのお洒落で居心地の悪くなってしまうTABFに自分の本が置かれる日がくるとは。ナナロク社には学生時代と前職の仕事を辞めてから、さらに今に至るまで本当にお世話になりっぱなしだ。感謝しかない。14日の日曜は、ブースでお手伝いをしながら本の手売りをしているのでもしよかったらお越しください。村井さんが、サイン会をしよう!と言っていたので本をお持ちの方にはサインをします。こんな誰でもない人のサインなんていらないと思いますが。とにかく、ナナロク社の本は良い本しかないので、ナナロク社の本を買いにきてください。

こうやって嬉しかった出来事を書いていたらなんとかまだやっていけそうな気になってきた。どうにかこうにか毎日頑張ろう。