記録

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どうでもいい話

アルバイト先の近くの商店街を歩いていたら、おばさんがおばさんに向かって、クソババア!と叫んでいた。なんだかわからないが僕は、ラッキーだと思った。おばさんが自虐的に自分をババア呼ばわりすることはあるかもしれないが、おばさんがおばさんに向かってクソババアと言葉を投げかけるのはこれまでに見たことがなかった。もし今度、おじさんがおじさんに向かって、クソジジイ!と言っている姿を見かけたら、スロットの数字が揃うかもしくは、神経衰弱で同じカードをめくった時のような快感を得られるかもしれない。

その日の帰り道、自宅の近くで信号待ちをしていたら、前にいたおじさんが突然キョロキョロした後、屈んでなにかを拾った。正確にはわからないが、10円か100円玉のように見えた。すると、もう一度すごい勢いで周りを見回し、スッとポケットにお金を入れた。その一部始終をそこで信号待ちをしていた人たちは見つめていた。いや、なんのためのキョロキョロだよ、とみんなが思ったであろう。こっそり拾ってこっそり盗ってくれたほうがこちらも、知らないふりができる。その人の行動はむしろ、今から俺は拾ったお金をポケットに入れますよーというアピールにさえ見えた。逆に大胆な犯行をすることによって盗んでいない風を装うやつか。落としていない小銭を、おっと落としちまったぜ、今から拾うぜ、拾ったぜ、という一連のパフォーマンスのようであった。彼はその小銭をなにに使ったのだろう。タバコとかではなくて、美味しい少し高いアイスとかに使っていてほしい。

突然深夜にどうでもいい話を思い出したのでした。以上。