お盆の間は、実家に帰省していた。特になにかしたわけではなく、ごろごろとしていた。よく、実家最高〜などと言う人がいるが、すっかり一人暮らしに慣れてしまった身としては、誰かがいるということにどうしても窮屈さを感じてしまう。たしかに、実家にいる間はご飯も洗濯物も親が全てやってくれる。しかし、一人の時はいつでも好きなものが食べられる。それ以上の幸福はない。アルバイトの帰り道に寄ったスーパーで、安くなったステーキ肉を買ってフライパンで焼いて食べたりなんかしちゃって、さらには、まるごとバナナを一人で頬張ることもできる。安い幸せだなあと思う。洗濯物だって、めんどくさいなあと思うこともあるが、あまりにも日中が暑すぎる日に干したバスタオルの、2時間しか経ってないのにもうこんなに乾いたの!すごい!という馬鹿みたいな驚きは我ながらに愛おしい。
帰省している間に、車の運転の練習も兼ねて、安曇野ちひろ美術館へ行った。いわさきちひろ作品で描かれる、帽子に焦点を当てた展示で、とても可愛かった。
マスキングテープも可愛いかったので買ってしまった。いわさきちひろの淡い水彩柄。
写真だと可愛さがいまいち伝わらないのだが、淡い透け感が最高なのだ。しかし、マスキングテープを使う機会はない。ちなみに、入場券も洒落ていた。
帰省していた間の出来事はこのぐらいで、本当になにもしていない。自室のベッドでNetflixを見たり本読んだりしていた。よく親も文句言わないよなあと思う。だってろくに就活もしていないのだ。本当にありがたい。
東京へ戻ってきてからはいつも通り、アルバイト。先週の根本宗子と長井短のオールナイトニッポン0がとても良かった。根本さんのエピソードトークがいわき総合高校の演劇の話、長井さんは文芸誌の話だった。どう考えても、ターゲットの狭い話なのだがオールナイトニッポンでこんな話をしてくれるのはありがたい。この日の長井さんの、「文芸誌を好きになったきっかけの舞城王太郎さんの本を初めて読み終わって、駅のホームで聴いていた曲です。ナンバーガールで透明少女」という曲ふりも最高であった。おそらく深夜ラジオで、FUKAIPRODUCE羽衣や、東葛スポーツといったワードが出るのはこのラジオだけなんじゃないかと思う。
あとは、シソンヌの単独ライブ『sept』へ行った。どのコントも恐ろしいほどの完成度で、面白くない瞬間がない。シソンヌとかもめんたるの単独ライブが毎年観れる世界に早くなって欲しい。会場が赤坂だったので、バナナムーンでお馴染みの「かおたん」で中華を食べた。
先週のいつだったか忘れたが、とても涼しい日があった。あまりにも涼しくて気持ちがいいので、夜に自転車でさまよった。なんとなく隣駅まで行ってみると、夜の駐輪場は誰かに見つめられているようだった。青いのはオタマジャクシみたい。
そういえば、今週は『ペンギン・ハイウェイ』を観た。原作がとても好きだったので、どうなるんだろうなあと思っていたがこれが傑作であった。空に投げられたコーラの缶が弧を描きながらペンギンに変わる瞬間なんかはアニメーションを見る喜びを感じられる。なんとなく、作品全体に円環のイメージがあって、小沢健二の「天使たちのシーン」を思い浮かべた。森見登美彦作品はアニメとの相性がいい。
昨日はアルバイトに向かう途中、可愛いウサギを見つけた。ロゴとかでありそう。
個人的に好きなウサギは、中野と高円寺の間の囲桃園跨線橋にいるウサギだ。怖さと可愛いさを兼ね備えている。
これからも街にいるウサギを集めていきたい。
朝の満員電車が嫌なので、アルバイト先へ行くときは、混まない駅まで自転車で行く。その途中で、いつもこの長い建物を見かける。
この建物が、無印で売っているカラーペンに見えて仕方がない。五角形っぽいやつ。この近くを通るたびに、頭の中で、無印…と無意識に思ってしまう。