記録

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足跡姫で泣いたことなど 1月23日〜1月29日

月曜日 

なんの気の迷いかインターンの面接を受けた。いや、正直なことを言うと就活への焦りなのかもしれない。バリバリ就活してます!って言うのがなんだか恥ずかしいのだ。とにかく初めて面接を受けた。4人の集団面接で僕以外全員女の人。まず自己紹介をどうぞという流れだったのだがみんながみんな、自己紹介の中に成功と挫折を織り込んでくる。これが就活なのかと圧倒されると同時にこんなの僕には無理だという諦めを感じた。学生時代に頑張ったことも聞かれたのだが、そこでもみなさんはなにかしら挫折し後に成功している。大学生活ってそんなに挫折の連続なのか。エンタメ系の企業だったので、あらゆるカルチャーに触れてきました的なことを話すしかなかった。もちろんそこには挫折も成功もない。案の定、採用担当の人の反応は悪い。向こうはこちらのチャレンジして壁にぶつかった経験を求めているのだ。なにも頑張ってこなかった人にはそんなものない。他の人は、この仕事でみんなに夢を与えたいなどど熱く語っていて途端に冷めてしまった。

 

火曜日

あさくさ劇亭でナカゴー『ベネディクトたち』を観た。もうめちゃくちゃ面白かった。何度も再演を重ねているナカゴーの代表作だけある。ふとした瞬間に私たちはいったい何を見せられているのかと我に帰るも、その声量と言葉の羅列に強引に劇中に引っ張り込まれる。そしていつの間にかずっと笑っている自分がいる。それにしてもナカゴーの劇場選びのセンスはなんなんだろう。

 

水曜日

14時から23時という地獄の長さのようなバイト。しかもずっと忙しかった。

 

木曜日

芸劇でNODA・MAP『足跡姫 時代錯誤冬幽霊』を観た。副題の時代錯誤冬幽霊が、ときあやまってふゆのゆうれい、という野田秀樹らしい読み方をする。今作は前々から中村勘三郎へのオマージュであると言われていたわけだがそれ以上に、演劇や舞台そのものに対する愛のようなものを感じた。恥ずかしながらラストシーンで、鼻水を垂らしながら号泣してしまった。舞台を観て自然に涙が出てきたのは初めてかもしれない。形を残すことのない肉体芸術への想いをストレートに美しく表現したあの瞬間を僕は忘れないだろう。思わずパンフレットを買ってしまった。冒頭の野田秀樹の文がめちゃくちゃ良かった。それにしても舞台の宮沢りえはなんであんなに綺麗で魅力に溢れているのだろう。

 

金曜日

『テアトロコントvol.15』を観に行った。今回は演劇からナカゴー、ミズタニー、お笑いからさらば青春の光、ザ・ギースが出演した。ここ最近のテアトロコントの中で1番面白かったのではないだろうか。全体のバランスが良く、グルーヴ感のようなものがあった。ナカゴー、さらば青春の光が円山町という場所に適したような下品なネタを披露していて最高だった。その後のミズタニーが4組の中で1番ウケていた。登場人物全員が漫画風の話し方とアクションをするのだが、それだけの面白さではなく、反復の多用だったり劇中劇のような入れ子にもなっていて意外にもシステマティックでしっかりとした構造だった。主人公2人の学生が藤子不二雄に憧れて電車で会いに行くという冒頭がなにより素晴らしい。最後のザ・ギースは、それまでの3組の下品さや異様さを吹き飛ばすようなミュージカルネタをやり拍手が起こる大団円を迎えた。金曜の夜の渋谷のうっとおしさもこんなに面白いものを観たあとではなにも気にならなかった。

江本祐介「ライトブルー」のMVが公開されていた。

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この曲の7インチは去年の夏に買い聴きまくっていたのだが、今回公開されたMVもめちゃくちゃ良い。いわき総合高校の子たちが出演している。この高校でロロの三浦さんが演出した『魔法』を観に行かなかったことを今でも後悔している。来月にパルテノン多摩で行われるロロとEMCのライブにもこの子たちが出演するらしい。チケットはばっちり確保してあるので今から楽しみだ。

 

土曜日

レポートをやっていた。

 

日曜日

この日もレポートをやっていた。終わる気がしない。柴崎友香や岸政彦の小説が発売しているというのにまだ読むことができないのが辛い。早くレポートを終わらせたい。