記録

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寒いから温かいものを飲む

部屋が、寒い。そんな寒い部屋の中で温かいものを飲むと、体が温まる。当たり前のことだがそんなことにいちいち感動し、救われたような気持ちになっている。去年より絶対寒いなあなんて思ったりするが、毎年そんなことを言っているし、夏になると去年より絶対暑いと思うので、きっとなにも変わらずそんなものなのだろう。

先週、文学フリマが無事に終わった。今回は、合同誌『生活の途中で』という新刊を持って参加した。

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自分としては、今までで一番の部数を刷ったので売れるかどうかとても不安だったがありがたいことに、完売することができた。執筆者の皆さんと、手に取ろうと思ってくださったみなさんのおかげだ。本当にありがとうございます。もうすでに、何人かの方から感想をいただけてとても嬉しい。

あれだけのブースが出店していて、あれだけの本があって、その中で『生活の途中で』を手にとってくださった方々がいるということが奇跡のようだ。対面式で緊張してしまう中、本当にありがとうございます。逆の立場だったら、何度もブースの前を往復してタイミングを伺ってしまう。自分も空いた時間に色々と本を買ったのだが、タイミングを伺っている内に買えない本がいくつもあった。なんとか買うことができた本たちをちょこちょこと読み進めているが、どれも面白く、自分ももっとちゃんと書かなければと思った。今回は、寄稿してくださった皆さんの力を大いに借りてしまったので、来年の文フリは1人の力で頑張りたいと思う。自分に何が書けるのかわからないけれど。文フリが終わって家に帰ってきて、会場で配られた僕のマリさんの書き下ろしエッセイを読んでゲラゲラと笑った。最悪で最高の文章だった。憧れてしまう。

文フリが終わった翌日から、怒涛の夜勤5連勤だった。毎日、23時に出勤して朝8時まで働く生活。死ぬかと思った。朝、帰ってすぐに布団に潜り込むと、いつも15時ごろに目が覚める。それからまた眠って17時ごろに起きて、そのまま起きていて出勤するパターンが多かった。完全に昼夜逆転していた。日勤と夜勤を繰り返すよりも、連続して夜勤の方が楽なのだが、夜寝る前のすべてが許されたかのようなあの時間を過ごすことができないのは惜しい。布団に潜り、うつらうつらとスマホを見たり本を読んだりする時間だ。あれは、夜だからいいのだ。朝にあの特別な時間を味わうことはできない。今月はほとんど夜勤がないので、昼間に活動する人間になる。反動で体調を崩しそうだ。

11月に観に行った演劇は、明日のアー『最高のアー』と、ウンゲツィーファ『動く物』だ。明日のアーは、いつも通り様々な文脈を知らなければ笑えないものばかりで面白かったのだけれど、数年前に観た『日本の表面』があまりに良かったのであの感覚をまた味わいたい。ウンゲツィーファは、数畳の狭い部屋で観る演劇。役者の体はぶつかりそうになるし体温さえも感じることができる。目の前で起きていることが物語で、演じられていることだとわかっているのにもかかわらず、役者のやり取りに現実で味わうものと変わらない居辛さそのものを感じた。それは、間違いなくあの空間がなせることだ。現実からの飛躍も、実際にそこで人が生活しているという揺るぎないリアルがあるゆえに、違和感なく受け取ることができた。

映画は、『ジョーカー』を観た。隣に女子高生3人組が座っていたので上映後どんな感想を述べるのだろうと楽しみにしていたら、「可哀想だけど仲間増えたからよくね?カラオケ行こ」と言っていた。強い。

土曜は、中目黒で開催されていたBooks&somethingという独立系出版社の集まるブックイベントへ行った。何人もの知り合いの方々に会うことができて嬉しかった。そこで、百万年書房から出ている星野文月さんの『私の証明』を買った。きっと良い本に違いない。そんな確信がある。しかし、文フリしかり、対面式で本を買うのには緊張してしまう。作り手と読者の距離が近いのがこういうイベントの魅力なわけで、いちいちそこに緊張してるなら行くなよって話だけれど。

書きたいことがいくつもあったはずなのに、スタバで飲み物を買ったらカップに犬か猫かわからないものを描いてくれたことしか思い出せない。

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こういうのって可愛い女子に描いてくれるものではないのか。職場で、30歳くらいかと思ったと言われた25歳男性に描いてくれるな。僕は犬が好きなので、犬と信じたい。街中で犬を見かけると、あっ犬だ!とつい目で追いかけてしまうし、一緒に誰かと歩いているときは、ねえ見て可愛い犬いる、と共感を求めてしまう。

滅多にない土日休みが終わろうとしている深夜3時。眠れずこうして書いているのも夜勤の習慣が抜けなくなってしまったからだろう。今日の月は、ほどよい三日月で、誰かが腰掛けていそうだ。そういえば、文フリ当日、僕はズボンのチャックが1日中開いていた。そんな格好でブース間をうろうろしてしまった。間抜けにもほどがある。文フリは対面式だから買うのに緊張してしまうとかご立派な自意識を述べている場合ではない。それ以前の問題である。しっかりしろよ、自分。