記録

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坂の多い街

この前の日記に、来週には桜はもう散ってしまっているだろうと書いたが、意外にもまだまだ綺麗に咲いている。近所の公園の桜も、電車から見える目黒川の桜も健在だ。少し散った桜が地面にまばらに落ち、風に舞っているのも春のイメージとばっちり重なる。そして、川には花筏花筏、良い言葉だなあと思う。この言葉を初めて知ったのは落語であった。

つい先日、渋谷の円山町を自転車で通り抜けていたら、大学1年生の時に必修授業で同じクラスだった人を見かけた。朝の9時ごろ、女の人と手を繋ぎながら歩いていた。円山町という場所柄、まあそういうことなのだろう。この状況で声をかけられたらめちゃめちゃ気まずいだろうなと思って、呼びかけてやろうと声を出しかけたがやめた。彼はもう、大学を卒業しているのだろうか。平日の朝に女の子と手を繋いで円山町を歩くなんて、人生を何回繰り返しても到底僕には訪れない状況だ。

先週の土日は、実家に帰っていた。特にやることもないのだが、親がこちらへ来るというのでそれなら僕から行きますよと、高速バスに乗って帰省した。高速バスがサービスエリアで休憩をする時、自分の乗ってきたバスがどれか分からなくなるのが怖くてよっぽど膀胱に限界がきてるみたいなことがない限りバスから降りることができない。今回は、朝ごはんを食べずにバスに飛び乗ったので空腹で吐き気がして、なにかお腹に入れなければとサービスエリアで白いダースを買った。バスの中で貪るように食べた。

実家に帰ったからといって特にやることもなく、だらだらと過ごしていた。ベッドでごろついてツイッターを眺めていると驚くべきものが目に飛び込んできた。

なんと、こだまさんが自分の冊子を購入してくれていたのである。嬉しさと驚きでベッドから飛び起き、部屋でぴょんぴょんと飛び跳ね喜んでしまった。こんなに嬉しかったのは、中学の時に市のソフトテニス大会で優勝した時以来だ。人生なにが起こるかわからないなんて手垢にまみれた言葉を使いたくはないけれど、本当になにが起こるかわからない。この日は、普段一人暮らしではなかなか浸からない湯船に実家でゆっくりと浸かり、喜びを噛み締めた。日曜日に東京へ帰ってきた。

東京へ帰ってきた数日後、テレビ東京の佐久間さんのインスタに自分の本が載っていた。

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連日憧れの方々に読んでいただいて、コメントまでいただけて、きっと今が人生のピークなのだろうと確信した。皆さんのおかげもあり、本の売り上げ冊数が200冊を超えた。もうこれ以上幸せなことは訪れない。そのうち、家の前でナイフで刺されるみたいなことが起きる。

ここ数ヶ月、べらぼうにおぎやはぎのメガネびいきが面白い。もちろん、これまでも安定して面白かったのだけれど、小木さんが最近よく話す犬エピソードが本当に好きだ。腹を抱えて笑ってしまう。オンエアバトル20周年スペシャルでもおぎやはぎは面白かった。おぎやはぎはこれまでもこれからもずっと最高なのだ。

最近のラジオの話をしだしたらもう本当にとまらなくなってしまう。根本宗子と長井短のANN0最終回で長井さん自作の曲が良かったこととか、アルピーのラジオのイノシシをモグラに変える話とか、新しく始まった霜降り明星のANN0のキャスパーのくだりとか、もう全てが面白い。佐久間さんのANN0は、緊張とANNをやれていることの喜びが入り混じっていて聴いているこちらもドキドキした。爆笑問題の太田さんが転んで頭を打った後のカーボーイも久しぶりに聞き応えがあった。

そして、なんと言っても今週の空気階段の踊り場「駆け抜けてもぐら 僕と銀杏の青春時代」がたまらなかった。鈴木もぐらさんは高校時代、銀杏の追っかけをやっていたらしく、当時向こうからも認識されていたという。高校生の時に、とあるきっかけで峯田さんに横須賀のハンバーガー屋に連れて行ってもらったり、遠征先のホテルに泊めてもらったこともあるというので驚きだ。ハンバーガーを食べた時のことを振り返って言った、「もちろん味なんてしなかったよ」の一言にグッときた。その後親交はなく、芸人になったことも伝えておらず、何年も経ち偶然居酒屋で再会した時に初めて芸人をやってると伝え、遂には単独ライブに来てもらうに至るわけだ。この話の何が良いって、最後に語られたもぐらさんの峯田さんに抱く想いが憧れと嫉妬であることだ。モテない悶々とした自分のことを歌っている!と思う一方で、ライブでは女子にキャーキャー言われている現実。それでも自分みたいな高校生にも親身になって接してくれていた峯田さんという存在。とても良い回だった。

ここ数週間の『勇者ああああ』が最高だ。熱海でのゲーム合宿がとても楽しそうで見ているこちらも幸せになる。きっと辛いのだけれど、友達とこういうのできたら楽しいだろうなーと思う。心底くだらない温泉に入るくだりでの、ハチミツ二郎による「来年の年賀状にしよう」に腹を抱えて笑った。あとは、「クールポコみたいな音しなかった?」もめちゃめちゃ面白かった。『相席食堂』は、ここ数回はべらぼうに面白いみたいな回はあまりなかった。

演劇は、アゴラでうさぎストライプ『ハイライト』を観た。あまりピンとこなかった。

今週の土曜日は、お昼に下北沢で玉田企画『かえるバード』を観た。とても面白かった。これまでの作風を保ちつつ次のステップを目指している感じがひしひしと伝わってきた。いつも見終わった後、あー面白かったで終わるのだが今回はズシリと来るものがあった。役者もみんなとても良かった。玉田さん、ますます仕事が増えるのだろうな。最近よく遊んでもらうヒコさんが偶然同じ回だったので、観終わった後にお茶をした。一保堂のほうじ茶を激押しした。そしてそのまま下北から代々木上原を経由し幡ヶ谷まで歩き、ウミネコカレーでカレーを食べた。僕はキーマとチキンカレーの相がけ。

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相変わらず美味しかった。ウミネコカレーからファミレスへ移り、23時過ぎくらいまでおしゃべりをした。芸能人のツイッターのフォロワー数を当てるゲームやウィキペディアの情報から人物を当てる遊びをして楽しかった。夜は『オールスター後夜祭』を見た。ずーっと面白かった。

日曜日は、聖蹟桜ヶ丘へ桜を見に行った。ずっと行こう行こうと思ったままなかなか足を運べず、5年越しぐらいに訪れることができた。とても暖かく天気も良く、最高の散歩日和だった。『耳をすませば』の舞台でもあるが、個人的にはラッキーオールドサンのファーストアルバムのイメージがある。駅を出ると、この日は桜まつりというものをやっていて人で賑わっていた。イベントの一環なのだろうか、子どもたちが地面に絵を描いていた。

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橋を渡り、いろは坂を登ると公園があり、桜が綺麗に咲いていた。

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桜を見ながら街を上から見ることもできるなんて素晴らしいにも程がある。さらにぐんぐん坂を登っていくと、求めていた景色が広がっていた。

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ため息が出るほど好きな景色だ。ずっと見ていることができる。こんなに素晴らしい景色も誰かにとっては日常であるのだなと思ったりもした。『耳をすませば』で見たことあるなーなんて場所を見ながら坂を登りきり、小さな公園のベンチに座ってしばらく桜を眺めた。帰りはちょうど夕焼けで綺麗な景色を見ることができた。ちなみにこの場所は、ラッキーオールドサンのジャケットと同じ階段。

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桜であったり、坂の上からの景色であったり、シンプルに美しいものには何もかもが敵わないなと思った。散歩日和の素晴らしい日曜日だった。

最後に少し宣伝になってしまうのだけれど、日刊サイゾーで月2回の連載が始まりました。こんな素人に仕事をいただけるなんて本当にありがたいです。精一杯書くので読んでいただければ嬉しいです。こちらが初回です。

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