記録

記録

ここ数日のこと

朝ってもう少し明るいのかと思っていた。5時半ぐらいにカーテンの隙間から外を見たら、想像の何倍も暗くて驚いた。眠れない日に徐々に夜が明けていくのをカーテンの隙間から漏れる光で感じていたのだが、その明るさと実際の外の明るさは比例していなかった。外に出ると、部活に行くのであろう中学生を見かけた。たしかに、このぐらいの薄暗さと寒さの中、部活に行っていたなと思い出す。普段は自転車で学校へ行くのは禁止されていたが、土日の部活だけは自転車が許可されていた。手袋をして、親に無理矢理巻かれたマフラーとラケットを背負って自転車を漕いでいた。マフラーへの抵抗感は、お洒落をしていると思われるのが中学生としては恥ずかしかったのだと思う。けれども、ネッグウォーマーはダサいと思っていたし長野県の寒さはむき出しの肌に優しくないので、妥協としてマフラーを巻いていた。僕は、いつも律儀にヘルメットをかぶっていた。白いつるつるのヘルメットだ。事故に遭った時のためなんて気持ちはどこにもなくて、どこで先生が見ているかわからない恐怖感が常にあった。結局のところ、小心者で今となんにも変わってないなあと思う。校則なんて破って、ヘルメットもかぶらず学区外へ行けるような人でありたかった。

朝の散歩での風景。最近は歩く時ずっとシャムキャッツ の新しいアルバム『Virgin Graffiti』を聴いている。

f:id:miwa19940524:20181210173204j:plainf:id:miwa19940524:20181210173232j:plainf:id:miwa19940524:20181210173305j:plain

土曜日は、三鷹芸術文化センター星のホールでiaku『逢いにいくの、雨だけど』を観た。27年前に起きたある事故の被害者と加害者の現在と、事故が起きた当時の被害者家族と加害者家族を交互に描いていくお話。iakuを観たのは『粛々と運針』以来であったが、その時の印象と同様に、とても丁寧な戯曲で今作もとても素晴らしかった。現代の演劇を追いかけていると、突飛で飛躍した面白さみたいなものにどうしても目が行ってしまうのだが、飛躍のない丁寧で誠実なお芝居を観ると改めて深く感嘆する。テーマがテーマだけに、坂元裕二の『それでも、生きてゆく』と共鳴している部分もあった。『それでも、生きてゆく』はもっと徹底的に人との分かり合えなさを描いているわけだが。

日曜は、あさくさ劇亭で秘密結社ブランコの『堀船』を観た。ナカゴー鎌田さんの作演出。鎌田さんの作る演劇はやはり抜群に面白い。前日に観たiakuとは全く方向性が違うわけだが、突拍子もない設定や演技の中でどこか人間的な部分を描いている。帰宅して、ついに『ベター・コール・ソウル』シーズン4の最終話を観た。冒頭がカラオケのシーンで始まり、カラオケシーンに弱い自分は一気にやられてしまった。映画や演劇のあらゆるカラオケの場面が好きだ。歌に様々な状況を乗せるなんてありふれたベタな演出だが、どうしても好きになってしまう。最終話まで観て、『ベター・コール・ソウル』の素晴らしさに改めて呆然とした。隙のないキレッキレの脚本と演出で、もはや『ブレイキング・バッド』のスピンオフの域を超えている。次のシーズン5で終わりということなので、どんな結末になるのか楽しみだ。

月曜、とても寒い日だった。夜に、下北スズナリで城山羊の会『埋める女』を観た。傑作不条理劇でとても面白かった。しかも、奥田洋平さんと岡部たかしさんという自分好みの役者が出ているのも最高だった。

最近はすれ違った人の後ろ姿を撮ることがある。

f:id:miwa19940524:20181210232134j:plainf:id:miwa19940524:20181210232204j:plain

犯罪すれすれだ。

親から今週末東京に来ると連絡があった。数週間前にも来たばかりだ。ストレスで僕を殺そうとしているのだろうか。家族だから気を使わないでしょとか、家族だから楽でしょとか言うのだが、家族だから一緒にいるのが苦しいということをわかっていないのか。24歳にもなってこんな反抗期みたいなこと言いたくないが、どうしたって親と顔を合わせるのが辛い。どうせ予定ないんでしょなどとも言うが、予定がないからって親に付き合って土日を過ごす義務は僕にはないはずだ。しかも、そっちはそっちで自由に過ごしていいからねなどと言うのだが、そんなこと僕にはできないことを分かった上での発言なのだ。とにかくもうそれだけで今週がずっと憂鬱だ。