記録

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東京に戻ってきてからのことなど

年末は12月29日から実家に帰省していた。帰省は特急列車でしたのだが、電車の中にリュックを忘れてくるというトラブルを犯してしまった。幸いにも終点だったため、駅の忘れ物窓口で回収することができた。これまでの自分は、電車にかばんやリュックが忘れ去られている場面を見る度に、荷物持ち忘れるとか意味わかんないよと思っていたのだが、いざ忘れてみると、本当に気づかないのだ。実際、駅まで迎えに来ていた親に、トートバッグしか持ってきていないの?と言われてリュックを置き忘れたことに気づいた。つい数時間前まで背負っていたものを忘れてしまうなんて、これまで生きてきた中でのもっと大事な諸々のことも忘れてしまっているんじゃないかと思う。

年末年始は、ほぼ実家から出ることもなくだらだらと過ごしていた。テレビを見て、漫画や本をベッドの上で読んでの毎日。年始の『ゴッドタン』マジ歌スペシャルが今回も面白かった。バカリズムのマジ歌にEMCが登場し、江本祐介の「ライトブルー」を曲に使っていて、ポップカルチャーの横断に感動した。乃木坂桜井玲香の個人PVのために作られた曲が、ロロ三浦直之演出のいわき総合高校の演劇に使われ、そこからマジ歌に繋がるという道筋。正確には、バカリズムが出演していたドラマ『住住』のエンディングがEMCの「そんな夜」だったのが、今回のマジ歌に繋がったのかもしれないが、「ライトブルー」という曲がアイドルから演劇、そしてお笑いへと横断したのは紛れもなく、ブログ「青春ゾンビ」ヒコさんのおかげだと思う。

1月7日に東京に戻ってきた。8日に『勝手にふるえてろ』を観て、その傑作さにふるえた。もう一度観たいくらいだ。会話劇としての面白さと、松岡茉優の台詞回しの巧みさ。昨年、坂元裕二『初恋と不倫』の朗読劇でも生でその台詞回しの巧みさを実感したのだが、『勝手にふるえてろ』ではそれ以上だったのではないか。映画としても、つまらない場面がほとんどなく、面白いところではしっかりと笑えた。生活の細部を丁寧に描いていたのも素晴らしさに繋がっていた。コンタクトから眼鏡に変える時の描写なんて本来ならばカットされうる可能性もあるはずなのだが、現実の私たちの生活にたしかに存在する場面をカットせずに積み重ねていったのが傑作へと導いたような気がする。渡辺大知も良かった。余談なのだが、高校1年生の時の体育祭の前にクラス合宿があり、そういう催しに対して斜に構え過ぎていた自分は、早朝練習だとか言って日が昇る前からグラウンドではしゃぐ人たちを見て、当時はまっていた黒猫チェルシーを聴いていたのを思い出した。TSUTAYAでプッシュされていて借りたのだ。ちなみに、帰省したらそのTSUTAYAは昨年末で潰れていた。自分のiPhoneに入っている音楽の半分以上がいまだにそのTSUTAYAでレンタルしたCDに占められているので悲しい。

10日は待ちに待った坂元裕二脚本のドラマ『anone』を観た。これからますます面白くなっていく予感が張り巡らされていた。14日日曜はKAATへロロ『マジカル肉じゃがファミリーツアー』を観に行った。回転式の舞台装置が効果的でとても良かった。詳細の違いはあれど、何度も何度もロロの三浦さんは表現の形を変えながら同じテーマを描き続けていると改めて思った。『BGM』のDVDとCDも無事手に入れた。

『ゴッドタン』の劇団ひとりと西野が相変わらずめちゃめちゃ面白かった。劇団ひとりは本当に天才だ。髪を切るところなんかはもはや切腹してるんじゃないかとさえ思った。