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記録

記録

三四郎やヴィジットなど 10月26日~11月1日

 

 月曜日

 バイト先に制服の女子高生2人組がお客さんとして来る。わっ女子高生だ!と思う自分も気持ち悪いがそれくらい珍しいのだ。このバイトを始めて1年半以上経つが初めて見たかもしれない。女子高生たちはメニューを見て高い高いと言いながらオレンジジュースを注文。たしかに高いよなぁと思う。オレンジジュース1杯710円てどうかしてる。まぁここでブレンドコーヒーとか頼まれたらそれはそれで戸惑うけれど。飲み物と高校生の記憶がズルズルと思い出されてくる。自分が高校生の頃を思い出してもコーヒー飲んでる女子なんて見たことなかったような気がする。紙パックの飲み物にストローさして飲んでるひとが多かった。ほとんどがリプトン。僕はそんな人たちが嫌いだった。でも、学校の帰り道、リプトンを買ってストローをさして家で1人で飲んだりしたことを思い出す。ふと懐かしくなってバイトの帰りに紙パックの飲み物を買う。甘くて飲めたものじゃなかった。半分以上を捨ててしまった。

 

 火曜日

 三四郎の漫才が面白いことを知る。もちろんゴッドタンやアメトークに出ている小宮を見て面白いことは知っていた。ゴッドタンでの小宮がMCの大声クイズは本当に笑った。しかし漫才まで面白いとは。

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 この漫才のリア充に劇薬ぶっかけたいという発想そのものが確実にこちら側の人間であることを物語っている。しかもそれがいわゆるファッション的なネタではないのが良い。ネタに入る前のファファファファファーもハマりそうで怖い。他の漫才も見ればわかるが小宮の言葉選びのセンスがずば抜けている。使い方が間違ってるんじゃないかって言い回しも面白さが上回っている。試しに三四郎のオールナイトニッポンを聞いてみたら案の定面白かった。来週はM-1の準々決勝で生で観れるので楽しみ。

 

 水曜日

 なにをしていたかまったく思い出せない。大学行って家でプリズンブレイク観てただけだと思う。

 

 木曜日

 新宿にシャマランの新作「ヴィジット」を観に行く。

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 これが本当に良くできていてよかった。ネタバレはしないほうがいいのであまり語らないが無意味なPOVでなく必然性のあるものだった。「演じる」ということの伏線が面白いなぁと思った。とにかく観てほしい。ちなみに予告の三つの約束がほとんど映画の中で触れられてなかった。

 道草晴子の「みちくさ日記」を読む。

みちくさ日記 (tourch comics)

みちくさ日記 (tourch comics)

 

  13歳でちばてつや賞を受賞するもすぐに精神的な病気で入院した作者の15年間を綴った自伝漫画。比較的ポップな絵柄とは裏腹に描かれる健常者というレールから外れてしまった作者のつらさや苦しさがひしひしと伝わってくる。特に、枠外に書かれた一言コメントが笑っていいのかわからないギリギリのものばかりで面白い。一言コメントがこの漫画の本当の部分なのではないかとさえ思ってしまう。まともであるということはどういうことなのか作者は終始悩み続けるが最終的には、みんなどこか欠けていて普通の人などいないのだという結論にたどり着く。一見ありがちな結論だがそこには作者の壮絶な人生の裏付けがあり圧倒的な説得力がある。最後の方に書かれている、病気だからとかもう若くないからとか生きているのに言い訳はいらない、の部分には人生讃歌のようなものさえ感じた。それと同時にFUKAIPRODUCE羽衣の「お金の話しが終わったら」の歌詞を思い出した。

 

成熟してない考えで頭はいっぱいなのに 

なんでもう若くはないとか言っちゃってんだろう

たとえ毎晩眠りにつくのが死ぬってことの練習だとしても

朝が来て目が覚めて今日も生きるってことの本番開始

結局さ傑作さ人生悲劇でも喜劇でもねぇが

 

 

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 金曜日

 柴崎友香による短編集「ショートカット」を読み終わる。

ショートカット (河出文庫)

ショートカット (河出文庫)

 

  この小説の登場人物たちはみな誰かのことを想っている。それはどこか遠くにいる人でふとしたきっかけで思い出されたりする。「記憶」やそれを隔たる「時間」が切なさを誘う。短編「パーティー」の中での三人の会話による好きな部分を抜粋。

 

「あれ、なに?」

和佳ちゃんが指差した川の先には、高さが三十メートルくらいありそうな巨大なアーチ型の鉄の橋のようなものが見えた。でもほぼ半円形をしていて絶対に登れないので橋じゃない。

「水門ちゃうん?あれを横に倒して閉めて、水が来えへんようにする」

「へえー。りょうちゃんよく知ってんなあ」

「ほんまや、りょう子さんは博学なんやな」

聞いたくせに和佳ちゃんはどうでもいいような返事で、聞いていないのかと思っていたなかちゃんはやっぱり話を聞いていて、わたしはというと、自分が答えたことを教えてくれた人のことをまた思い出してしまっていた。

 

 この文章の最後の部分が本当にたまらない。ここでは言葉で誰かを思い出しているがそれ以外で思い出すことだってある。

 小説からは離れるが例えばNUMBER GIRLIGGY POP FAN CLUBの歌詞では音楽で誰かを思い出している。

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このレコードを君は嫌いって言った

この曲を笑いながらヘンな歌って言った

あの曲を いま聞いてる

忘れてた 君の顔のりんかくを一寸

思い出したりしてみた

 

 土曜日

 本当に寒い日だった。秋なんて通り越してしまったのではないかと思う。

 こまばアゴラ劇場にてFUKAIPRODUCE羽衣「橙色の中古車」を観劇。深井順子さんによる一人芝居。とにかく深井さんの魅力に溢れていてこの人以外に演じられる人はいないだろうなぁと思った。アラフォーというところがお芝居すべてに哀愁をもたらしていた。

 

 日曜日

 大根監督の「バクマン。」を観る。エンターテイメント性と残酷さを兼ね備えていて面白かった。画面の中の情報量や細かいディテールに圧倒される。原作の要素を本当にうまく取捨選択してかなりスマートになっていたのが勝因だと思う。山田孝之クドカンが良かった。学校の先生役のハイバイ岩井秀人と神木隆之介は「桐島、部活やめるってよ」を彷彿とさせた。ちなみに僕はあまり小松菜奈が好きではない。