記録

記録

それでも、美しい

生きていると、思わぬ出来事が起こる。6月25日から7月7日まで高円寺で『玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ』展が開催されるのだが、7月6日のトークゲストに呼ばれたのだ。歌人の岡野大嗣さんと木下龍也さんによる歌集『玄関の覗き穴から差…

雨の降る日々

雨の降る毎日が続いている。パッとしない日々で、でも街角のふとした瞬間に眼前に現れる紫陽花なんかに綺麗だなと思ったりする。最近なにかあったかと問われれば何もない。仕事へ行き、働き、疲れて家に帰ってくる。仕事は今のところまったく辛くない。今思…

あの日の誕生日は

5月最後の日、深夜2時55分からの映画を観る。深夜に観る映画は、しみったれた静かな映画が相応しいのかもしれないが、僕は『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』MX4Dを選んだ。初めての4Dに想像以上にわくわくした。傾いたり揺れたり、風が吹いたりでただた…

ただ粛々と

前にも書いたことがあると思うのだけれど、岸政彦さんが早稲田文学に寄せた快楽についての文章が狂おしいほどに好きだ。度々読み返し、心の拠り所としている。 まず、快楽は、たくさん得たもののほうが勝ちだ。そしてその快楽は、ヤバければヤバいほどよい。…

終わらない1日

午前4時には空は明るくなって、朝6時の朝日はとても眩しいことを知った。2週間前から新しい仕事が始まった。夜勤が週に何度かある仕事で、夜の21時に出勤して翌朝6時までなんて日が度々ある。先週は、そんな日が3日連続であった。夜に家を出て朝に家に帰って…

ずっと在り続ける

ゴールデンウィークが終わる。それと同時に、僕は約1年ぶりの社会復帰となる。1年ぶりの正社員。販売業なので、お店に立つこととなる。どうなるのだろうかという不安しかない。まあ、頑張るしかないのだけれど。 今週観た、ほりぶん『飛鳥山』がとんでもなく…

いつも通りの日々

今日は平成最後の日で、でも正確にはいつから令和になるのかよく分からない。24時からなのだろうか。そうなのだとしたら、令和になる前にこれを書き終えたい。平成を振り返るほど平成を生きていないので、最近のことを振り返る。 先日、藤子・F・不二雄ミュ…

好きなものを好き勝手に

暖かい日差しのさす午後、自転車に乗ろうとサドルに触れると、とても温かかった。その時、市民プールの駐輪場やどこかの公園を思い出し泣きそうになった。夏の暑い日、自転車に乗っていった市民プールや立ち漕ぎをして向かった公園は、本当に記憶の中にある…

坂の多い街

この前の日記に、来週には桜はもう散ってしまっているだろうと書いたが、意外にもまだまだ綺麗に咲いている。近所の公園の桜も、電車から見える目黒川の桜も健在だ。少し散った桜が地面にまばらに落ち、風に舞っているのも春のイメージとばっちり重なる。そ…

長い散歩

なんだか勝手に桜は4月に咲くものだと思っているけれど、3月末には咲くのだと毎年思う。今がきっと満開で、来週には散っている。 先週はあまり咲いていなかった。咲いていなかったけれど、花見という名目で高円寺から吉祥寺まで3人で歩いた。他の2人は僕より…

相変わらずの日々

10日以上更新しなかったのは久しぶりだ。なにかが変わったようで、しかしなにも変わらない日々が続いている。転職先がなんとか決まったものの、5月からの採用ということで無為な日々の1ヶ月半ほどの延長が決定した。久しぶりの社会復帰はもうしばらく先にな…

面白いものしかない

姉が明後日入籍をするらしい。付き合った記念日がその日だと教えてくれた。はいはいなるほど、そういう記念日を大切にするタイプなのねと思う自分と、各々の幸せの感じ方は異なるのだと斜に構えた態度を正そうとする自分がいる。そんなことはさておき、姉は…

やがてぬるい季節は

このブログを始めて3年が過ぎ、記事数は157を超えた。当初は、ポップカルチャーを扱うカッコ良い文章を書きたいと思って始めたが、そんな才能は僕に無く、徐々に形を変え、最近では個人的なことにまつわるエッセイのようなものになってしまっている。振り返…

生々しい生活

街は、様々な人の生活が折り重なってできているのだと意識する機会が度々ある。それは、すれ違った人々や、ファミレスでの会話、電車やバスの中など、ふとした瞬間に目の前の人のこれまでとこれからを想像する。ここ数日は、そのことを強く意識する日々が続…

美味しいという記憶

最近は家にいることが多いため、ずっとラジオを聴いている。深夜ラジオはもはや10年ほど前から日常のルーティーンの中に組み込まれているが、ここ数ヶ月は午前中に放送されている『伊集院光とらじおと』をよく聴くようになった。そのラジオの中で毎週火曜に…

いつだって途中だから

劇場を出ると雪が降っていたことがある。それは2年前の2月9日にアゴラ劇場でペニノの『ダークマスター』を観た時だった。偶然にも、ちょうど2年後の2019年2月9日も、劇場を出ると雪が降っていた。東中野のビルの9階、街を見下ろせる場所でウンゲツィーファ『…

暖かい真夜中

とても暖かい日があった。その暖かさに気がついたのは深夜4時で、ゴミを出しに外へ出た時だった。気持ちの良い、ぼんやりとした暖かさで、なぜだかハワイを思い出した。先日、髪を切りに行ったら美容師さんに、行きたい国はありますか?と聞かれた。ハワイと…

うるせえ!と僕は思ってしまう

いま目の前にあるのは、自分がどうするかの選択のみで、いや、そもそも人生はその連続なわけだけれども、誰かの人生に思いを馳せるみたいな余裕がなぜか自分の中にはある。1年半ほど前に、散歩をしながら道ゆく人の会話の断片をメモしたことがある。 miwa05…

Things So Faint But Real

高層ビルやマンションに夕日が当たり、まるで最初からそれが綺麗な橙色の建物だったのではないかと見間違えるような日がある。そういう美しい夕暮れを、人々が行き交うなかで立ち止まって見つめている人がいる。残念ながら僕はそんな人にはなれなくて、誰も…

目の前には水蒸気

起き上がる気力もなく、ベッドで横になり、枕元に置かれた加湿器から白く水蒸気が立ちのぼるのをぼーっと見つめている。この状況、短歌とかで詠まれてないかと思ったがまったく思い出すことができない。 2日前からインフルエンザにかかってしまった。アルバ…

なにもかもが輝いて手をふって

静岡駅前行き、と書かれたバスが信号待ちをする僕の前をゆっくりと走っていく。窓際に座る人が、窓ガラスに頭をもたれさせながら、ぼんやりと外を眺めている。松屋、渋谷マークシティ、サンデーコーヒー、道玄坂マンモス、餃子の王将。目に見える看板の言葉…

一生枯れさせない

このペン、今朝借りたままで。すみません あっ!どこかで無くしたかと思ってたんです!よかった。 日がすっかり沈んで、室内と外の境目のぼんやり薄暗い場所でかわされたほんの数秒の会話に、どうしたって喜びを感じてしまう。アルバイト先に毎日来る佐川さ…

ゆるい坂の上から

苦しくても書いて、苦しいから書いて、楽しかったこともうれしいことも、ゆるい坂の上から町全体を公平に見下ろすような視線で書いていってほしいです。 先日、このような言葉をいただいた。ここにその言葉を載せることは、その言葉をくれた人を自分のために…

西日が差すだけ泣きそうで

初めは危い谷の小川の橋を渡るような心配事があるが驚き迷うことはありません 後には何も彼も平和に収まります 凡て小さいことも用心していればよろしい おみくじの言葉だ。今年2回目のおみくじも大吉であった。2019年は大吉を乱獲している。この調子で世の…

古いハム

すみません!そのパニーニ、古いハムでした! 帰省する前の年末、家までの坂を登りながらパンをかじっていたら、パン屋さんのお兄さんが走りながらそう伝えてきた。僕の手にはもう3口ほどかじられたパニーニがあり、お兄さんもそのかじった跡を見つめていた…

続2018年の終わりに

電車に揺られている。窓の外は、代わり映えしない山の景色が続く。空は雲ひとつない。駅に止まるたびに開くドアから冷たい風が吹き込んでくる。ふと現れる山奥の住居の生活に想いを馳せるなんて感傷的なことかできればいいのだが、それほど気分は穏やかでは…

2018年の終わりに

もう年末なので、そろそろ今年を振り返ろうと思う。なにかを振り返る時は往々にして、大きな出来事ばかりが目に入る。まして今年はあまりにも色々なことがあって、そのことに目を向けてしまいたくなる。しかし、その大きな出来事の影に隠れてしまっているこ…

誰かの記録

密かな趣味がある。誰か知らない人の個人的な記録が刻まれたものを手に入れることだ。日記でもなんでもいい。誰かの痕跡が残っているものは胸をざわざわとさせる。 最近手に入れたものは、昭和29年(1954年)、主婦の友(新年特大号)付録の「家計簿」だ。1月…

退屈を引き受ける

それってプライムビデオで観れるの?最近外に出るのが億劫でね。 87歳の詩人のこの一言を聞いた時、最高にクレバーだと思った。 金曜日、谷川俊太郎の朗読を聞きに行った。僕は谷川俊太郎の詩が好きだ。詩というものがそれほどメジャーではない国で、おそら…

ここ数日のこと

朝ってもう少し明るいのかと思っていた。5時半ぐらいにカーテンの隙間から外を見たら、想像の何倍も暗くて驚いた。眠れない日に徐々に夜が明けていくのをカーテンの隙間から漏れる光で感じていたのだが、その明るさと実際の外の明るさは比例していなかった。…